■シリーズ誕生から、ほとんどの年で販売ランキング1位を獲得するホンダ「N-BOX」
ホンダ「N-BOX」の勢いが止まりません。昨年の2018年(2018年1月から12月)の年間販売は24万1870台で、「N-BOX」として過去最高を記録しました。軽自動車としては2015年から4年連続販売台数ナンバー1を獲得。普通乗用車をあわせても2年連続の1位と、まさに、いま日本で一番売れているクルマが「N-BOX」と言っていいでしょう。
2018年に一番売れたクルマはホンダ「N-BOX」 過去最高の24万台超を販売で2年連続トップ
しかも「N-BOX」は、直近だけではなく、シリーズ誕生から、現在まで、ずっとヒットし続けているというから驚きです。初代「N-BOX」が誕生した2011年こそランキング外ですが(それもそのはず、デビューは12月でした)、2012年から2018年まで、軽自動車の年間ランキングは2014年を除いた他は、ずっと1位のまま。直近は4年連続1位というよりも、シリーズ誕生から1位を譲ったのは2014年の1回だけという、偉大なチャンピオンなのです。
ちなみに、ライバルとなるダイハツ「タント」とスズキ「スペーシア(旧・パレット)」が、「N-BOX」を脅かしたのは、2台ともにフルモデルチェンジをした直後の2014年のみ。この年は、ランキング1位が「タント」で2位が「N-BOX」で、その差は約3万台でした。
しかし、それ以外の年は、ほとんど5~10万台以上の差をつけて「N-BOX」が圧勝しています。それだけ「N-BOX」の人気がすごいということを数字が示しています。
■世間のニーズに応えた「N-BOX」の特徴とは?
では、いったいナゼ「N-BOX」は、それほどまで人気が高いのでしょうか?
さまざまな理由が考えられますが、シンプルな答えは「世間のニーズに応えているから」ということでしょう。では、どんなニーズに応えているのか? それは「N-BOX」がどのようなクルマであるかが答えになるのではないでしょうか。つまり「N-BOX」の特徴そのものです。
まず、「N-BOX」の誕生当時のころを振り返ってみたいと思います。「N-BOX」の誕生は、2011年12月ですが、そのころのホンダの軽自動車ビジネスは、あまり調子が良くありませんでした。当時のホンダ軽自動車は主力の「ライフ」で、2011年の年間販売ランキングは6位。他にランキング入りしていたのは15位の「ゼスト」のみと、正直パッとしません。
そこでホンダは勝負に出ます。軽自動車全体のプラットフォームを統一。ラインナップも一新して、「N-BOX」に始まる新しい「Nシリーズ」を立ち上げます。あわせて生産体制も刷新しました。つまり「N-BOX」は、ジリ貧であったホンダの軽自動車ビジネスを起死回生させるため、お金もたっぷりかけた大きな挑戦だったのです。
■広い室内空間とファーストカーとして使える車格
その特徴は、初代「N-BOX」の開発主査であった浅木泰昭氏の言葉に表れています。
「サイズが決まっているのなら、技術力で驚きの空間を創出してみせよう。排気量が決まっているのなら、技術力で圧倒的な走りと燃費を両立してみせよう」と生み出されたのが、Nシリーズのプラットフォームでした。
それを使った「N-BOX」は、「広さという普遍的価値を前面に押し出し、軽自動車サイズにHondaミニバンの魅力を凝縮。ファーストカーとして、幅広いお客さまに親しんでいただけるクルマに仕上げた」といいます。
つまり「N-BOX」には、軽自動車として最大限の室内空間とファーストカーとして使える車格感が与えられたのです。ポイントは「広い室内空間」と「ファーストカー」の2つ。この2つが、世間のニーズであり、それにライバルに勝るほどの価値で応えた。だからこそ、「N-BOX」が売れたといえます。
技術的に見れば、Nシリーズのプラットフォームは、前席の下に燃料タンクを納めているのが特徴です。また、ホンダには古くから「マン・マキシマム&メカ・ミニマム(通称:M・M思想)」という考えがあります。人の空間を最大にして、メカニズムは最小にしようという技術的な姿勢です。サイズの上限が決まっている軽自動車というレギュレーションの中で、人の居住空間を大きくしてメカニズムを小さくするというのは、ホンダの得意とするところだったのです。
■「N-BOX」の成功がホンダに及ぼす影響
ホンダにとって「N-BOX」の成功は願ってはいたことでしたが、ここまでの大ヒット作になると最初からわかっていたはずはないでしょう。
あくまでも「N-BOX」はNシリーズのひとつで、「N-ONE」「N-WGN」「N-BOXスラッシュ」といったバリエーションがあり、さらに2018年7月には初の商用モデル「N-VAN」も加わって、どんなニーズにも応えられるようになっています。
ただ、現状では「N-BOX」ばかりが売れており、他のNシリーズの売れ行きがもうひとつというのは残念なところです。
ちなみに軽自動車の利益率は、それほど高いものではありません。しかし、ホンダにとって軽自動車は、自動車ビジネスをスタートした原点。また、日本市場だけで考えると、ホンダのビジネスは軽自動車抜きでは考えることはできません。
もしも軽自動車をやめると、ホンダの国内生産能力が余ってしまって、工場を閉鎖しなくてはならないという最悪のシナリオも予想されます。ホンダは軽自動車ビジネスから逃げるわけにはいけなかったのです。
ホンダの国内ビジネスにとって重要な軽自動車。「N-BOX」は大ヒットしていますがいつまでも一本足打法では、世間の風向きが変わると辛くなります。ホンダの軽自動車にもそろそろ新しい話題が欲しいところです。
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