現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 回転運動から回転エネルギーを得る ロータリーエンジンの考え方は単純

ここから本文です

回転運動から回転エネルギーを得る ロータリーエンジンの考え方は単純

掲載 更新
回転運動から回転エネルギーを得る ロータリーエンジンの考え方は単純

回転運動から回転エネルギーを得る ロータリーエンジンの考え方は単純

マツダ車が使っていたロータリーエンジンというシステムをご存じですか? 最後に搭載されていたモデルがRX-8でその生産が終了したのが2012年なので、すでに6年以上にわたって生産が停止しているエンジンです。しかし、ファンの間では今もロータリーエンジンの復活を望む声が大きく、また、ロータリーエンジン搭載車の人気も高くなっています。そこで今回はそのロータリーエンジンとは何か? について紹介していきます。

ディーゼルエンジンの仕組みとクリーンディーゼルの可能性


ドイツ生まれの日本育ち

ロータリーエンジンはドイツのフェリクス・ヴァンケルによって発明され、NSUヴァンケル社によって開発され、日本の東洋工業(現マツダ)によって実用化されたエンジンです。NSUヴァンケル社のロータリーエンジンが回ったのが1957年で、その年から1960年代~1970年代に掛けては世界中の多くのメーカーがロータリーエンジンの実用化に向けての開発を行いました。

ロータリーエンジンの基本的な構造は、ハウジングと呼ばれるケースの中に収められた三角おむすび型のローターが回転、ローター内に配置されたエキセントリックシャフトから出力を取り出すという構造です。一般的なレシプロエンジンはピストンの上下運動を回転運動に変換して出力しているほか、4サイクルエンジンのようにバルブを駆動するための弁動系に複雑なメカニズムが不要なため、シンプルで軽量な構造でエンジンが成立します。

軽量コンパクトでありながら高出力を期待できるということがロータリーエンジンの最大のメリットです。このメリットを生かすためにロータリーエンジンが搭載されるモデルはスポーツカーが多いです。世界で最初にロータリーエンジンが搭載されたモデルはNSUスパイダーで、1964年に市販されました。日本で最初のロータリーエンジン車は、コスモスポーツというスポーツカーで、ロータリーエンジン専用車でした。マツダの試作ロータリーエンジンは、1963年の東京モーターショーに出展されましたが、その際にはロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツの試作車を、マツダの本拠地である広島から東京まで松田恒次社長がドライブしたという逸話が残っています。


ロータリーエンジンの弱点は?

初期のロータリーエンジン開発でマツダが苦労したのがシールの問題でした。シールはレシプロエンジンのピストンリングに相当する部品です。ロータリーエンジンでは回転するローターにシールが取り付けられています。ローターの3カ所の頂点に付けられるものがアペックスシール、表裏の辺の部分6カ所に付けられるのがサイドシールです。とくにアペックスシールの性能が問題視されました。そのほかには低速運転時のトルクが低く燃費が悪い、排気音が大きいなどのデメリットがありました。マツダはこうした苦労えを経て、コスモスポーツ用の10Aエンジンを世に出しました。


ロータリーエンジンのバリエーションと搭載例

コスモスポーツに搭載されたロータリーエンジンは10Aという形式で491ccのローターを2つ並べた2ローター方式で、コスモスポーツのほかにはファミリアやサバンナなどに搭載されました。10Aの後継は12Aと言われるモデルで、排気量は573cc×2で、当初はカペラに搭載、その後、サバンナ、ルーチェといったクルマに搭載され1978年に初代サバンナRX-7に採用されます。その後12Aにはターボ仕様が登場します。続いて655cc×2の13Aというエンジンが登場しますが、これはわずか3年だけ販売されただけでその使命を終えます。そして1973年に昭和50年(1975年)排出ガス規制に適合する13B型が登場します。13B型は654ccの単室排気量を持つ2ローターエンジンで、ルーチェやコスモに搭載されました。13Bは1985年にターボ化され2代目サバンナRX-7などに搭載されます。13Bはその後、進化を遂げながらアンフィニRX-7にも搭載。最終的には再び自然吸気に戻されRX-8に搭載されます。

1990年、マツダはユーノスコスモというモデルを世に送り出します。ユーノスコスモには、13Bターボのほかに世界初となる市販車用3ローターエンジンの20Bが搭載されました。20Bは単室排気量654ccの3ローターで、シーケンシャルツインターボが採用されていました。

