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【自動車博物館へ行こう】「魔方陣」のボーラ、メラクで解明するスーパーカーの魅力

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【自動車博物館へ行こう】「魔方陣」のボーラ、メラクで解明するスーパーカーの魅力

1970年代、イタリアンスーパーカーはなぜ人々を魅了したのか。「魔方陣 スーパーカーミュージアム」ではその理由がよくわかる。今回はジウジアーロがデザインした、マセラティ・ボーラ、マセラティ・メラクを紹介しよう。(Motor Magazine 2016年10月号より)

高性能であるだけではスーパーカーとしては不十分だった
1970年代、人々を魅了したスーパーカーは、飛び抜けた最高出力や最高速、0→100km/h加速などを誇るとともに、とても市販化されるとは思えない浮世離れしたエキゾティックなスタイリングを特徴としていた。

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当時スーパーカーと呼ばれたモデルのほとんどはイタリア製の官能的なクルマだったが、高性能であるだけではスーパーカーとしては不十分だったのだ。

普通なら市販化不可能と思われるような斬新なデザインが具現化されていたことが大きなポイントで、デザイナー個人やカロッツェリアの実力が大きな注目を集めた時代でもあった。

当時、絶大な人気を誇っていたのが、ピニンファリーナ、ベルトーネ、ギア、イタルデザインといったカロッツェリアや、ジョルジョ・ジウジアーロ、マルチェロ・ガンディーニをはじめとしたデザインなーだった。

ジウジアーロは、ベルトーネ、カロッツェリア・ギアに所属していた頃から天才デザイナーとして大きな注目を集め、アルファロメオ・ジュリアスプリントGT、BMW 3200CS、マセラティ・ギブリ、デトマソ・マングスタなどをデザイン。イタルデザインを興してからはマセラティ・ボーラやメラクをデザインしている。

魔方陣 スーパーカーミュージアムには、1970年代のジウジアーロの傑作、マセラティ・ボーラ、マセラティ・メラクが展示されている。

マセラティ ボーラ(1974年)
1971年のジュネーブオートサロンでマセラティ初のミッドシップスポーツとしてデビュー。落ち着いたスタイリングはイタルデザインを興したばかりのジョルジョ・ジウジアーロの手によるものだった。4輪独立サスペンション、4輪ディスクブレーキもマセラティ初。当時シトロエン傘下にあり、各部は油圧作動(ハイドロ)となっていた。エンジンは4.7LのV8で、1976年から4.9L版も加わるが、生産はわずか571台にとどまった。

マセラティ ボーラ(1974年)主要諸元
●全長×全幅×全高=4335mm×1770×1135mm
●ホイールベース=2600mm
●エンジン=水冷V型8気筒DOHC
●排気量=4719cc
●最高出力=310ps/6000rpmrpm
●最大トルク=47.0kgm/4200rpm
●車両重量=1400kg
●最高速=280km/h

マセラティ メラク (1979年)
1972年のパリサロンに登場。ボーラに似たボディにシトロエンSM用のV6エンジンを搭載していた。エンジンフードはフラットとなり、独立したCピラーを持つのが特徴で、エンジンをV6化したことでスペースに余裕ができ、室内はプラス2となった。3Lエンジンは当初190psだったが、1975年に220psへアップ。1983年まで約1800台が生産されるヒットとなった。

マセラティ メラク エスエス(1979年)主要諸元
●全長×全幅×全高=4335mm×1770×1135mm
●ホイールベース=2600mm
●エンジン=水冷V型6気筒DOHC
●排気量=2965cc
●最高出力=220ps/6500rpm
●最大トルク=27.5kgm/4500rpm
●車両重量=1180kg
●最高速=248km/h

魔方陣 スーパーカーミュージアム
NPO法人 ToSCA(トスカ) 旧栃木駅舎保存会が運営する自動車博物館。昭和3年に建てられたドイツ様式近代建築のJR旧栃木駅駅舎を移築、「生まれ変わった駅舎をもう一度未来に向けて活躍させたい」との思いからスーパーカーミュージアムが併設された。「魔方陣」とは縦・横・斜めそれぞれのマスの合計がどれも同じになる古来よりあるパズルのこと。クルマをこのパズルに当てはめると、クルマの色・生産メーカー・製造年のそれぞれの合計は「スーパーカー」というひとつの答えになるのではないか。そんなクルマの楽しみ方を提案できたらという思いを込めて、「魔方陣スーパーカーミュージアム」と名づけられたという。スーパーカー文化の伝承を目的に約30台を展示、それらすべてが動態保存されているという。入場料も良心的な設定で、ゆったりとした展示スペースに並べられたスーパーカーたちをじっくり見学したあとは、施設内に置かれたお座敷列車「オロ12 855(吾妻)」の車内でソフトアイスやドリンクを飲みながらスーパーカーたちをゆったりと眺めることもできる。ちなみにソフトアイスは150円、深煎りコーヒー150円(ホット、アイスとも)、アイスティ100円とこちらも良心的だ。なお、同じ敷地内には山本有三の小説「路傍の石」の主人公、吾一がぶら下がった鉄橋を再現した「吾一の鉄橋」もある。

●住所:栃木県栃木市野中町553
●入館料:大人800円、子供(小学生以下)300円、5歳以下は無料。団体割引等あり
●開館日:金、土、日、祝日のみ開館、開館時間:10時~17時(最終入館は16時30分)
●駐車場:あり(団体での利用の場合、運動公園駐車場の利用も可能※要事前連絡
●問い合わせ先:☎0282-20-5521 
●アクセス:東北自動車道 栃木インターチェンジより約5分。JR両毛線栃木駅より市営バス寺尾線「運動公園入口」下車約12分。東武日光線新栃木駅より市街地北部循環線 「総合運動公園前」下車約11分。
●展示車両は入れ替わる場合あり。駅舎・吾一の鉄橋の見学は無料。

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