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1位はランボルギーニ アヴェンタドールSVJ──2018年の「我が5台」 Vol.15 西川 淳 編

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1位はランボルギーニ アヴェンタドールSVJ──2018年の「我が5台」 Vol.15 西川 淳 編

今年のイチバン車は、ランボルギーニの最高峰「アヴェンタドールSVJ」だ。つい先日、日本で初披露されたばかりだというのに、963台の世界限定車がもうそろそろ完売というから慌てる。

エンジンの印象が強く残った1台だった。低回転域から溢れ出る豊かなトルクと、中~高回転域のハイパワーが、これまでのアヴェンタドール用エンジンとまるで違ったのだ。それでいて回転フィールは精緻なままで、まわせばまわすほど身体がエンジンに吸い込まれそうな気分になる。大排気量マルチシリンダーのピュアな自然吸気エンジンを背負って走るシアワセは何モノにも代え難い。

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もうひとつの魅力が、アヴェンタドールに初搭載された「ALA(エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ)システム」。ウラカン ペルフォルマンテで初採用された空力システムの進化版で、これの効きがとにかくすさまじいものだった! 空力の積極的な助けを借りながら、持てるパフォーマンスを存分に出し切って走らせることができる。そう、V型12気筒の770psを!

まず、エンジンパフォーマンスに感動した。5000回転以上の力強さが、ノーマル用エンジンとまったく違う。右アシの裏が浮き立って喜ぶほど、“ノリノリ”のトルクが感じられ、かつ呼応するサウンドの変化も無段階に高まり、気持ちいい。

車体の動きは、常に路面に張り付いているかのよう。かといって、レーシングカーのように吸い付いて離れないといった印象はない。感知しやすいロールがちゃんとあって、それゆえ、さほど緊張せずに攻め込んでいける。

鋭く自由自在にノーズが動くも、ドライバーの意思を超えるほどのシャープさではない。だから安心してペースを上げていける。ときには調子に乗り過ぎてリアがブレークするかもしれないが、滑りはじめの反応は“誰にでも分かる”ほど穏やか。まるでそのあいだだけがスローモーションだったかのように、素人でも対処可能な時間(余裕)がある。さらに、対処しきれず失敗しても、優しく取りなしてくれるだけの度量もあった。

488ピスタは決してレーシングカーライクではなかった。あくまでもロードカー。とはいえ、誰もがサーキットでレーシングカー的な性能を、安心して楽しめるマシンに仕上がっていたという点においては、稀有な存在である。

いかにもロールズ然とした顔つきと、ある意味コンサーバティヴな2ボックススタイルはともかくも、中身の性能・機能の充実っぷりがすさまじい。ボタンひとつですべての路面を賄う機能や、ファントムに次いで静かな車内など、世界最高のファミリィカー(?)に仕上がっていた。

オフロードボタン(社内では“どこでもボタン”と、呼ばれているらしい)を押すだけで、あらゆる道を難なくこなす。瓦礫に泥、砂や草まじり、まるでおかまいなし。タイトなコーナーも4WSのおかげで速やかにクリア。難しい下りもヒルディセント&クルーズコントロールでしずしずと進む。それでいて、グラベルではなんとなんと! スポーツカーのようなハンドリングもみせる。

もちろん、一般道では背の高い“だけ”のロールズだ。フラットに湧き出るトルクの波にのってクルーズする。出足こそ車両重量を感じるが、いざ走ってしまえば軽快のひとこと。静粛性の高さは圧倒的で荷室と繋がったSUVとしては異例。

面白いことにリアシートの乗り心地は、ラウンド型のシートだからだろう、ファントムより良かった。

1億円オーバーという価格が話題になった1台。中身はハイチューン版のGT-Rながら、エクステリアとインテリアをイタリアのスタイリスト「イタルデザイン」が手がけるというものだから、世紀のコラボレーションにクルマ好きが狂喜乱舞した。実際には、日産がデザインし、イタルデザインが実現可能なセンまでモディファイ、架装はイタリアでおこなう。 

そんなGT-R50は、先だって日本にも初上陸したものの、今のところまだ1台の試作車しかない状況で、ある意味とても貴重な存在(販売されても世界限定50台だからレアはレア)。そんな個体をコークスクリューで有名な、かの「ラグナセカ・レースウェイ」で、この夏、運良く試すことができた。

残念ながら試乗車の中身はノーマルのニスモ仕様ママで、パワーアップされた性能の片鱗を味わうことは叶わなかったが、それでも1億円GT-Rは魅力的だった。

チョップドルーフ仕様(屋根が低い)であるため、乗り込めばノーマルモデルよりもかなりスーパーカーちっく。カーナンバー「73」を付けたスカイラインGT-R(ケンメリ)のレースバージョンを彷彿させるエクステリアデザインもさることながら、個人的にはクラシック要素をモダンに表現したインテリアが大変気に入った。各種電子制御をバリバリに効かせた走りも、それはそれでサーキットでは面白い。素直に、欲しい1台であった。

今年もブランドや名車の周年イベントが相次いだ。ポルシェの70周年などはひと際盛大に、1年間ずっとおこなわれた気がするけれど、そこまで大げさでなくとも、たとえばランボルギーニのエスパーダ&イスレロや、ジャガーXJシリーズの50周年記念のツアーを、それぞれの生まれ故郷のイタリアやイギリスで堪能できたのは、自動車ライター冥利に尽きるシアワセだった。

なかでもXJのシリーズ2にのみ存在した貴重なクーペモデル、それも12気筒搭載モデル「XJC12」を自ら運転し、英国のカントリーロードをひらひらと走った経験は、一生の宝物になりそう。歴代すべてのXJに試乗したが、もし自分で買うとしたら、いったいどれを選ぶだろうか。プレゼントしてくれる、というなら遠慮なく、試乗した極上のXJC12をねだりたい……。

現実的に自分で買うとしたならば、程度の良いX308(1998~2003年製造モデル)か、それともピニンファリーナがリスタイリングしたシリーズ3も捨て難い……など、夢想しつつ、現行型のX351だって悪くない選択だ! といった具合に、ツアーが終わってみればすっかりXJシリーズにハマった自分がいたのであった。

 

【著者プロフィール】
西川 淳(にしかわ じゅん):1965年奈良生まれ。京都大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。中古車情報誌『カーセンサー』の編集に携わる。その後、1999年に同社を退社。現在はフリーランスとして活動中。

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