現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 非力だけど運転が楽しく、そしてなにより安価!ドイツ生まれのユニークなライトウェイトスポーツ、スマート・ロードスター・クーペ

ここから本文です
業界ニュース 2018.12.21

非力だけど運転が楽しく、そしてなにより安価!ドイツ生まれのユニークなライトウェイトスポーツ、スマート・ロードスター・クーペ

  • みんカラ つぶやく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

もしクルマを買う際に、乗員数や荷物の積載について何の制約もないとしたら、皆さんはどんなクルマを選びますか?

そんな制約から自由になれることは少ないと思いますが、筆者なら「小さな2人乗りのスポーツカー」を選びます。古今東西、さまざまなコンパクトスポーツカーが生まれてきたことから考えても、いつの時代も人々は身体にフィットするサイズのスポーツカーに惹かれ続けているのでしょう。

    色褪せない優美なスタイリング。かつて「世界一美しいクーペ」呼ばれた名車、BMW 初代6シリーズ(E24)

2シーターのコンパクトスポーツカーを数多く輩出している国といえば、やはりイギリスが代表的なところではありますが、今回取り上げるクルマは自動車大国・ドイツ生まれ。ドイツでは珍しいコンパクトかつ個性的なスポーツカー、スマート・ロードスター・クーペをご紹介します。

ルーツはイギリスにあり

曲がりくねったカントリーロードを軽快に駆け抜けるためのクルマとして、イギリスでは古くからコンパクトなスポーツカーが人気を博してきました。雨が多い国土にもかかわらず、その多くはオープントップで、簡素な幌しか装備されないクルマも少なくありませんでした。また、価格をできるだけ抑えるために、既存のコンポーネントをそっくりそのまま流用することも珍しいことではなく、オースチン・ヒーレー・スプライトや、ロータス・セブンなどはその典型と言えるでしょう。

そうしてできあがったクルマは、安価で、ハンドリングに優れ、非力なエンジンでもそれを使い切ることができる、運転するのがとことん楽しいライトウェイトスポーツカーたちでした。1960年代から、衝突安全性や排ガス規制が声高に叫ばれるようになる1970年代までの間、イギリスではライトウェイトスポーツカーの黄金期を迎えます。

イギリスのみならず、イタリアや日本でもこのコンセプトは広まり、古くはトヨタ・スポーツ800、最近の例で言えばフィアット・バルケッタなどに引き継がれています。一方ドイツでは、ポルシェ356などは「既存のコンポーネントを与えられた」という点は共通しつつも決して安価なクルマではありませんでしたし、BMW Z3、メルセデス・ベンツSLKなども同じく、「軽量で軽快」というよりは、ロングツーリングも難なくこなす快適性を備えたGT的性質の強いクルマでした。ドイツは、イギリスと比べると曲がりくねった山道が少ないため、アウトバーン性能がより重視されるのは当然のことだったのかもしれません。

ライトウェイトスポーツカーの復権

初代マツダ・ロードスターが「ライトウェイトスポーツカー」という概念を市場に復活させ、多くのフォロワーたちが続々とデビューしていった後、2003年に遅れて登場したのがスマート・ロードスターとロードスター・クーペです。当時、ドイツ国内からはすでに先述のBMW Z3、メルセデス・ベンツSLKのほか、ポルシェ・ボクスターやロータス・エリーゼをベースに共同開発されたオペル・スピードスターなどがデビューしていました。

スマート・ロードスター・クーペに搭載されるエンジンは、スマート・フォーツーのエンジンをチューニングしたもので、それでもわずか82psしかなく、815kgの車重に対して「余裕のあるパワー」とは到底言えないものでした。サイズやエンジン位置が似ているオペル・スピードスターと比較すると、870kgの車重に147psと、動力性能に関してはスマート・ロードスター・クーペの完敗と言えるでしょう。

しかし、スマート・ロードスター・クーペはドイツ生まれでありながら、イギリス産ライトウェイトスポーツカーのコンセプトをきちんと受け継いでいました。そう、安価で、非力だけれどもハンドリングに優れ、運転が楽しいスポーツカーに仕上がっていたのです。ドイツ国内にも、曲がりくねった道を心ゆくまで楽しみたいと願った開発者がいたに違いありません。

リアに搭載されたエンジンのおかげでトラクションも良く、ハンドリングは軽快でシャープ。また、現代のクルマらしく、ABS、EPS、エアバッグ、エアコンも装備していて、トランク容量も前後で合計248リッターを確保。また、クーペと言いつつも、屋根は左右に分割して取り外し可能な「タルガトップ」となっているも特徴です。

運転の楽しさは、エンジンの馬力に比例しない

スマート・ロードスターとロードスター・クーペは、商業的には成功せず失敗に終わった、とされています。実際に販売されたのは2003年から2005年の間のみで、総生産台数は43,000台ほど。でもこの数字、本当に失敗と言えるのでしょうか?

例えば、オペル・スピードスターは2001年から2005年にかけて生産されましたが、その数は7,207台で、スマート・ロードスターとロードスター・クーペの約6分の1に過ぎません。短期間でこれだけ売れた理由のひとつとして、やはり安価だったということが挙げられるでしょう。オペル・スピードスターの3万2500~3万6500ユーロ(約430~490万円)という車両価格に対し、スマート・ロードスターのベースモデルが1万4990ユーロ(約200万円)と、半額以下のプライスタグが掲げられていたのです。

最低限の快適性と実用性を備え、経済性にも優れたスマート・ロードスターとロードスター・クーペは、生産終了から10年以上が経過した今も、ドイツ国内で数多く見かけることができます。スマート製のクルマに共通する特徴として「意外と室内は広々としている」という点がありますが、ロードスター・クーペに大柄なドイツ人男性がニコニコ笑顔で乗っている姿を見て、「あ、だから室内に余裕を持たせているんだ」なんて合点がいくことも。

安価で運転の楽しいライトウェイトスポーツカーがどんどん少なくなってきている今、このスマート・ロードスター・クーペが引退するのはまだまだ先になりそうですね!

[ライター・カメラ/守屋健]

  • みんカラ つぶやく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

(CL 守屋 健)

コメントの使い方

みんなのコメント

ログインしてコメントを書く

  • cam*****|2018/12/21 07:13

    違反報告

    「オペルスピードスターの半額以下で台数も売れた」と書いてあるが、オペルスピードスターは実質ロータスエリーゼの姉妹車の様な設計で、製造もロータス。
    そんな車と比較するのは、「S660はロータスエリーゼより安くて売れた」と評価している様なもの。
    狙っている市場も車格も全く違うから、比較自体意味が無い。
  • swe*****|2018/12/21 06:53

    違反報告

    今の価格でいえば、コペンやS660より安いのかもね。非力とはいえ84psだったら日本の軽オープンより馬力あるしね。
  • kei*****|2018/12/21 07:56

    違反報告

    今ならルノートウィンゴも楽しいけどな。
    RRで4枚ドアだし。昔の911感があるし。

(株)カービュー関連サービス

メールマガジン メールマガジン

愛車無料一括査定

あなたの愛車今いくら?

車の種類を選択
事故車 商用車
お住まいの郵便番号を入力
-
※郵便番号がわからない方はこちら

※(株)カービューのページへ移動します