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業界ニュース 2018.12.2

タイヤサイズに「ミリ」と「インチ」が使われる理由 昔はクルマも単位が混在していた?

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■タイヤサイズは「ミリメートル」と「インチ」が混在

 クルマのカタログやWebサイトでスペック表を見ると、クルマの寸法はすべて「ミリメートル」もしくは「メートル」で記されています。たとえば全長なら「3950mm」、最小回転半径なら「5.3m」などと表記してあります。これは、「計量法」という法律で日本では「メートル法」を使いなさいと定められているからです。クルマ以外でも身の回りのものは、ほとんどのものがメートル単位で作られています。

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 ところが、クルマのスペック表を見てみると、ミリメートルとインチが混在しているものがあります。それはタイヤサイズです。なぜタイヤサイズは「ミリメートル」と「インチ」で表記されているのでしょうか。

■タイヤサイズを見ているともうひとつの疑問が…

 あらためてタイヤサイズを見てみましょう。

 185/55R 16

 これがタイヤのサイズを表しています。最初の「185」はタイヤの幅を示していて「185mm」となります。ただし正確に「185mm」ではなく、タイヤの種類によって数ミリの差があります。

 次の「55」は扁平率と呼ばれているものです。扁平率はタイヤの幅に対して、タイヤの横の部分がどのくらいの高さになるかを示しています。

 このタイヤの場合は幅が185mmで、その55%が横の部分の高さになり、計算すると約102mmになります。つまり、扁平率が大きいと横から見たタイヤの厚みは増え、小さいと薄くなります。スポーツカーなどに装着されるタイヤの扁平率は「40」とか「35」という数字で、タイヤも総じて薄くなります。

 扁平率の隣の「R」は「ラジアル構造」のタイヤであるという意味で、サイズとは関係ありません。ラジアル構造のタイヤは、タイヤの中に入っている「カーカス」と呼ばれるワイヤー状のものが、進行方向に対して直角に配置しているものです。タイヤを横から見ると、ワイヤーが放射状に配置されていると思っていただくと、イメージしやすいでしょう。いまの乗用車用タイヤは、ほぼすべてがラジアルタイヤです。

 最後の「16」はタイヤの内径(ホイールの直径)で、インチ表記になります。1インチは約25.4mmですので、16インチは約406mmになります。しかし、表示はあくまでもインチです。

 さらに、ここでもうひとつ疑問があります。タイヤの幅は「185」→「195」→「205」と10mm刻みですが、なぜ末尾が「5」なのでしょう。「180」→「190」→「200」でもいいように思えますが、謎は深まるばかりです。

■タイヤサイズについての謎が解明か!?

 この謎を解明するため、「一般社団法人 日本自動車タイヤ協会(JATMA)」の方にうかがってみました。

──なぜタイヤのサイズはミリメートルとインチが混在しているのでしょうか。

 1940年ごろ、メートル法が制定されていたフランスで、タイヤのサイズをミリメートルで統一しました。もちろんタイヤの内径もミリメートルで表記していたのですが、中途半端な数字になるのでわかりづらいと、タイヤの内径のみ、すぐにインチに戻されました。他国のメーカーもこの表記にならい、結果、現在もミリメートルとインチの表記が混在したままとなっています。

──タイヤの幅で末尾が「5」に限定されているのはなぜでしょうか。

 これは諸説あるので、明確な答えはお伝えできないのですが、タイヤの幅もインチだったのがミリメートルに統一した際に、キリのいい「5」となった説があります。

 現在は四輪車用タイヤの末尾が「5」で、二輪車用タイヤの末尾が「0」となっているケースがほとんどです。理由としては、誤って組み付けて使用しないように分けられています。先に四輪車用の末尾「5」に設定されたので、二輪車用は後から決まりました。

※ ※ ※

 タイヤの内径、ホールのリム径は表示上インチですが、日本において設計図はミリメートルの表記になっているようです。

 なお、タイヤサイズに限らず、日本のクルマでミリメートルとインチが混在していた時期があります。たとえば日産は1950年代にイギリス車であるオースチン「A40サマーセットサルーン」と「A50ケンブリッジ」というクルマを生産(ノックダウン)していました。当初この2台はイギリスで部品生産され、日本で組み立てていましたので、当然、部品の寸法はイギリス式のインチです。

 このノックダウンで近代の自動車製造を学んだ日産は、戦後はじめてとなる自社開発の「ダットサン セダン」(110型)を1955年から生産したのですが、各部品の寸法にミリメートルとインチが混在していたといいます。

 その次に発売した「ダットサン1000」(210型)も、まだミリメートルとインチが混在していました。「ダットサン1000」は1958年にオーストラリアのラリーに出場してクラス優勝したのですが、その時にミリメートルとインチ両方の車載工具を持っていったという逸話があります。工具は鉄でできていて重く、ラリーを戦ううえで非常にムダな行為だったため、その反省もあって、後に生産された日産車はすべてミリメートルに統一されました。

 現在は世界的に「メートル法」が採用されています。採用していない国は極わずかですが、そのひとつがアメリカ合衆国という大国です。アメリカでは「ヤードポンド法」を使っており、クルマの場合インチが基本でメートルが混在している場合もあるようです。

 当然、アメリカを走る他国メーカーのクルマは「メートル法」で作られていますので、アメリカの修理工場は工具をたくさん用意する必要があるでしょう。

 もし、アメリカが「メートル法」を採用したら、将来はタイヤサイズもすべてミリメートルに統一されるかもしれません。ただし、これまでに生産されたホイールの流通量を考えると、よほど革新的な出来事が起きない限り遠い未来の話になりそうです。

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(くるまのニュース くるまのニュース編集部)

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