2019年も気づけば1月の半分が終わろうとしています(つまり約24分の1が経過しました)。もちろん2019年も多くの新型車が登場します。
本稿ではその多くの登場(発売する、とされている)車のなかから特に多くの販売台数が期待できる5モデルをピックアップし、「本当に2019年内に発表発売されるのか」、「発売されるとしたらどんなクルマになるのか」を、流通ジャーナリストである遠藤徹氏に(各ディーラーに取材を重ねてもらい)調べていただいた。
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※メイン写真は現行型ジューク。ここ数年毎年「今年こそフルモデルチェンジする」と言われているジュークは今年こそフルチェンジするのか??
文:遠藤徹
■ホンダフィットは秋に登場するのか?
フィットが今秋、9月頃にフルモデルチェンジするのはほぼ間違いない。2018年12月に開催されたホンダ販売店向けの経営者会議で明らかにされたようだ。
フィットが新型に切り替わるとなれば、およそ6年ぶりのフルモデルチェンジであり、大幅な手直しとなる。
ボディシェルは正常進化で若干のサイズアップ。プラットフォーム、パワートレインなど基本コンポーネントは新開発。パワーユニットは新開発の直噴3気筒1Lターボ、1.5L・NA純ガソリン仕様と同ハイブリッドを搭載する。
ハイブリッドは従来のような1モーター2クラッチ方式ではなく(ややオーバースペックと思われるが)2モーター方式を搭載する見込み。それも燃費向上目的だけでなく「走りの楽しさを磨くため」という方向で開発が進んでいるという。
5ドアハッチバックの2ボックスレイアウトは継続させるが、若干のサイズアップとレイアウトの工夫で室内居住空間は大幅に拡大。装備の充実やクオリティアップによって、若干の上級シフトが行われる。
走行性はホイールベースの延長、ワイドトレッド、新開発エンジンの搭載、足回り強化などによって、静かで加速性の良い走りを実現する。安全対策は安全パッケージの「ホンダセンシング」さらに進化させるが、現行N-BOXの各デバイスにプラスアルファを加えて標準装備する。これによって現行シリーズ初期のように登録車のトップセラー奪還を再び目指すことになりそうだ。
■トヨタヴィッツは車名を変えて年末登場
トヨタヴィッツは次期型から「ヤリス」という車名にバトンタッチする。発売時期は今年末の12月が有力だが、2020年初めに先送りする可能性もある。
今秋開催の東京モーターショーにプロトタイプが参考出品されるのは間違いないだろう。
10年ぶりの世代交代だけに、大幅な改良でプラットフォーム、エンジンなど基本コンポーネントは全面刷新となる。
ボディは5ナンバーサイズを継続するものの(ライバルのフィットと同じく)若干大きくなり、上級シフトする。正常進化で5ドアハッチバックレイアウトだが、ボディシェルは直線基調のシャープないで立ちとなる。ホイールベースは50mm程度延長され、走りのポテンシャルアップと室内の居住空間を拡大。質感の高いつくりとする。
パワートレインはNAガソリンが1L、1.3L、1.5L、ハイブリッドは1.5L+モーターを継続するが、それぞれ大幅に改良され、走りの性能&低燃費の高次元での両立を目指して開発を進めている。
駆動方式は1.3Lに4WDを設定する他はすべてFFのみとなる。
特別仕様車のセーフティエディションの装備は標準グレードに組み込まれて廃止となる。安心パッケージの「トヨタセーフティセンス」はさらなる進化を遂げ、予防安全を一段と強化する。
従来ヴィッツはネッツ店の専売モデルであったが、新型ヤリスは当初カローラ店の併売とし、おって全系列店扱いに切り替えられる。
■日産ジュークは本当に2019年中に新型になるか?
日産ジュークのデビューは2010年6月デビューで、すでに9年目に突入している。世界的なSUVブームを受け、数年前から「今年こそフルモデルチェンジ」と言われ続けており、今年も「初夏には」という情報が入っている。
しかしどうやら今年もジュークのフルモデルチェンジはなさそうだ。
というのも、次期型ジュークは日産と提携する三菱の次期型RVRとのプラットフォーム、基本コンポーネント、パーツ共用化作業との絡みもあるから。
次世代モデルは現行型の尖った個性のデザインから、一般受けするオーソドックスなSUVへ路線変更する。
ボディサイズは全長&全幅は現行モデルとほぼ同じだが、全高は50mm程度引き上げられる。最低地上高も高くなり、ラフロード色を強めたレイアウトを採用すべく開発中。
パワートレインは1.5L、NAガソリン、1.6Lターボの現行ラインアップに新開発の1.2Lのe-POWERを設定する。
ノートに搭載しているユニットと基本的に同じだが、走行性や燃費、静粛性で大幅な改良が施されている。FFは全ユニット、4WDはターボ&e-POWER車との組み合わせで設定される見込み。
ノート同様に70%の販売構成比でe-POWER車中心のラインアップとする。プロパイロットや安全パッケージの標準装備車も進化させて設定。月販5000台以上を売り、トヨタC-HRやホンダヴェゼルを抜いて、同クラスのトップセラーを目指す方針である。
■ダイハツタントは今秋登場!?
ダイハツタントは今秋10月にも9年ぶりにフルモデルチェンジすることが有力になっている。
現行モデルは最終の特別仕様車「VS」シリーズが発売になっており、これを設定するとほぼ1年後に世代交代することが恒例になっているからである。
次期型はプラットフォーム、パワートレイン、足回りなどを全面刷新して開発を進めているところ。
ホンダがN-BOXでエンジンを傾け、前方へ移動させるレイアウトで同クラス最大の居住空間を実現しているが、次期型タントも同じような方式を採用する。これによって使い勝手を大幅に向上させる。エンジンはNA660ccと同ターボを搭載する。
ダイハツはEV走行も可能なシリーズハイブリッドを開発中で、もし間に合えば新型タントに搭載モデルを設定する。1モーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたシステムとなる。
安全対策ではパッケージの「スマートアシストIII」をさらに進化させた「IV」を標準装備する。自動ブレーキの利くスピードを引き上げるほか、検知機能の範囲を拡大するなどの改良が盛り込まれる。
これまで軽自動車トップセラーの座をホンダN-BOXに奪われていたが、世代交代によって奪還を目指す。月販1万5000台体制確立が当面の目標となる。
■スバルレガシイは今年デビューで間に合うのか
スバルレガシイは、本来であれば今年10月あたりがフルモデルチェンジの時期だった。ところがさまざまな事情(そのうちのひとつは昨年秋の完成検査の不祥事発覚がある)があり、延期することになったようだ。
次期型の登場時期はまだ明確になっていないが、今秋の東京モーターショーかその直後のロサンゼルスショーで市販型に近いコンセプトカーを発表し、2020年4月頃の発売となる可能性が強い(ただし北米や欧州など海外向けは先行して発表する可能性も考えられる)。
開発モデルはこれまで通り4ドアセダンのB4とスポーツユーティリティワゴンのアウトバックの2本立て。スバルグローバルプラットフォームを採用し、ボディサイズは若干サイズアップし上級シフトする。
エクステリアデザインはキープコンセプトで直線と曲面を融合させたボディシェルで仕立てる。
パワートレインは水平対向4気筒ボクサー2.5L直噴のNAと新開発同2.5Lモーターアシスト方式のマイルドハイブリッドユニットを搭載する。引き続き全車4WD車とする。安全パッケージは最新のアイサイトを採用し、より高レベルの予防安全対策を強化する。
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