シビックに続くヒット作となった初代アコードの登場は1976年。内容的にはシビックに近かったが、そのコンセプト、デザインは当時として斬新で、魅力的だった。早速、ホンダコレクションホールの1976年式アコードを紹介しよう。(Motor Magazine 2016年2月号より)
伸びやかな2ボックススタイル、パワステ、パワーウインドウなど、初代アコードには新鮮な驚きがあった
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1972年に登場した初代シビックの成功はアコードに繋がっていく。
初代アコードの登場は1976年のことだった。「1300」の後継車を必要としていたホンダにとって、シビックの成功は大きな自信となっていた。
アコードはシビックをより上級、上質に仕上げたモデルとして当時このクラスでは異例の3ドアハッチバックで登場。デュアルヘッドライトとフォルクスワーゲン シロッコ風シルエットが特徴だった。エンジンは当初より51年規制に適合したCVCCエンジンを搭載、パワーステアリングやオートエアコンなどを採用して快適性を追求していたのもポイントだった。シビックとアコードというホンダの二枚看板はここから始まったのだった。
ホンダは1974年10月に軽自動車からの撤退を発表。工場ラインのキャパシティの問題に加え、前年から始まった車検制度の導入や排出ガス規制への対応の難しさといった逆風を考慮しての決断だった。アコード発表以前に、すでにホンダは小型乗用車への転舵を明確にしていたことになる。
初代アコードはその後、1977年10月にはリアにトランクを設けた4ドアサルーンを追加。78年9月には53年規制に適合した1750ccCVCCエンジンを開発。79年10月にはATのホンダマチックをOD付3速に改良。さらに、80年5月のマイナーチェンジでエンジンをCVCC-IIに換装。80年7月には1.6Lモデルも登場させるなど、アコードは次々とヒットを続けていった。
こうしたアコードの勢いを駆って、1978年11月にホンダはパーソナルカーのプレリュードを投入。さらに1979年7月には2代目シビックとなる“スーパーシビック”をリリース。ヒットを続ける難しさを経験しながらも、その後もホンダはユニークさを失うことはなかった。
ホンダコレクションホールに展示されている1976年式初代アコードにはそんな時代のホンダが感じられる。
ホンダ コレクション ホール
ホンダのチャレンジングスピリット、技術の歴史、ものづくりへの情熱が感じられるミュージアム。「ホンダのみんなが何を考えてつくってきたか。みんなのつくったものを皆さんにお見せすればいい。こんな正直なホンダはどこにもないぞ」という創業者本田宗一郎の言葉が発端になって開設された。現在のホンダ コレクション ホールは、ツインリンクもてぎ開業にあわせて、鈴鹿サーキット内にあったコレクションホールを移転する形で1998年3月にツインリンクもてぎの重要な施設のひとつとして設立された。2輪、4輪、レーシングマシン、国内外の良きライバル車など約300台を展示。さまざまな企画展が開催されていて、いつ訪れても新しい発見がある。なお、ツインリンクもてぎへの入場に料金が必要だが、ホンダ コレクション ホールへの入場は無料となっている。
●住所:栃木県芳賀郡茂木町桧山120-1(ツインリンクもてぎ内)
●入館料:無料(ツインリンクもてぎへの入場に別途料金が必要)
●問い合わせ先:☎0285-64-0341
●アクセス:常磐自動車道水戸北スマートICより約30分(東京方面からのETC専用出入り口のみ)、那珂ICより約40分、水戸ICより約40分/東北自動車道宇都宮ICより約90分/北関東自動車道真岡ICより約50分
●展示車両は入れ替えの場合あり。
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