■ホンダ新型「ヴェゼル」のハイブリッドモデルを試乗
コンパクトSUVは、人気ジャンルのひとつです。トヨタ「C-HR」、ホンダ「ヴェゼル」、マツダ「CX-3」など各社でラインナップされています。
今回は、2018年2月にマイナーチェンジされ、より洗練されたホンダ新型「ヴェゼル」を東京都内から山梨県・山中湖を往復(約348km)した試乗インプレッションや実際の燃費を紹介します。
ホンダ「ヴェゼル」のラインナップは、大きくガソリン仕様・ハイブリッド仕様、2WD・4WDに分かれ、快適装備や安全機能からスタイリッシュな「RS」というものまで、全7グレードを展開しています。
試乗車は、「ヴェゼル HYBRID X・Honda SENSING(4WD)」。パワートレインは、1.5リッターガソリンエンジン+モーター(最高出力:132PS/最高トルク16.3kgf・m)、7速デュアルクラッチトランスミッションを搭載したハイブリッド車です。
ボディサイズは、全長4330mm×全幅1770mm×全高1605mm、車両重量1390kg。カタログ燃費値(JC08)は、21.6km/Lです。実際の試乗ではどうなのでしょうか。 まず、ホンダ本社がある東京・青山からスタート。都市部では、信号によるストップ・アンド・ゴーや交通量の多さに加え、エアコン温度(22度)、エコモードOFFという走行条件により、メーター上の平均燃費は、12.7km/Lです。
発進時にモーターのアシストを得られるため、スムーズに加速し、もたつくことはありません。また、ボディサイズや運転目線の高さもあって、細い路地でもキビキビと走ることができます。
東京の八王子方面に走るなかで、信号間隔や交通量の減少により、平均燃費は、13.2km/Lを表示。その後、高速道路に入り、ガソリンエンジンの力強い走りによって、楽々と本線のクルマに合流できます。
東京から山梨方面の高速道路(中央道)は、基本的に、曲がりくねった登りが続きます。ここでは、前走車を自動で追従するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を使用。ホンダ新型「ヴェゼル」のACCは、他社の同様な機能に比べ、やや加減速のメリハリが大きいような印象を受けます。しかし、前走車を感知する精度は高く、車線変更時でも不安となる場面はありません。
■マイナーチェンジしたホンダ新型「ヴェゼル」の乗り味や中古相場
ACC仕様時の平均燃費は、14.1km/L。登りが続き、高い回転数を保ちながらの走行ですが、街中よりは良い数値です。ACCを解除した手動運転では、作動時よりはアクセルの可動を微調整することができるため、多少燃費は向上しています。
高速道路を富士吉田ICでおり、山中湖方面に向かいます。途中の山道では、走行モードを「スポーツ」に変更。エンジン回転数やCVTの制御が変わり、よりレスポンスの良い運転を楽しめるほか、登坂が続く山道や高速道路での追い越し時に適しています。
コンパクトSUVにおいて、犠牲になりやすい後部座席の居住性は、クラストップレベルと言える広さを誇ります。しかし、コーナーの多い山道や舗装が悪い道などでは、サスペンションのゴツゴツとした感覚が伝わり、クルマ酔いをしやすい人には注意が必要です。また、後部座席を倒すと荷室がフラットになるため、仮眠や車中泊を行うことも可能です。
帰路の山梨県から東京方面へと向かう高速道路(中央道)は、全体的に下っていることもあり、平均燃費は、16.7km/Lを記録しています。
今回のような日帰りドライブであれば、運転をする側でも同乗する側も、ちょうど良い移動が楽しめ、街中での普段使いからちょっとした長距離ドライブに適したクルマです。
ホンダ「ヴェゼル」の新車販売価格(消費税込み)は、207万5000円から292万6000円、今回の試乗車は275万5000円です。また、中古相場では、約110万円から約360万円。モデルチェンジ前の車体でも人気車種のため、市場価格は高めのようです。 【了】
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