■ガソリン価格、4年ぶりの高値でユーザーの車購入傾向に影響ある?
ガソリンの高値が続いています。2008年にガソリンの店頭価格が180円超えをした時は爆発的なハイブリッド車の普及をもたらしました。今回もユーザーの購入傾向に大きな影響を与えるのでしょうか? いろんな観点から考えてみます。
ガソリンとクルマの「相性」はある? ガソリンブランドごとの品質のちがいは?
まず「なぜガソリンは高騰になったのか」という点から。ご存知の通り、原油の採掘価格は基本的に変わらず。正確に書くと徐々にコスト高となっているものの、急騰するレベルではないです。
ガソリン相場に決定的な影響を与えているのが、アメリカとイスラエル、そして中東の政情です。このあたりの駆け引きで原油の相場が大きく変わってきます。投機的といってもよいです。
現在、アメリカと世界第二の産油国として知られるイランの関係が険悪。アメリカは日本を含む同盟国に対し「鎖国しろ」と通達を出しています。当然ながら原油の調達先が減るため、相場は高めになってしまうのです。
前回の高騰時は1バレル(原油を運んでいた樽の容積。159L)あたり100ドルを突破した。今回はそこまで高くなっていませんが、62ドルという2015年来の高値となっています。
参考までに書いておくと、これ以上高くなることは考えにくい状況。アメリカで大量に採れるシェールガスを石油換算にすると1バレルあたり50ドルくらいだからです。シェールガス、液化するとガソリンのような燃料になります。
加えてガソリン相場が高くなると「儲かりますね」とばかり、政情に問題の無い産油国が増産に入ります。2年前なら1バレル40ドルでしか売れなかったのが、今売れば60ドルになるということ。そうして増産されれば相場も低下することになるので、現在の高値であるレギュラー160円以上にはなりにくいと考えます。
エキセントリックな人はガソリン相場が「リッター200円になるぞ!」などと言ってますが、200円などは有り得ない数字だと考えます。
■ガソリン高でもクルマ選びは燃費重視から安全・デザイン重視
前述したことを前提にクルマ選びを考えてみます。例えばハイブリッド車は、簡易式を除けば、普通のガソリンエンジン車よりも大幅に実用燃費が良くなります。普通のガソリン車で10km/Lだったクルマがハイブリッド車だと20km/Lくらいまで走ってしまいます。ガソリン120円で10km/Lのクルマに乗ると走行1万kmで12万円。ガソリン160円になっても20km/Lのクルマなら8万円しかかからない計算になります。そう考えれば、ハイブリッド車はやはりオトクに感じます。
しかし、実際にはハイブリッド車でなくても新型車はエンジン改良やアイドルストップの採用増により、普通ガソリン車でも実用燃費にして10~20%は良くなっています。試算すると14km/L走れるクルマですら、以前と比較すれば120円時代とイーブンです。
そんなことから、多少のガソリン高は皆さんも許容出来る範囲なのかと考えます。もちろん、ガソリン価格が安いに越したことはないですが、直近の販売動向を見ると、10年前のような極端にハイブリッド比率が高くなったということもないです。
興味深いのは電気料金。原油相場の高騰ですぐ値上がりするガソリンに対し、同じ化石燃料を使っている電気料金をみると値上げしていません。
筆者(国沢光宏)も所有するプラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」の場合、50kmくらいの走行距離まで100円程度の電気料金で走れてしまいます。電気で走るクルマはオサイフにもやさしいのは間違いないですが、プラグインハイブリッドの販売は以前と変わらず伸び悩んでいます。
結論を出すと、10年前のガソリン高騰は「やがて200円を突破するかも」という危機感もあり、省燃費車に人気が集まりました。しかし今回は比較的落ち着いているように見えます。全般的な動向を見ると燃費の良いクルマを指向する流れにあるものの、極端な変化は出ていません。
10年前のようにガソリン高騰がニュースになっても、直近のユーザー購入動向を見ると、決して燃費が期待できるコンパクトな車種だけではなく、車重が重く燃費的には不利なSUVやミニバンも人気です。以前に比べ、低燃費主義が減りクルマ選びは、安全性やデザイン、ブランドイメージを重視する人が増えたと考えていいようです。
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