軽自動車規格の改定に伴ってモデルチェンジ、ボディと室内の寸法が大きく変更された
昭和45(1970)年に誕生したスズキ・ジムニー。本格的なオフロード4輪駆動車は、歴代モデル毎にビッグマイナーチェンジを何度か実施しつつ着実に進化してきた。今回もジムニー専門店「アウトクラスカーズ」協力のもと、その歴史を振り返ってみたい。「歴代ジムニー大全」の第3回目は、3代目ジムニーの『JB23編』をお届けしよう。
【歴代ジムニー大全・初代編】実用第一主義だった初代ジムニーは男のくるまだった
実に17年という長いサイクルで生産を続けてきた2代目(歴代ジムニー大全・2代目編)だが、1998年10月に施行された軽自動車の規格改定に伴い、3代目となるJB23型スズキ・ジムニーへとフルモデルチェンジを実施した。それまでスクエア型だったボディは丸みを帯び、新時代を感じさせる佇まいに。幌仕様やバンモデルは廃止され、ワゴンボディのみラインアップ。新軽自動車規格サイズへの適合によって、当然ながらボディサイズや室内空間は大きくなり、グレードすべてが5ナンバーモデルとなった(企業向けなど特殊なケースを除く)。3代目ジムニーは20年という長い生産期間ゆえに、何度も一部改良を行ってクルマの質を向上。そのため、1~10型と細かく分類されている。「見た目で言えば、1~3型は外観はほぼ一緒。4・5型でグリル形状が変わり、6~8型、9・10型でも細かい部分が変更されています」とアウトクラスカーズの赤地サン。
写真の現車は10型ベースの特別仕様車「ランドベンチャー」。フロントグリルはブラック塗装を施したメッキ仕様、スペアタイヤカバーにはランドベンチャーエンブレムが付く。フェンダーにダクト風ガーニッシュを添えて特別感を出した。
エンジンは全車K6Aターボ。4型で改良を行ない、低・中回転域のトルクが向上した。7型ではシリンダーヘッドを改良し、耐久性を高めている。
5型になり、トランスファーの切り替えがレバーからスイッチ式に変更された。上写真の「10型ランドベンチャー」では、黒を基調にシャンパンゴールドの差し色を足してインテリアの質感をアップ。シート表皮には1年中快適に座れる素材、クオーレモジュレを採用した。
20年の間に様々なモデルが登場したJB世代
1型はボンネット一体型のフロントグリルが特徴。腹下にもぐらないと分からないが、触媒の位置も2型以降と異なっている。また1型にはパワーウインドウさえも装備されない簡素化グレード、XAの設定もあった。「あと他の型はワイン系がありますが、いわゆる真っ赤なボディカラーもこの1型しか設定がなかったですよ」とは、アウトクラスカーズの赤地サン。
2008年に発売された、7型ベースの「ワイルドウインド」。外装は専用メッキグリルやシルバーのルーフレール、内装は専用のロゴ入り防水シートを採用。ステアリングは本革巻きと贅沢な仕様だった。
専用のフロントメッキグリル、LEDイルミ付きフォグランプを装備した9型の「クロスアドベンチャー」。シートも専用デザインを採用。これから中古のジムニーを買う予定の人は、特別仕様車にこだわって探すのもいいだろう。
スズキ・ジムニー(JB23)●全長×全幅×全高:3395×1475×1715mm(XC)●ホイールベース:2250mm ●車両重量:1000kg(4AT)●エンジン:658cc水冷直列3気筒4サイクルインタークーラー付きターボ●最大出力(PS/rpm):64/6500●最大トルク(kg-m/rpm):10.5/3500取材協力:アウトクラスカーズ
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