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業界ニュース 2018.11.9

25年間、1度もモデルチェンジをしなかった日産 ツルを知ってますか?

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日産 ツル(TSURU)は、メキシコ日産で生産されてきたコンパクトセダンです。初代のデビューは1984年で、1987年と1991年にモデルチェンジを受けた後、2017年に生産中止となるまで基本設計を変えずに生産が続けられたロングセラーでした。今回は、メキシコ日産をメキシコ国内市場トップのメーカーに押し上げる原動力となったツルについてお話ししましょう。文・吉川賢一

日産 ツルってどんな車?

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1966年に日産初の海外拠点として操業を開始したメキシコ日産が、1984年から販売を開始したコンパクトセダン、ツルは5代目サニー(B11)がベースでした。
日本国内でサニーが1985年に6代目(B12)に変わると、ツルも1987年にモデルチェンジ。さらに1991年には、前年にモデルチェンジを受けたB13へと進化。 それ以来、なんと1度もモデルチェンジすることもなく、2017年5月まで生産されました。
その間、ツルは、北米、ラテンアメリカ、中東にも輸出され、300万台以上を販売し「真のメキシコ車」としてメキシコ日産ブランドのイメージ向上に貢献しました。


25年も一途に生産できた訳とは?

ツルが25年もの間、モデルチェンジすることなくメキシコで生産を続けることができたのは、メキシコでは日本のような厳しい規制がなかったことや、発売当初のままの姿でも十分な売上を維持できていたことが挙げられます。
燃費や排出ガス、衝突安全性能、歩行者保護性能など、さまざまな規制の変更が数年毎に行われる日本のような国では、古い設計のクルマは規制に引っかかってしまいますし、そもそもデザインや性能などが時代遅れとなり、売り上げが減少しますので、モデルチェンジ(もしくはマイナーチェンジ)をして製品の魅力を維持する必要があるのです。
しかし、新車を開発するにはそれなりのコストが必要で、製品の販売価格にも跳ね返ってきます。その点、25年間モデルチェンジをすることなく販売されてきたツルは、メキシコ日産躍進の原動力になっていたことは想像に難くありません。
そんな好調なツルでしたが、2016年5月9日に連邦官報で公布された「自動車の安全基準に係るメキシコ公式規格(NOM)」により生産終了を余儀なくされてしまいました。
その内容とは、車両総重量が3,857kg未満の新車をメキシコ市場で流通させるには、間接視野を確保できるバックミラーなどの装備、シートベルト、バックライト、パーキングブレーキ、ABS、シートベルトリマインダーの装備が義務付けられたのです。
エアバッグについては明確な義務付けは無かったのですが、正面後方の衝突性能試験では装着していないとクリアできないことから、エアバッグの装備も必須となりました。
このことから、新車価格の値上がりが確実となり、メキシコ日産は生産終了を決めたのです。


人気がゆえの悩みとは?

メキシコでは犯罪組織による自動車の盗難が急増しており、その被害は2016年4月から2017年3月のデータでは、日産車が上位4位までを占めるという結果になっています。

内訳は、1位=日産 ツル(9,223台)、2位=日産 ダットサン・ピックアップ(3,102台)、3位=日産 ベルサ(3,066台)、4位=日産 セントラ(2,247台)、5位=フォルクスワーゲン ジェッタ(2,122台)となっています。
1位のツルと2位のダットサン・ピックアップでは、約3倍もの差があり、ツルの人気の高さが伝わってきますが、なんとも喜べない結果です。



25年もの長い期間、生産・販売がされてきた日産 ツル。日本ではありえないほどのロングセラーとなったのは、日本とメキシコの収入の差や、趣味嗜好、自動車文化などの違いが影響しているようです。
日本メーカーのクルマが長年愛されたという事実は、日本人として誇らしい気持ちになりますね。

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