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業界ニュース 2018.12.22

日本でも増えつつある「ラウンドアバウト」交差点 災害時に発揮されるメリットとは

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■日本で年々増加している「ラウンドアバウト」とは

 欧米諸国や東南アジアの一部の国では、信号機のある交差点の代わりに「ラウンドアバウト」と呼ばれる円形状の交差点が多く存在しています。

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 現在、各国で多く設置されているラウンドアバウトは「現代的ラウンドアバウト」と呼ばれ、元々はアメリカで導入されたラウンドアバウトの問題点を改善し、1960年にイギリスで試験導入が開始され、その後、世界的に運用が始まりました。

 ラウンドアバウトとは、中央に円状の島(中央島)が設けられており、その周囲を「環道」と呼ばれる一方通行の車線で囲い、そこに接続された複数の道から進入、退出ができるようになっているものを示します。

 上から見た形は、地図記号の「工場」のマークのようになっており、とくに大型で有名なものでは、フランス、パリの凱旋門の周囲を取り囲むように配置されたラウンドアバウトで、12か所からの進入、退出が可能となっています。

 このラウンドアバウトは、通常は信号機を設置する必要が無く、交差点での信号機の待ち時間を省略して渋滞緩和できることや、十字の交差点のように、直進車両と右折車両の交差がなく、接触事故を未然に防げることのほか、さまざまな利点があります。

 このラウンドアバウトですが、日本ではほとんど見かけることがなく、存在すら知らない人もいるかもしれませんが、じつは日本でも導入が進められています。

 2018年9月末現在で、全国30都道府県78か所に導入されています。2018年3月時点では、全国27都府県75か所であったため、着々と増えてきていることがわかります。

 そこで、日本国内におけるラウンドアバウトの導入経緯などについて警察庁にうかがいました。

──ラウンドアバウトの導入に至った経緯を教えてください。

 平成26年(2014年)の道路交通法改正以前より、中央に工作物または道路標示が設けられ、車両が通行する部分が環状の構造を有する交差点が存在していました。

 このような環状構造の交差点においては、車両が環状部分を右回りに進行し、環状部分を進行している車両が進入する車両より優先走行するよう、安全かつ円滑な交通整理がなされているという実態がありました。

 一方で、同様の状態であっても、道路の幅員、道路構造その他の道路状況によって、一方通行、一時停止等の交通規制の実施状況が一様でない上、通行方法を見落とすおそれがあるなど、交通の危険を生じさせるおそれも存在していました。

 そこで、平成26年の改正において、環状交差点の定義を定めた上で、環状交差点では、車両は中央に設置された工作物等の周囲を右回り通行にするとともに、環状部分を通行している車両が交差点に進入しようとする車両に優先することとなるなど、その交通法に関する規定を整備しています。

※ ※ ※

 警察庁の話を要約すると、2014年の改正道路交通法により、バラバラであったルールがまとめられ、9月1日より正式に「ラウンドアバウト(環状交差点)」の導入が開始されましたということです。

 日本国内は2014年以前からラウンドアバウトの試験運用が始められており、2010年に長野県飯田市の吾妻町、2012年に同県同市の東和町に導入されました。

 飯田市での実地検証によると、直線的に通過できない形状とし、入口、出口の1車線化、環道は真円にして車線幅は車両1台分、導流帯(ゼブラゾーン)を用いて侵入と退出をわかりやすくし、優先/非優先の明確化を行なうことで、交通の流れを整え速度抑制も可能になったとしています。

 実地検証によると交差点の通過速度が、約35km/hから25km/hに低下しています。利用者アンケートによると過半数が良くなったと答え、悪くなったと答えたのは20%に留まりました。

■災害時に発揮されるラウンドアバウトの大きなメリット

 ラウンドアバウトが導入される以前から、「ロータリー交差点」という円形の交差点が存在していました。

 ロータリー交差点は正式には「円形交差点」といい、2014年の法改正以降、ラウンドアバウトの「環状交差点」とは区別されています。

 中央島があり、円形の車道を一方通行で通行するのは変わりがありませんが、交差点を通行する際の、優先権に大きな違いが存在します。

 ラウンドアバウトでは、前途のとおり環道を通行するクルマが優先されるため、侵入するクルマは、環道を通行するクルマがすぎるのを待って侵入する必要があり、これにより環道内の通行がスムーズに行われ、渋滞が発生しづらくなっています。

 対してロータリー式交差点では、ロータリー内に侵入する車が優先されるため、ロータリー内を通行する車は、侵入する車があった場合、一時停止をし、道を譲る必要があります。これによりロータリー内の通行が滞り、渋滞の原因となってしまうことがあります。

 実際に沖縄県糸満市にある「糸満ロータリー」は、渋滞の原因になっていたため、2015年にラウンドアバウトへ改修、切り替えが行なわれました。

■メリット多いが問題点もある「ラウンドアバウト」

 交通の流れが良くなり、事故が軽減され、信号機も必要ないなどメリットの多いラウンドアバウトですが、問題点も存在します。

 交通量が多いラウンドアバウトは交差点内への侵入が難しく、はじめて通るドライバーは躊躇してしまうことも。また、想定よりも交通量が多すぎると渋滞の原因になることもあります。

 交通に関する事柄以外にもラウンドアバウトは、設置に信号機のある交差点より大きな土地を必要とするほか、円の外側を渡る必要がある歩行者や自転車にとっては、少し面倒に感じるかもしれません。

 しかし、信号機を設置する必要がないことは、日本では大きなメリットになり得るのではないでしょうか。地震や台風などの自然災害で電気の供給が停まってしまった場合にも、信号機が使えないことによる影響はありません。

 過去の災害の被災地や、近い将来に発生することが予測されている南海トラフ地震の被害想定地域で、信号機を必要としないラウンドアバウトの関心が高くなっているようです。

 今後もラウンドアバウトは増加していくと考えられ、近い将来には、交通量が多くない小規模な交差点から信号機が撤去される、といったこともあるのかもしれません。

 日本で早期にラウンドアバウトが導入された長野県飯田市では、現在、飯田ケーブルテレビで吾妻町と東和町のラウンドアバウトのライブカメラ映像を公開しています。ラウンドアバウトが気になる方はチェックしてみるのはいかがでしょうか。

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(くるまのニュース くるまのニュース編集部)

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みんなのコメント

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  • sei*****|2018/12/22 08:21

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    ラウンドアバウトには広い土地が必要なので大都市には再開発以外は不向きかもしれません。
    しかし地方都市には有効だとと思います。
    特に宮崎市の江平五差路は早急にラウンドアバウトにするべきです。敷地は十分確保出来ると思います。
  • nam*****|2018/12/22 08:27

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    アイデアはよいのだけれど、高齢者はラウンドアバウトに慣れていません。
    直進と勘違いして中央棟に突っ込んだり、右折したいがために円環部を逆走したりして、事故渋滞が起きる可能性があります。
    現実に高速などの一方通行路を逆走したりしており、逆走防止のために矢印や標識や看板が設置されていますが、高齢者は自分の思い込みの中で走行しているため、これらを見ていません。
    円環部で事故が起きると動けないので完全に渋滞となってしまいます。
    早急な高齢者対策を施さないと、近いうちに問題となるでしょう。
  • lim*****|2018/12/22 08:11

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    国土の狭い日本で真ん中の空いた土地が無駄になる。田舎はいいが、都会は逆に不要

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