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業界ニュース 2018.10.25

ジムニー、Gクラスに続き「Jeepラングラー」も11年ぶり全面刷新 なぜ今年は本格四駆車が発売ラッシュ? クロカン4WDの新時代へ

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■新型Jeepラングラーを新旧比較で徹底解剖「こんなに変わった!」

 今年は6月にメルセデス・ベンツが39年ぶりとなるGクラスの全面刷新に続き、7月には20年振りにスズキがジムニーをフルモデルチェンジ。ともに本格四駆として唯一無二の存在となっているモデルが数十年振りに刷新したことは大きなニュースとなりました。そして10月、本格四駆車の元祖ともいうべき存在「Jeepラングラー」もこのたび11年ぶりにフルモデルチェンジを行います。

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 なぜ、2018年に大中小の本格四駆車が揃い踏みしたのか、各メーカー担当者に聞いてみたところ、「特に狙ったとかいうことはありません。たまたま発売のタイミングが重なっただけです。各社さんの開発状況などわかりませんから(笑)。それにしてもビックリするくらい同じタイミング、まるでサイズの違う兄弟車が登場したみたいですね」と、口を揃えていいます。

 それほど本格四駆車が新型投入をするのが珍しい中、同じ年に3車種も続くのは異例のことです。さて今回、日本ではこれから正式に発表される新型「Jeepラングラー」に先行して乗る機会があったので、旧型とも比較しながらレポートしたいと思います。

「過給されているとはいえ、2リッターの小排気量ユニットで重いラングラーが動くのか?」走り出した瞬間に、それがまったくの思い違いだったことに気づかされました。新型Jeepラングラー(JL)に搭載されるエンジンは、2リッターのダウンサイジングターボと、従来のものをリファインした3.6リッターV6、2タイプのエンジンが搭載されています。

 排気量だけで考えれば、当然3.6リッターV6の方が走りは力強いと思いがちですが、実は全く異なっていました。そして、3.6リッター車もまた走りがガラリと変わっており、ラングラーというJeepのアイコンモデルが、ついに新時代を迎えたことを実感したのです。

 意外に思われるかもしれませんが、SUV全盛期のこの時代において、ラングラーはJeepブランドの中でもっとも売れているモデルです。アメリカの2018年1月から9月まで期間になんと20万台弱も販売し、9月期は過去最高の台数を記録しました。

 日本でもDセグメントの輸入SUVカテゴリでGLC、X3に続く3位の売り上げを記録。モデル末期にも関わらず、9か月間で3194台も販売したと、輸入元のFCAジャパンが発表しています。「ラングラーのスタイルは他には存在しない」という同社の自信は、まさしくその通りでしょう。

 上陸したばかりの新型ラングラーの試乗会場まで、350kmの道のりを愛車の旧型ラングラー(JK)でドライブ。道中でその○と×を再確認してから、新型との対面となりました。

■ボディは大きくなっているのに小さくなったような錯覚

 新型ラングラーに搭載されている2リッターターボエンジンは、最大トルクで400N・m(40.8kgm)も発生し、3.6リッターV6のスペック(347N・m/35.4kgm)を上回っています。この豊かなトルク、70kgもダイエットしたボディのお陰で、2tオーバーの巨体も軽々と動き始めます。旧型オーナーでなくとも、「ラングラーってこんなに軽々走るんだ」と驚くはずです。

 乗り心地という点では、旧型と大差ありませんでしたが、問題はハンドリングの良さ。新型は電動式のパワーステアリングを採用し、そのギアレシオも見直されたようです。結果、中立での遊びこそ多いものの、応答性はかなり良くなっています。

 2リッターエンジンは重量が軽いためか、3.6リッター車にはない回頭性も特徴です。コーナーで頭がスッと入っていくので、従来のような鈍くささが無くなりました。注目は最小回転半径が5.3mになったことで、ウソのように小回りがきくように。ファミレスの駐車場で何度も切り返さなくてもいいのは、オーナーのストレスを軽減してくれます。

 3.6リッターV6エンジンのスペックは従来通りですが、車重が軽くなった分だけ、動力性能に余裕が出ています。またトランスミッションに8速ATが採用されたことも小気味のいい加速の一因であり、2リッター車では100km/hで1350rpmくらいと、回転数もグッと下がっています。全長は135mmも長くなっているのに、動力性能がアップするとボディが小さくなったような錯覚を受けるから不思議です。

 オフロードにおいても、取り回しやパワーウェイトレシオの向上によって、扱いが楽になりました。樹木が密集するような狭い林道でも、その大きさをさほど意識せずにオフローディングができるようになりました。

