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業界ニュース 2018.12.10

重視するのは「機能性?それとも見た目?」 トヨタ86カスタムへの道【エアロ編】

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■性能アップとドレスアップ。まずはカスタムの方向性を決定

 2017年1月に新車で購入したトヨタ「86(後期型)」。見た目もカッコ良くて、乗り心地も快適。とくに不満は無いけれど、さまざまなカスタムで自分だけの1台に仕上がった、こだわりの愛車オーナーに憧れる。そんな気持ちを秘めているクルマ好きのオーナーさんは多いと思います。実は、かくいう私もその1人。

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 全国各地へ取材に行く中で、こだわりのカスタムカーに出会うたび、その気持ちはどんどん高まっていきました。そこで、遂に愛車の86をカスタムする事を決意したのです。

 そんな私の「86」は、リアに挟み込み式のウィングが装着されているだけのほぼノーマル状態。現状は、移動手段に使用しているだけなので、まずはカスタムで一番分かりやすいポイントであるエアロパーツを装着する事に。

 エアロパーツは、クルマのイメージを大きく変えてしまうので、オーナーにとってその選択はかなり重要です。エアロパーツの種類は大きく分けて2種類。装着する目的がドレスアップなのか、性能アップなのかで選択肢が分かれます。

 私が「86」の購入を決めた理由が、“ドライビングテクニックを磨けて、運転を楽しめるクルマ”だったので、今回のカスタムの方向性はもちろん性能アップを選択。国内最高峰レース『SUPER GT』にも参戦するトヨタのオフィシャルチューナー、TOM’S(トムス)へ相談に行きました。

 TOM’Sがラインナップするトヨタ「86(後期型)」用のエアロパーツは、純正バンパーに前後ともパーツを追加するタイプの『Sport』と、バンパーを前後とも変えて空力をさらに良くしようという『Racing』が存在。今回は、愛車の更なる性能アップを目指し、『Racing』を装着する事になりました。

 そんなTOM’Sのエアロについて、トムス株式会社 自動車用品部の桑原氏は「レーシングカーの場合、エアロパーツの存在はかなり重要で、空気の力でクルマを押さえつけてタイヤのグリップを増やしてコーナリング速度を速くするなどの効果を求められるのですが、その為に色々な工夫が成されています。

 簡単に言うと1つは抵抗を与えることで、例えばリアウィング。羽を起こしていくと風が当たってクルマが沈みます。それがダウンフォースです。

 そしてもう1つは、床面の空気を速く流していくこと。流速の速い空気をキレイに流していくと、出ていく時に風圧が生じて地面に吸いつく。この2つの方法をうまく組み合わせて、レーシングカーは作られています」と教えてくれました。

 日本のツーリングカーレースの最高峰とも言えるSUPER GTで培った技術を惜しみなく注ぎ込んだTOM’Sのエアロパーツを装着すると、私の「86」はどのような進化を遂げるのでしょうか。話を聞いているだけで、ワクワクが止まりません。

 まずは、フロントバンパーを交換。このフロントバンパーの形状についても大きな意味があるそうで、「このエアロはとくに車体の下側を通る空気の流れをキレイにするように作られているのですが、車体の下をキレイに流れていく空気の通り道の邪魔をするのが、タイヤハウスに入る空気です。ここに空気が入ってしまうと、ボディの真ん中を走っているキレイな空気の中に混ざってしまい、流れを乱します。

 車体前方から来た空気を真ん中に集めて、後方に行くにしたがって空気の通り道を狭くする。そうやって空気の流速を高めながら下面でダウンフォースを発生させ、スムーズな流れを作ります。これは、水の通り道を狭くすると流れが速くなるのと同じ理屈です(TOM’S 桑原氏)」

 レーシングカーの1つ1つのパーツ形状には、全て意味があるということに驚くと同時に、そんな凄すぎる性能を果たして私は感じられるのか少し不安になりながらも、作業は着々と進んでいきました。

■エアロパーツに隠された性能を紐解きながら、作業は進んでいく。

 続いては、リアバンパー。こちらは、フロントから取り入れた空気の吐き出し口となっていて、その形状も綿密に計算されているそうです。

「リアバンパーは、キレイに入ってきた空気を排出したいのでさまざま工夫が施されています。例えば、普通のクルマでは、タイヤハウス内にインナーフェンダー(内張り)が存在します。しかし、レーシングカーなどにはインナーフェンダーがありません。そのため空気を車体後方に流すために、リアフェンダーの両サイドに縦型の穴があいていて、ここから空気を逃がすという仕組みになっているのです。

 また、リアフェンダーの下側にディフューザーというものが装着されています。レーシングカーは、空気の出口を広くすることで、できるだけキレイな流れで空気を出す仕様になっています。逆にこの部分を狭くすると発生するダウンフォースは減ってしまいます。そのため、レーシングカーでは、このディフューザー部分を切りぬいてしまっているぐらい開口部を広くして、空気を速く抜けるようにしているのです(桑原氏)」

 次は、サイドステップ。さすがにこれは高級感とかアクセントとか、ドレスアップ系カスタムだろうと思いきや、実はここにも重要な働きがあるそうです。

「先ほどまでのエアロパーツの説明で、タイヤハウスの空気をキレイに出す工夫の話をしましたが、いろいろと防いでいても空気は入ってしまいます。そこで、レーシングカーに付いているタイヤの前と後ろを見ると、タイヤの後ろ側が緩く削られています。これはタイヤハウスから空気をスムーズに引き抜く為の形状で、これと同じくサイドステップも前側をゆるく落としているのです。

 そしてもう1つ。車体上面の空気は下面に潜ろうとする流れに変わるので、板状のステップを付ける事で下側に潜ろうとする空気を一旦受け止め、潜らせないのと同時にその流れ自体を下に押す力(ダウンフォース)に変える仕組みになっています(桑原氏)」

 ただの外枠のようなサイドステップにまで、空気の流れを変えるだけでなくそれ自体を利用する機能が備わっているなんて、本当に凄すぎる!と感動しながらも、自分の愛車に穴を開けられる光景を目の前で見ているのは少し複雑な気持ちになります。

 それでもエアロパーツ装着後の完成した姿を見ると大満足で、ノーマルの時ももちろんカッコイイと思っていたのですが、やはりカスタムをすると一味違う。新しいクルマを購入したような気持ちになりました。

 そして、気になる乗り味は、高速道路を走っただけでも全く違い、リアに安定感が増えたことがしっかりと感じられます。正直なところ、クルマは普段の足として以外には使った事がないので、実際のダウンフォースとか細かいところは理論上でしか分からない私ですが、例えばオーバースピードでカーブに進入してしまった時にコーナリングを安定させるためには、左足を踏ん張ると思うのですが、その踏ん張らなきゃいけない状況をクルマがカバーしてくれる。そんな、どっしりとした印象を受けました。

『レースで培ったテクノロジーを注ぎ込んで開発したパーツ』という言葉はクルマのアフターパーツ業界で度々耳にする、ただのキャッチフレーズだと思っていましたが、それを実際に体感する事ができた今回のエアロカスタム。

 レースという過酷な状況下でも、安定した走りを可能にするレーシングカー。そのエアロパーツの役割は空気を取り込んでキレイに流すだけではなく、排出の流れも大切だそうです。そんなテクノロジーを細部にまで組み込んだ製品を装着し、公道を走ることができる。そう考えると、クルマのカスタムというのはかなり贅沢な楽しみ方ではないでしょうか。

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(くるまのニュース 先川知香)

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