ロータリーエンジンは市販車だけでなくさまざまなモデルが存在しますが、その話はまた次回以降にしましょう。

こんな記事も読まれています

海外ライターF1コラム:24戦の理不尽なカレンダーが招く問題。人材不足が深刻化、“根無し草感”で疲弊するドライバー
海外ライターF1コラム:24戦の理不尽なカレンダーが招く問題。人材不足が深刻化、“根無し草感”で疲弊するドライバー
AUTOSPORT web
スズキが「謎のクルマ」実車公開! めちゃゴツい“骨組み”に「Sマーク」装着! “強靭な構造”で未来を支える「新型ユニット」に期待!
スズキが「謎のクルマ」実車公開! めちゃゴツい“骨組み”に「Sマーク」装着! “強靭な構造”で未来を支える「新型ユニット」に期待!
くるまのニュース
マツダ、2024年スーパー耐久シリーズに3台で参戦
マツダ、2024年スーパー耐久シリーズに3台で参戦
レスポンス
マイチェンしたいすゞ・ギガが2024年問題の救世主に! 低床3軸でドライバーの負担も軽い
マイチェンしたいすゞ・ギガが2024年問題の救世主に! 低床3軸でドライバーの負担も軽い
WEB CARTOP
ポルシェ963最新ファクトリーの利点を語るロッテラー「ピット作業のスピードと精度が上がった」
ポルシェ963最新ファクトリーの利点を語るロッテラー「ピット作業のスピードと精度が上がった」
AUTOSPORT web
SPKがシミュレーター機材の研究施設「シミュレーターラボ」を開設 企業や行政、eスポーツイベントに場所提供も
SPKがシミュレーター機材の研究施設「シミュレーターラボ」を開設 企業や行政、eスポーツイベントに場所提供も
くるまのニュース
トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
レスポンス
なんで芝生が燃え広がったんだ?? FIA、F1中国GPの火災再発防止のため詳細な調査を実施へ
なんで芝生が燃え広がったんだ?? FIA、F1中国GPの火災再発防止のため詳細な調査を実施へ
motorsport.com 日本版
レクサスが考えるアウトドアライフは上質だった──新型NX350“OVERTRAIL”試乗記
レクサスが考えるアウトドアライフは上質だった──新型NX350“OVERTRAIL”試乗記
GQ JAPAN
スプリント予選4番手は「妥当な位置」とフェルスタッペン。雨でタイヤ熱入れに苦しむ|F1中国GP
スプリント予選4番手は「妥当な位置」とフェルスタッペン。雨でタイヤ熱入れに苦しむ|F1中国GP
motorsport.com 日本版
新型「ランドクルーザー」なぜカクカクに? 徹底的に「悪路」重視のカタチとは
新型「ランドクルーザー」なぜカクカクに? 徹底的に「悪路」重視のカタチとは
乗りものニュース
トヨタ、ランドクルーザー新型“250”シリーズの特別仕様車“First Edition”を限定8000台発売
トヨタ、ランドクルーザー新型“250”シリーズの特別仕様車“First Edition”を限定8000台発売
AUTOSPORT web
ガスリー、FP1でトラブルに見舞われパワーユニット交換。しかし予選アタックには満足「期待よりもポジティブ。今後も仕事を続けていかないと!」
ガスリー、FP1でトラブルに見舞われパワーユニット交換。しかし予選アタックには満足「期待よりもポジティブ。今後も仕事を続けていかないと!」
motorsport.com 日本版
1000万円超えた!? 三菱が「最後のランサーエボリューション」販売! 特別な「エボX」に驚愕! 即“完売”の「激レアランエボ」に大反響
1000万円超えた!? 三菱が「最後のランサーエボリューション」販売! 特別な「エボX」に驚愕! 即“完売”の「激レアランエボ」に大反響
くるまのニュース
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”をちょっと触って、聴こえ方を変える!
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”をちょっと触って、聴こえ方を変える!
レスポンス
「ここまで苦しんだことはなかった……」角田裕毅、19番手に終わったF1中国GPスプリント予選の苦戦に困惑
「ここまで苦しんだことはなかった……」角田裕毅、19番手に終わったF1中国GPスプリント予選の苦戦に困惑
motorsport.com 日本版
BASFコーティングス事業部、アジア太平洋地域で自動車補修用新世代のクリヤーコートとアンダーコートを発売
BASFコーティングス事業部、アジア太平洋地域で自動車補修用新世代のクリヤーコートとアンダーコートを発売
AutoBild Japan
マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

263.0325.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.8438.0万円

中古車を検索
RX-8の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

263.0325.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.8438.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村