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超ロングセラーなのになぜ!? 愛し愛された長寿消滅車 5選

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超ロングセラーなのになぜ!? 愛し愛された長寿消滅車 5選

 トヨタ2000GTやコスモスポーツと同じ1967年に発売され、愛されている森永のチョコフレークが生産終了するという。

 同商品は40年以上の歴史を誇るロングセラーだが、日本車には、もっと前から長きに渡って販売されていたのに、絶版となってしまったモデルが数多くある。

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 惜しまれつつ消えていった名門車は、その歴史のなかで、ひと際輝くモデルを生み出してきた。そんな名門車はどのような“最期”を迎えたのか? その散り際にもスポットを当てつつ、歴史を振り返る。

文:片岡英明


写真:編集部、NISSAN、TOYOTA、MITSUBISHI

日産 ブルーバード/1959-2001年

 日産はカルロス・ゴーン氏が指揮を執るようになると、合理化のために多くの老舗ブランドを消滅させた。その筆頭がブルーバードだ。

 1955年1月にトヨタのクラウンと同時期に投入されたダットサンセダン110の後継として、1959年7月にブルーバードが誕生。

「310」の型式が与えられた初代ブルーバードは伸びやかな3ボックススタイルのセダンだった。エンジンは1Lと1.2Lの直列4気筒OHVを搭載し、力強い走りを見せつける。発売されるや引っ張りだことなり、8000台ものバックオーダーを抱えた。

 その後も販売は快調だったから、1957年に登場したトヨペット・コロナとともにマイカー時代の幕開けを告げ、1960年代には車名の頭文字をとった「BC戦争」が勃発。

 歴代のブルーバードはファミリーカーの代名詞となり、海外でも好評を博した。1996年1月に登場した10代目は節目の作品で、U14型を名乗っている。ハードトップを切り捨て正統派のセダンを狙い、ネオVVLと呼ぶ新世代のエンジンも搭載した。

 が、ミニバンやクロスオーバーSUVに押され、販売は伸び悩む。21世紀が訪れた2001年夏に生産を打ち切り、シルフィーにその座を譲る。ブルーバードは42年の歴史にピリオドを打ったのだ。

トヨタ コロナ/1957-2001年

 ブルーバードの最大のライバルだったコロナは、クラウンの弟分として1957年5月にデビュー。

 打倒ダットサンを掲げて登場したコロナは、995ccのサイドバルブエンジンだったし、「だるま」とアダ名されたことから分かるようにデザインも無骨。だからダットサン、そして後継のブルーバードにかなわなかった。

 が、3代目のRT40系コロナはアローラインと呼ぶストレート基調のデザインが受け大ヒット。宿敵ブルーバードをうっちゃり、見事、ベストセラーカーに輝いた。

 コロナも1990年代になると販売が低迷。1996年1月に登場した11代目はコロナ・プレミオを名乗り、新しい価値を持つファミリーカーを目指す。新しいメカニズムを積極的に盛り込み、トヨタ初の筒内直接噴射ガソリンエンジン、D-4を搭載し、力強いディーゼルターボも送り込む。

 また、5人分の3点式シートベルトと後席ヘッドレスト、SRSエアバッグ、ABS、新衝突安全ボディの“GOA”など、安全性にも徹底してこだわった。

 が、セダン離れが進み、販売はジリ貧に。下降線をたどったため、2001年12月に親しまれたコロナの車名を消し、「プレミオ」を名乗った。同時期、カリーナも車名を「アリオン」と変えている。日本のファミリーカー市場を牽引した20世紀の名車が、相次いで自動車史から消えていった。

日産 サニー/1966-2004年

 日産のダットサン・サニーも一世を風靡した使い勝手のいい小型ファミリーカーだが、ライバルのカローラと違って引退勧告を受け、去っていった。

 サニーは高度経済成長の真っ只中にある1966年4月に産声をあげた。ブルーバードの下のポジションを受け持つ機動性の高いファミリーカーで、車名は公募で決定。その時の応募総数は848万通だ。いかに関心が高かったか分かるだろう。

 サニーはダイヤモンドカットと呼ぶストレート基調の親しみやすいエクステリアデザインを特徴とする。小さいが、存在感は際立っていた。

 デビュー時に積んだのは988ccのA10型直列4気筒OHVエンジン。クラス最高の動力性能を誇り、ハンドリングも軽快だった。サニー1000は発売からわずか5カ月で累計3万台もの販売を記録。積極的にバリエーションを拡大し、1968年春にはファストバックの美しいクーペを送り込んだ。

