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日本もすでに海外サイズが主力? 5ナンバーじゃなくてもコンパクトカーといわれるクルマが増えた理由

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日本もすでに海外サイズが主力? 5ナンバーじゃなくてもコンパクトカーといわれるクルマが増えた理由

■3ナンバー車と5ナンバー車の違いは?

 昭和の日本車は全幅1700mm以下の小型車、いわゆる「5ナンバー車」が主流でした。クラウンやスカイライン、ソアラなどの高級車もみんな小型車でした。それが現在では大衆車やコンパクトカーに位置づけられる車までが、5ナンバーから3ナンバーに成長しています。この理由はどんなことなのでしょうか?

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 3ナンバー車(普通車)と5ナンバー車(小型車)の違いは、ボディサイズとエンジンの排気量によって定められています。5ナンバーサイズとは、全幅1.7m×全高2.0m×全長4.7m以下、排気量2000CC以下。これらの数字が1つでも超えると3ナンバー登録となります。

 1989年度まではナンバー(と排気量)によって自動車税の税額が決められていましたが、以降は排気量のみで税額が決まるようになったことも3ナンバー車が急増した理由です。

 国産初の3ナンバー専用車種として登場した、日産シーマ(1988年)やトヨタ セルシオ(1989年)が相次いで登場し、バブル時代とも相まってこれらのクルマは大人気となりました。

 その後、スカイラインやクラウン、フェアレディZなどかつては5ナンバーだったクルマたちもみんな3ナンバーボディに格上げとなり、近年ではカローラ(ハッチバック)やシビックなどコンパクトカーにカテゴライズされていたクルマまで全幅1.7m超の「3ナンバー」に成長しつつあるのです。

■かつてのコンパクトな「5ナンバー車」どれくらい大きくなった?

 かつては5ナンバー車で現在は3ナンバー車となったクルマたち。いったいどのくらい成長したのでしょうか? それぞれの車の全幅の変化を比べてみました。

●トヨタ「カローラ」シリーズ初代カローラ(1966年) 1485mmカローラFX(1987年)1655mmカローラFX (1992年)1685mmカローラスポーツ(2018年)1790mm※カローラは、派生車種が多いので、初代以外は同型(ハッチバック系)で比較

●ホンダ「シビック」初代(1972年)1505mm2代目(1979年)1580mm3代目(1983年)1630mm4代目(1987年)1670-1680mm5~7代目 (1991~2005年)1695mm8代目(2005年)1750-1755mm10代目(2015年)1800mm

 こうしてみると、初代カローラは現在の軽自動車(全幅1480mm以下)とほぼ同じ全幅で驚きです。カローラスポーツはカローラ初の3ナンバーサイズとなり、シビックは5-7代目は1695mmをキープしていましたが、8代目で初の1700mm超え、10代目ではついに1800mmに突入しました。初代から比べるとカローラもシビックも全幅が約30cmも大きくなっていることがわかります。

■この10年間でこんなに変わった!

 コンパクトカー以外にも、セダンやミニバンなど多くの車種が「3ナンバー化」しています。自動車検査登録情報協会(自検協)の統計によると、平成20年と平成30年の保有台数を比較した結果、平成30年3月末現在の普通車登録台数は平成20年に比較して+13%、同じく小型車は‐16.45%となっています。とくに普通乗用車の比率が顕著に増えているメーカーは、下記の3社です。

・トヨタ +約26%・スバル +約102%・マツダ +約39%

 スバルは平成20年の約2倍に増えています。

 また、最新の販売台数データ(平成30年11月)でも、3ナンバー車の販売は102.6%と増加、5ナンバー車は94.4%に大幅減少しています。

■アメリカでも、3ナンバーサイズの日本製コンパクトカーが大人気

 2017年の全米4輪車販売ランキングを見てみましょう。

10位(9位) ホンダ・アコード 30.0万台9位 (5位) トヨタ・カローラ 30.9万台8位 (7位) ホンダCR-V 34.0万台7位 (4位) トヨタ・カムリ 34.3万台6位 (6位) ホンダ・シビック 34.5万台5位 (10位) 日産ローグ 36.3万台4位 (8位) トヨタRAV4 37.5万台3位 (3位) ダッジラム・ピックアップ 45.5万台2位 (2位) シボレー・シルバラード 51.8万台1位 (1位) フォードFシリーズ 80.7万台

 1~3位はピックアップトラック、これはビッグスリーが不動の地位を占めていますが、4位以下の乗用車・SUVにおいては、見事に上位を日本車が占めています。アメリカでも日本車人気が高いことがわかる結果です。

 アメリカでも日本車の人気が高い理由には、どのような背景があるのでしょうか?

「日本車は韓国車や欧州車に比べて、アメリカにおいて長い販売の歴史を持っています。とくに、カローラやシビックは50年前後の販売実績と信用があります。アメリカにはそれまで存在しなかった『コンパクトカー』というカテゴリーの車を最初に持ち込んだのも日本車です。この分野ではアメリカ車が日本車を超えることは難しいでしょう。それは、日本車がどんなに人気があっても、ビッグ3のピックアップトラックを超えられないのと同じ理由です」(J.D. Power グローバル・オートモーティブ部 シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネジャー ダグラス・ベッツ氏)

■3ナンバーのコンパクトカーが増えている理由とは?

 1990年代の終わり頃から日本車のグローバル化が急速に進んだことも、3ナンバー車が増えている理由の一つです。

 海外、とくに急激に拡大した自動車市場を持つ中国では、日本ブランドのクルマにはステイタス性もあり、また扱いやすいサイズと居住性、見た目の豪華さが選ばれるポイントとなっています。

 たとえば、カローラのセダン系車種は日本ではまだギリギリ5ナンバー枠に収まっていますが、同じ型式でも中国仕様は全幅が少し大きくなっています。また3ナンバー車が増える、もう一つの理由は側面衝突を始め、衝突安全の基準が年々、厳しくなっていることです。

 その最たるものが、2018年から変更された側面衝突テストにおける台車の重量で、横から衝突させる車を想定した台車の重量がそれまでの950kg→1300kgに大幅アップして欧米の基準に合わせました。350kgもの重量アップに耐えるためには、全幅を拡大させるしか方法がない、という事情があるようです。

 新型車は大きいから嫌という人がいるのも確かです。しかしこれまで以上の安全性を確保するため、安心して乗れるクルマが次々と生まれているのです。

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