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業界ニュース 2018.12.4

【川崎大輔の流通大陸】ミャンマーで探る、自動車周辺ビジネスの可能性

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日本企業とミャンマー企業の合弁で設立された日経の整備会社”GOLDEN JDA AUTO SERVICE”(以下、JDA)にミャンマーでの自動車周辺ビジネスの可能性について話を聞いた。

◆ミャンマー自動車整備の現状と展望

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ミャンマーでは2011年の民政移管の際に完成中古車輸入を解禁。2012年5月には個人に対する中古車輸入の大幅緩和が行われ、日本からミャンマーへの中古車輸入が急増する結果となった。ミャンマー陸運局によると2017年の時点で70万台の自動車が登録されている。ミャンマーを走る自動車の90%近くが日本からの輸入中古車である状況が続いた。

輸入された時点で走行距離が多く、程度の悪い車が多い。道路状況、使われ方によって、すぐ修理が必要となる。修理需要はあるが、修理の仕方に問題がある。整備ビジネスはミャンマー人が入り込みやすいビジネスだ。資格がなくても開業できる。そのため整備工場の数が多い。しかし、しっかりした整備ができる整備工場が圧倒的に不足している。場当たり的な修理、粗悪品やコピー品が多数出回り、整備士の国家試験もないので、経験と勘だけに頼った修理が行われている。

今後、ミャンマーの整備工場は、修理技術、価格、立地、店の雰囲気などで選別され、淘汰(とうた)が始まるだろう。各整備工場とも、品質の高い技術、適正な利益確保、部品供給の確保、人材の育成、スキルアップ、これらが早急かつ重要な課題となる。

2018年、ついにミャンマー政府は中古車政策によって、右ハンドル車の輸入を禁止とした。実質、日本からの中古車輸出が不可能になった。それにより、ミャンマーの自動車市場では中古車から新車へのシフトが行われる。しかしシフトは段階的に行われるため、しばらくは中古車の市場が存在感を維持するだろう。

◆ミャンマーの日系整備会社“JDA”の現状

JDAでの行う主なサービスは、自動車の整備全般(主にミャンマー進出企業車両の定期メンテナンス)、JDAブランドのオイル、フィルター、ブレーキパッドの販売交換、カーコーティングとなっている。現在、整備エンジニアは11名、工場内にストールは5箇所ある。

ミャンマーにおける自動車修理は単価が安い。JDAでは毎日10台近くの入庫がある。しかし売り上げへの貢献は低い。修理以外のオイル、フィルター、ブレーキパッド交換等が、売り上げのカバーをしているのが現状だ。

オイルはメーカー純正品、JDAブランド品を取り扱っているが、市場でブランドコピー品が多数出回っている。コピー品は、外観だけでは区別がつかなく対策が必要だ。顧客への信頼確保のために200リットルドラム缶ではなく4リットル缶の封を切り使用しているためコストが割高となっている。一方、オイル交換や足回りに関しては、日本以上に頻繁に交換が行われる。自動車市場の拡大に伴い、これらのニーズは増えていくことが期待される。

本来、修理工場の差別化は、修理技術で差別化される。当然、技術レベルの高さもあるが、部品、用品、工具などの日本からの直接調達などは他社との差別化となっている。JDAではリフトなどの大型設備だけでなく、タイヤチェンジャーやバランサー、診断機器、工具類なども高い精度にこだわり日本から輸入をしている。コーティング専用ブースも持ち込み、整備以外の付加価値サービスも提供をしている。

◆ミャンマーの整備ビジネスの課題

ミャンマーの整備ビジネスは、純正部品の迅速な調達、修理履歴の記録、しっかりした接客など日本では当たり前のことがされていない。それが課題だ。また、最近の日本も同じだが、スタッフの出入りが激しい。そのため整備スタッフへのスキルアップ、技術の継承が難しいという課題も残る。安定して働ける体制造りが必要だ。

ミャンマーでは大きな修理工場でも修理ができないことが多い。日本から新しい車が出るため、知識・情報が追いつかないためだ。特に電気系統などではその傾向が強い。壊れたら修理するという感覚のミャンマーでは今後、予防点検的な対応も求められる。

これから、整備ビジネスの市場は拡大しサービスが多様化することが予想される。現在ある課題をミャンマーの文化、国民性に合うようにカスタマイズして提供していくことが、これからのビジネスチャンスになるだろう。

◆ミャンマーにおける自動車関連ビジネスの魅力

JDAは単なる修理工場から脱皮し、次の事業展開を検討している。自動車修理から、オイル・パーツ販売、コーティングを強化し自動車周辺ビジネスにも力を入れていくという。

ミャンマーで自動車関連ビジネスを行う魅力は、日本で当たり前のサービス提供などがまだ整っていないことだ。整備ビジネスから波及する周辺ビジネスにまだまだ大きな可能性がある。ブルーオーシャンの市場がたくさん残っているのだ。

確かに、通貨、インフラ、政治、法律規制など国レベルでの課題点もたくさんある。しかし、ミャンマーは日本が約半世紀前に経験したモータリゼーションの波を今迎えようとしている。変化が起きている市場には、常に新たなビジネスチャンスが生まれることはどこの市場も変わらない。日本で当たり前のサービスをどのようにミャンマー社会に適合していくかは難しい。しかし、そこに大きな可能性がそこに存在していることは間違いない。

<川崎大輔 プロフィール>

大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより「日本とアジアの架け橋代行人」として、Asean Plus Consulting LLCにてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。

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(レスポンス 川崎 大輔)

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