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気取らず実用的な7人乗りを使い倒せ!──フォルスクワーゲン ゴルフ トゥーラン新型ディーゼルモデル試乗記

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気取らず実用的な7人乗りを使い倒せ!──フォルスクワーゲン ゴルフ トゥーラン新型ディーゼルモデル試乗記

これまで、日本仕様のゴルフ トゥーランは1.4リッター直列4気筒ガソリンターボエンジン「TSI」搭載モデルのみだった。今回、新たに2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジンを積む「TDI」がくわわった。

最高出力150ps、最大トルク340Nmを発揮するエンジンスペックは、ひと足先に日本上陸を果たした「ティグアン TDI 4MOTION」と、同一。ただし、ティグアンの駆動方式が4輪駆動に対し、ゴルフ トゥーランTDIは前輪駆動のみだ。

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ゴルフ トゥーランのデザインはミニバン的だ。スタイリングの雰囲気はあきからにゴルフ・ファミリーをおもわせるが、ハッチゲートの角度は垂直に近かったり、ボンネット長が短かったり、SUVのティグアンより実用性を重視したデザインが特徴だ。

ミニバン的と記したが、実際に乗ると、操縦性はミニバンとは思えないほどよかった。ひとつは1750rpmから最大トルクを発生する、ディーゼルエンジンの扱いやすさだ。1630kgの車重を感じさせない力強い走りが味わえる。ただし、ターボチャージャーの設定は低回転域より中回転域重視のようで、2000rpmに達するまでややかったるかったが、そこから上の領域の走りは活発だった。

操舵フィールもいい。ティグアンと似て、意外に軽いのが印象的だ。「軽すぎる」と、思う人もいるかもしれないが、慣れればなんら問題ないはずだ。

足まわりもいい。7人乗りのクルマの多くは、リアサスペンションの設定が硬めになるものの、ゴルフ トゥーランはそこまでの硬さを感じない。ソフトなのだ。そして、軽快感すらある。ミニバンというよりは“ちょっと大きなゴルフ”と、考えるのが妥当かもしれない。

走りのよさもさることながら、ゴルフ トゥーランの最大の魅力は、やはりスペース効率だ。やたら広々している。運転席まわりは、センタートンネルを低くするなどして居住性を高めているし、リアシートの広さにも感心する。3列あるシートは、運転席を除きどれもバックレストを折りたためるので(助手席もたためる)、積載性に優れる。

また、オプションのスライディングルーフは開口部が広く、フロントとリアに座る乗員はより快適に過ごせる。まさに、現代の「タイプ2」(フォルクスワーゲンが1950年から1979年まで生産していたミニバン)と言いたくなる。

3列あるうちの2列目シートは、独立した3席が横に並ぶ。シートごとに前後スライドや、シートバックをリクライニング出来るので便利だ。3列目のスペースは必要最低限。とはいえ、成人男性でも短距離移動なら十分耐えられる広さだ。

ただ、インテリアデザインに”遊び”がないのは少々残念だ。造型や色づかいによって、他車と違いを出そうといった考えはないようだ。ダークグレーを基調とした、いかにも実用本位の空間である。そのぶん、汚れは目立ちにくく、掃除も容易そうであるのはメリットだけれど。

ゴルフ トゥーランに機能性を求めて買えば、絶対に失望しないはずだ。とくにトルキーなディーゼルターボエンジンはいい。1.4リッターガソリンエンジンモデルより、走りの性能面がよくなっている。

フォルクスワーゲンのラインナップでは、もっとも実用的な1台かもしれない。ゴルフも十分実用的であるが、居住性や積載性の観点ではゴルフ トゥーランにはかなわない。私たちがフォルクスワーゲンに期待してしまう“身の丈サイズの実用性”といった点では、まさに真骨頂だ。それでいて、369万9000円~と、400万円を切る車両価格は魅力的だ。

7人乗り&ディーゼルエンジン搭載モデルは、案外少ない。競合を探すとマツダ「CX-8」(319万6800円~)、BMW「218dグランツアラー」(434万円~)、あるいはプジョー「5008GT BlueHDi」(473万円)などのモデルぐらいだ。これらに対し、ゴルフ トゥーランは居住性や価格面で十分優位なポジションにあると思う。

ゴルフ トゥーランは機能性を最優先に考えているクルマだ。だから、標準装備のルーフレールも無駄にせず、家族や友人などとさまざまな荷物を積んで行楽にいけたらと思う。クルマのある素晴らしい生活を夢見させてくれる1台である。

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