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回転だけ上がって速度が付いてこなかった! 最近クルマのCVTから「滑り感」がなくなった理由

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回転だけ上がって速度が付いてこなかった! 最近クルマのCVTから「滑り感」がなくなった理由

 効率のよい制御がドライバーに違和感を感じさせた

 ガソリンエンジンでもっとも効率の良い回転数は、毎分2000回転あたりとされています。無段変速できるベルト式CVTは、自在にエンジン回転を選べるので、燃費の良い走りをさせようとした場合、まずエンジンを効率の良い回転数へ上げてから、速度を高めていくという制御をしてきました。

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 そこで運転者には、エンジン音が高くなっているのに、ほかの変速機の場合と違って速度が十分にあがっていないと感じられ、「滑っているのでは?」と、錯覚させてしまいます。しかし実際にCVTが滑っているわけではありません。効率のよいエンジンの使い方をする制御によって、そのように感じてきたのです。

 しかし一方でそれが違和感であるのは間違いなく、運転感覚を改善することが進められています。それは、CVTの改良だけでなく、エンジンとの相互関係による改善もあります。

 まずCVTの改良では、副変速機や発進用のギヤを設けることによりCVTでの変速幅を広げ、変速比が大きいことによってエンジン回転数をあまり上げなくても滑らかに発進できるようにしたことで、エンジン回転数を高めなくても燃費への悪影響が出にくくすることが行われています。ベルトによる無段変速とギヤでの走行を巧みに組み合わせたCVTというわけです。

 ハイブリッドモーターと組み合わせることで滑り感は減少する

 エンジン側では、エンジンは回転を上げていくと燃料をたくさん消費するし、摩擦抵抗も増え、燃費に影響を及ぼすことはすぐ思いつくことだと思いますが、じつは低い回転数でガソリンをあまり消費していないと思っているときでも、燃費に影響を及ぼす要因があります。それはポンピングロスと呼ばれ、シリンダーの中への混合気の吸い込みにくさによる抵抗です。

 ガソリンエンジンにも、排ガス浄化策のひとつである排気再循環(EGR)などの採用が広がることにより、吸気の際にスロットルを開け気味にしても燃料消費に影響を及ぼしにくい技術が使われてきています。それであれば低回転でエンジンを回しても損失が増えず、運転の違和感も抑えられます。

 あるいは、モーター発進や、モーターの補助力を使って発進・加速をするハイブリッドであれば、発進からの低いエンジン回転数で燃料を多く消費せずに済むので、CVTでも無理にエンジン回転を上げる必要がありません。これによっても違和感の少ない加速が実現します。

 近年の自動車技術は、ひとつの何かが優れているというだけでなく、システム全体の総合力で性能を高めていく傾向が強まっています。

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