壊れなくてもコンディションに差は付く!
クルマにおいても、メンテナンスフリーが叫ばれて久しい。確かに、なにも気にしないで、エンジンかけてすぐに走り出して、止まる。メンテもオイル交換程度で、あとは車検のときにでも、問題がある場所に手を入れてやるぐらいでも普通に乗れるし、ディーラーや修理工場で聞いても「そんな程度で、予防整備なんてもったいないからいいという人が多い」というほど。
本当にそれでいいのか? たぶん、フツーに乗って、10万kmまでに手放すのならいいだろう。でも、クルマ好きなら調子よく乗りたいし、大切に長く乗りたいと思うもの。いくら壊れにくくなったからといっても、機械に変わりはないだけに、長く楽しむためのポイントはある。個人的な意見も含めて、7つにまとめてみた。
その1)慣らし
慣らし不要論もあるが、機械だけにやらないよりはやったほうがいい。昔のようにシビアにやらなくていいというだけだ。オイル交換を1000km時で一回やり、それまでは抑え気味に走る。この最初の1回目のオイルはかなり汚いし、鉄粉もかなり入っている。これを見ると慣らし不要とは言えない。
その2)オイル交換
なにはなくてもオイル交換。エンジンだけでなく、ミッションやデフ、4WDで忘れがちなトランスファーも忘れずにやる。安いオイルをマメにか、高いもので長めにがいいかという議論があるが、安いものは初期性能もダメ。そこそこ以上の価格のものをメーカー指定の6掛けぐらいのスパンで交換しよう。メカは磨耗したら自然には元には戻らないだ。
その3)ATF/CVTF
オートマチック全盛なのはいいが、そのフィーリングゆえ、メンテナンスフリーと勘違いしがち。機構が複雑化しているということもあって、以前はメーカー指定も無交換だったのが、最近は5~10万km毎ぐらいでの交換を指定している。トランスミッションメーカーに聞くと、頻繁に交換しなくていいとは言うが、無交換だと寿命が短くなるというのは、取材を重ねてきた実感。某メーカーのCVTは距離がかさんでくるとみんなガタガタになったりする。予防はフルード交換しかない。
その4)ワックスがけ
最近の塗装はよくなっているうえに、コーティングをかけているからと油断しがち。コーティングは相当いいものでない限りは、数年後に剥がれてくる。塗装というのは、結局のところ樹脂。油分を補ったり、保護してやらないとカサカサになってくるのは当然のことだ。定期的にかけているクルマとそうでないクルマを5年後、10年後と比べていくと、確実に差が出てくる。
その5)マウント類の交換
エンジンマウント、ミッションマウントはボディとの接続を行なうパーツで、かなりの重量とストレスがかかる。へたってくると、亀裂も出てガクガクしてくるが、放置するとフィーリングが悪くなるだけでなく、ほかの部分へのダメージも出てくる。これが寿命を縮めたりするので、早めの交換を行ないたい。ブッシュ類も同様だ。
その6)急の付く操作はしない
急発信、急加速、急ハンドル、急ブレーキ。これらをしないというのは運転の基礎レベルの話だが、それゆえにクルマへのストレスを防止できる。旧車をワンオーナーで乗り続けている人に聞くと、メンテやワックス掛けに加えて、かならず優しく運転するのがコツという言葉が返ってくる。
その7)ミッションはゆっくりと優しく操作
MTだけでなく、ATやCVTにも言えることだが、操作をするときゆっくりと行なう。ATやCVTは関係ないだろうと思うかもしれないが、DやRに入れてすぐにアクセルは踏まず、ミッション内部が切り替わったのを確認してから踏む。この点は、MTと同じで、Rに入れた途端に発進するとストレスがかかるのはわかるだろう。クラッチを切って、シフトして、しっかりと入ったのを確認したらアクセルを踏むというのが優しい操作だが、これはATやCVTにも言えることなのだ。
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