 これに続く2代目のB110型サニー1200も好調に売れ、ライバルのカローラとともに海外でも人気車となった。が、徐々にカローラとの差は開いていった。

 1998年10月にサニーは9代目にバトンを託す。新世界基準セダンをコンセプトに開発され、ファンが好む伸びやかな3ボックスフォルムをまとい、エンジンは新設計の1.5L直列4気筒DOHC。燃費向上を図ったリーンバーン仕様や排ガスをクリーン化したLEV仕様も設定した。

 期待を一身に背負って登場した9代目だが、販売は伸び悩む。月販6000台を目標にしたが、上回る月は少なかった。そこで2.2Lの直噴ディーゼルエンジンなどを投入し、販売目標も月に4800台に引き下げている。

 だが、販売は上昇気流に乗ることはできなかった。2004年秋にティーダとティーダラティオが登場したのを機にサニーは勇退。37年の歴史にピリオドを打った。海外では今もサニーのネーミングを使っているし、ファンも多いから車名の復活を望みたいところだ。

マツダ ファミリア/1963-2006年

 マツダを代表する小型ファミリーカーのファミリアも惜しまれつつ消えていった。誕生は1963年10月で、デビュー時は商用バンだけの設定。翌64年春にワゴンを、秋には本命の4ドアセダンを追加した。

 エンジンは800ccのアルミ合金製直列4気筒OHV。ストレート基調の端正なデザインで、1965年にはスタイリッシュなファミリアクーペ1000を投入した。

 ファミリアはカローラ、サニーとともにコンパクトカーのリーダー格となり、安定した売れ行きを見せた。1980年にはFF・2ボックスに転身し、電動サンルーフ付きの「赤いファミリア」は旋風を巻き起こした。

 が、バブルが弾けた1990年代に失速。1995年には累計販売台数1000万台の偉業を達成したが、この時期にはファミリアの名声は失せている。

 1998年6月に8代目が誕生したが、7代目はコストダウン優先の設計がたたってユーザー離れしていたから、8代目も同様の目で見られた。実際には力作だったが、ユーザーから評価されず、2003年には事実上の後継モデルとなるアクセラを投入。その後もセダンだけは生き延びていたが、2006年春に静かに生涯を終えている。

三菱 ギャラン/1969-2015年

 三菱のギャランも多くの人に愛された個性派のファミリーカーだった。誕生は1970年代を間近に控えた69年12月で、ウエッジシェイプのキレのよいデザインがダサい三菱のイメージを変えた。

 エンジンも軽快な吹き上がりの1.3Lと1.5Lの直列4気筒SOHCだ。その後、1.6Lモデルを追加し、ラリーなどのモータースポーツでも活躍した。また、2ドアのハードトップやスペシャルティカーのGTOを仲間に加え、瞬く間に三菱の代表モデルにのし上がった。

 ギャランは売れ続け、1987年秋に登場したギャランは2LのDOHCターボに4WS、4WDを組み合わせた「VR-4」がセンセーションを巻き起こした。

 この卓越したメカニズムは、後のランサーエボリューションの母体となり、モータースポーツでも大暴れ。が、三菱の不祥事が続き、高性能イメージは薄れてしまった。

 2007年にはランエボとプラットフォームを共用し、車名もギャランフォルティスに。スポーティ度の高いミドルクラスのセダンだったが、人気回復には至らず、2015年に生産を打ち切った。

現役の国産“最長寿”車は?

 時代の流れの変化を感じ取れなかったり、メーカーの不祥事に翻弄され、自動車史から消えていった名車は意外にも多い。名門ブランドの名声や伝統にあぐらをかいていると足元をすくわれ、消滅の危機に瀕する。

 それとは逆に、時代の変化を敏感に察し、対応、適合させたクルマも少なくない。トヨタのランドクルーザーやクラウンは60年以上も第一線で活躍し、今も高い人気を誇っている。この2車はクロスカントリー4WDとセダンの最長寿モデルだ。

 長寿と消滅の差は小さいのである。だが、生き延びるためには時代をよく見る鋭い洞察力と運が経営者とエンジニアに要求されるのだ。

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