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業界ニュース 2019.1.7

同じquattroでも、じつはいろいろある:アウディの全輪駆動システム=クワトロシステム

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スバルと並ぶ全輪駆動の雄・アウディ。quattroの名称はあまりにも有名だ。彼らのAWDシステムについて、その種類を考察してみる。

 quattro=イタリア語の「4」。全輪駆動を示すにあたり、アウディはなんとも洒落た名前をつけたものである。その始祖はよく知られているとおり、1980年の「アウディ・クワトロ」。AWDといえば悪路走破のための直結四駆という時代に、ディファレンシャルギヤ機構を前後軸配分に用いることで全輪駆動をスポーツ走行に役立てるというアイデアは、現代にまで通ずるエポックメーキングである。

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 移行、アウディはquattroをフルラインアップ化していく。車両種別も増え、その過程において種類も増えてきた。現在のラインアップからそれらをご紹介しよう。

セルフロッキングセンターデフ

 2005年に登場したquattroの第3世代がSLDC。現在のquattroのメインといえるシステムである。
 デファレンシャルギヤ機構は傘場歯車(ベベルギヤ)を用いると等分に、遊星歯車機構を用いると歯数によって不等分配分を実現できる。このセルフロッキング・センターデフにおいてはイニシャルを40:60とし、60:40~20:80の間でトルク配分が可能。差動制限はメカニカルクラッチを備える。
 

クラウンギヤデファレンシャル

 2010年に登場したシステム。SLCDと併用されているので新世代というより高機能版といったほうがいいかもしれない。RSモデルなどの、縦置きパワートレインのハイパフォーマンスモデルに搭載される。

 ハウジング内のピニオンギヤを両側から挟み込む「クラウンギヤ」なる部品がこのシステムの名付け元。われわれ日本人にはシャンプーハットといったほうが伝わりやすいか。ピニオンギヤと接触する径の違いでイニシャルのトルク配分としており、その値は40:60。回転差を検知し差動制限がかかると、15:85~70:30の間で前後トルクを配分する。

 SLCDに対しての利点を、アウディは小型軽量化としている。単体重量で4.8kg、SLCD比で2kgほど軽く作れるらしい。

ハイドロリック・マルチプレートクラッチ

 1998年に登場。TTおよびA3に採用された、横置きパワートレイン用のquattroシステムである。プロペラシャフト後端、リヤデフユニット入力部に湿式多板のクラッチで構成するカップリングを持ち、油圧で締結解放を制御する仕組み。いわゆる、オンデマンド四駆と言われるシステムである。

 本方式はセンターデフを持たないquattroである。ハイドロリック・マルチプレートクラッチというと一般名詞の羅列でなんともつかみどころがないが、Haldexカップリングといえば思い当たる方も少なくないはず。同社は先述のようにボルグワーナーに吸収されてしまい、いまはHaldexの名称を前面に出せない状況にある。

 それはさておき、本方式の最新世代はそのHaldexカップリングユニットの第5世代にあたる。理論的に100:0~0:100の配分が可能だが、フォルクスワーゲンを含め、アウディの前後トルク配分は95:5~50:50の間で制御していると思われる。つまり、普段はFWDとして高効率をねらう方式だ。

クワトロ・ウィズ・ウルトラテクノロジー

 縦置きパワートレインに、ついにセンターデフを備えないquattroが登場した。2016年のA4オールロードクワトロに搭載。図からもわかるように、湿式多板式のクラッチを用いるカップリングユニットで、通常走行時にはFWD状態とするようだ。

 横置きquattroがFWD状態でもプロペラシャフトを回していたことから考えると、本方式はさらに効率がいいように思える。しかしセンターデフがないquattro……という声はあちこちから聞こえてくる。

ビスカスカップリング

 ビスカスカップリングとは、シャフト接続のインナープレートとケース接続のアウタープレートを複数枚置き、内部にシリコーンオイルを充填した構造の装置。シャフト側からの回転を受け、オイルを媒介してケースが回転するビスカスモードと、回転が続きオイルが発熱膨張することで容器内圧力が高まり、それによりインナーとアウターが接触して力を伝達するハンプモードがある。前者は通常走行時、後者は連続高回転時に生じる。

 先代のR8に用いられていたシステム。ユニークなのはその使い方。前後のタイヤ外径を異ならせることで、強制的にビスカスカップリングを常時ハンプモードで使っているのだ。イニシャルの前後トルク配分は15:85で、後輪が滑るなどしたときには最大で30:70まで変化させる。

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(MotorFan Motor Fan illustrated編集部)

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