現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 昭和から平成そして新時代へ! 魅力そのままに力強くなって復活「ヤマハ セロー250」

ここから本文です
業界ニュース 2018.12.31

昭和から平成そして新時代へ! 魅力そのままに力強くなって復活「ヤマハ セロー250」

  • みんカラ つぶやく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

■変わらない素晴らしさを具現化するセロー250

 まさに期待通り、慣れ親しんだセローそのものです。扱いやすくてフレンドリー、自在に操れ、安心感があります。変わらないって素晴らしいことだと思います。新型「SEROW250」、文句の付けようがありません。

    2ストロークのヤマハ 「RZ」は熱狂的時代の象徴だった

 1985年の誕生以来、幅広い層に支持されベストセラーを続けるセローですが、厳格化した環境規制の影響を受け、2017年9月に惜しまれつつも生産終了となっていました。当然、多くのバイクファンが復活を待ち望み、およそ1年後の2018年8月31日にカムバックしてきたのです。

 3次排出ガス規制に適合させるため「キャニスター」(蒸発ガソリンの外気への排出を低減する洗浄装置)をダウンフレーム左側に装着し、マフラーにO2センサーを追加することで、基本構成の変更なしに復活となりました。もちろん、シンプルでタフなことで定評のある空冷SOHC2バルブエンジンも変更ありません。

■ロングセラーモデルたちを蘇らせる謎の装置「キャニスター」とは…!?

 じつは、ヤマハが誇るロングセラーモデルたち、SR400やトリッカーなどもセロー250と同じように17年9月の時点で一旦生産を終了し、やはりキャニスターやO2フィードバック制御のFIを備えることで再び復活しているのです。このキャニスターとは、いったいナニモノなのでしょうか。

「チャコールキャニスター」と呼ばれ、ヤマハではこれまでも海外生産車やビジネススクーターなどで採用実績があり、またクルマでは珍しくない燃料蒸発ガス排出抑止装置です。ガソリンは揮発性が高く、燃料タンクから気化するガソリン蒸気(HC=炭化水素)をそのまま大気へ開放しては環境に優しくないので、チャコール=活性炭に吸着させてから新気とともにエンジンに取り込み、積極的に燃焼させるという仕組みです。

 新型セロー250の場合、燃料タンクからホースが伸び、細長いボックス形状のキャニスター本体を経由して再び吸気機構へとホースが伸びています。本体には活性炭が詰められていて、そこを燃料蒸発ガスを通し、エンジンへ戻すのです。キャニスターの吸着剤(活性炭)はガソリン蒸気(HC)を吸着しますが、エンジンのエア吸入時には脱着(パージ)する働きも伴い、ガスは新気とともにエンジンに導かれて燃焼されていきます。

 給油時や走行中、ガソリンが気化することによって環境に悪影響を及ぼす炭化水素(HC)が大気に放出されてしまいますが、活性炭の吸脱能力によってそれを防いでいるのです。ヤマハやバイクファンらにとってはラインナップに欠かせないロングセラーモデルたちを不死鳥の如く蘇らせるのですから、この装置はありがたいとしか言いようがありません。環境規制適合のための、とっておきの切り札といったところでしょうか。

■基本フォルムはそのままに、細部をグレードアップ

 パッと見では、従来型と何も変わっていないように見えますが、もちろん進化すべきところはしっかりグレードアップしています。まず気付くのが、テールランプが「XT250X」譲りの2眼式LED式となっていることで、レンズ面積も広く優れた被視認性を確保していることです。

 リアフェンダーもXT250Xのように真っ直ぐ跳ね上がり、ナンバープレートは樹脂製のインナーフェンダーにマウントされています。従来型ではフェンダーがテールエンドで折れ曲がり、コンパクトな四角いテールランプとナンバープレートがダイレクトに取り付けられていましたが、新型ではこれを一新。ナンバープレート装着角度の最新基準に適合させた影響もあるのでしょう。後ろからプレートが見やすくなりました。

 また、これまでエンジンに装着されていたエア・インダクションは撤去され、シリンダーヘッド部に痕跡が残っています。なお、消費税含む車体価格は50万7600円でしたが、56万4840円となりました。

■サウンドもエンジンも元気ハツラツ!

 走り出すと、排気音が元気になっているではありませんか。他のモデルでも見られる現象ですが、日本独自の騒音規制が国際基準に統一されたことで、押さえ込まれていたものが本来の姿を取り戻したわけです。スロットルレスポンスも機敏になっていますし、エンジン全域で力強さを増しています。

 カタログスペックを調べてみると、圧縮比が9.5→9.7に上がり、1.9kg-mだった最大トルクが2.1kg-mに、最高出力も18psから20psに向上。また、車両重量は3kg増えて133kg、燃料タンク容量は0.3L減り9.3Lとなっていることがわかりました。

 走破性に優れるフロント21/リヤ18インチの大径ホイールは、オフロード車では一般的なサイズですが、通常のトレール車だとサスペンションストロークがもっと長く、最低地上高もシート高も上がって背の高いバイクとなります。ところがセローの車体は低くこぢんまりし、すべて手の内にある感覚です。シート高は830mmで、跨るとソフトなセッティングの前後サスペンションが沈み込み、両足がカカトまでベッタリと地面に届き、不安を一切感じません。

■マウンテントレールの持ち味が街乗りにも活きる

 ハロゲンヘッドライトの前にスタックバーを備えるなど、オフロードでは道なき悪路も突き進めますが、そんなマウンテントレールは都会を走るのにも頼もしく、51度もあるハンドル切れ角のおかげで細い路地でも臆せず入っていけるうえ、クイックなUターンも可能です。

 また、歩くようなスピードでトコトコ走るのも得意で、極低速でもクラッチを当てずにエンジンが粘り強くトルクを発揮してくれます。ゆっくり走るのが苦にならないから心に余裕が生まれ、安全運転にも繋がるはずです。

 そして、手中にあるような感覚は、物理的なサイズ感がもたらしているだけでなく、操作性に優れているからこそであり、もしそうでなかったら持て余してしまうという乗り手にとっては残念なことになってしまいます。

 昔からセローが多くのライダーを魅了し続けるのは、225ccあるいは250cc(2005年?)というしっかりとした排気量のエンジンを積んでおきながら、まるで原付バイクを操るかのように、もっと言えば自転車、いや手足を動かすかのように自在に乗れてしまうからなのではないでしょうか。日常の足としてフル稼動してくれ、いざとなれば「どこへでも行ける」という確信と自信をオーナーにもたらしてくれます。

 1985年に初代誕生。つまり昭和生まれで平成を生き抜き、さらにセローは空冷エンジンのまま、新時代をまた駆け抜けようと再び歩み始めました。今回、最新型に乗って改めて思いましたが、もう充分に完成され尽くしていて、キープコンセプトのまま熟成していけば、足すことも引くことも要りません。このままで、あり続けて欲しいと願うのは、筆者だけではないはずです。

  • みんカラ つぶやく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

(くるまのニュース 青木タカオ)

コメントの使い方

みんなのコメント

ログインしてコメントを書く

(株)カービュー関連サービス

メールマガジン メールマガジン

愛車無料一括査定

あなたの愛車今いくら?

車の種類を選択
事故車 商用車
お住まいの郵便番号を入力
-
※郵便番号がわからない方はこちら

※(株)カービューのページへ移動します