 今回は「ほんの触り」でしたが、旧型オーナーが負け惜しみを言えるとしたら、旧型のヘビーデューティな雰囲気だけです。多くの点において、新型ラングラーは11年分の進化を遂げていることを十分に理解できました。

 価格は旧型より数十万円アップになる見込みですが、安全装備の充実やガジェットに対応したオーディオの装備など、この内容なら高くなっても文句は言えません。新型のグレードラインナップは、ベーシックな「アンリミテッド・スポーツ」と、ラグジュアリーな「アンリミテッド・サハラ」に加えて、2ドアで受注生産の「スポーツ」となります。少し後から、オフロード性能を特化させた「アンリミテッド・ルビコン」が追加される予定とのことです。

■旧型のようなヘビーデューティな雰囲気は薄れたが「Jeep」らしさは失われていない

 デザインですが、新型ラングラーは従来型よりもSUV調のデザインとなりました。マスクは本格的に民生化されたJeepの源流である、CJ-5を意識した造形となっています。ボンネットは、旧型ラングラーの特別仕様車に装着されていたようなエアアウトレットとパワーバルジが付いたデザインを採用しています。

 またサイドのウエストラインには、ランドローバー「ディフェンダー」のようなアクセントラインが追加され、リアサイドは良くも悪くもディフェンダーやGクラスのような雰囲気になりました。

 前後バンパーの意匠もより立体的な造形で、ラグジュアリーな雰囲気を演出。フロントウインドウが5.8度寝かされたことも、フォルムのエレガンスさに寄与しているのではないでしょうか。フロントウインドウを倒した時のキャッチやボンネットフードキャッチの造形も現代的で、品質も大幅にアップしています。

 旧型ラングラーのようなヘビーデュ?ティな雰囲気は薄れましたが、Jeepらしさは失われていません。バンパーの取り付けや配線の取り回し、樹脂パーツの質感など、細かい部分でのクオリティがアップしているところは、旧型ユーザーとして素直に羨ましいと感じられる部分でした。

 非常に驚かされたのは、ドアの開閉フィーリング。旧型ラングラーのドアはハンドルボタンからフィーリングがしぶく、ラッチも硬くて、とにかく開け閉めが大変です。ドアを叩きつけるように閉めないと、半ドア警告灯が点いてしまうことも珍しくありません。それがまるで軽自動車のように軽く開閉できるようになったのは、衝撃的でした。

 その秘密はボディ全体に実施された大幅な軽量化。アルミ材やマグネシウムを惜しむことなく使い、車両全体で70kgの軽量化に成功(新旧のラングラー「アンリミテッド・スポーツ」で比較)。ドア4枚では、15kgも軽くなっているということですから、この開閉フィーリングは当然です。ヒンジが追加されて、ドアが半分の位置で止まるようになったのも悔しいポイントです。

 内装のデザインは、いかにもイマドキのSUVになり、昔からJeepを見てきた人間としては素直に肯定できないところもありますが、インターフェイスの使いやすさは旧型よりも格段に向上しています。気に入ったのはステアリングホイールの取り付け角度。従来型はダッシュボードにほぼ平行で取り付けられており、回す時に手首が痛くなることも。新型はドライバーが操作しすいように適正な角度が付けられており、調整機構もチルトに加えてテレスコピックが採用されました。

 これで、様々な体格の人にフィットしやすくなり、中でも女性は非常に運転しやすくなるのではないでしょうか。

■車内空間も快適に! フルタイム4WDモード導入は大きなニュース

 運転席のレッグスペースも拡大しています。前輪軸を前方に3mm移動させると同時に、ペダル類の配置も変更。ミッションによって膨らんだフロアトンネルも、若干ですが張り出しが抑えられていました。

 旧型ラングラーユーザーにとって、後部座席の「直角シート」は悩みのひとつでした。国産商用車に装着されているようなシート角度で、とても長時間座っていることができません。ここもやはり、サードパーティ製のパーツで改善していた人が多かったと思いますが、そこも新型ではきちんと改善。シートの角度だけでなく、後輪軸を後方に25mm移動させて、後部空間の見直しを実施しています。

 またロールバーに取り付けられていたパッドを、樹脂製のものに変更することで、頭上の圧迫感が解消されていました。

 ATのセレクターレバーがゲート式からストレート式に変更されたことも、美点のひとつです。ゲート式は誤操作がない分、操作がスムーズにできません。また従来はマニュアル操作が左右方向でのシフトだったため、アップダウンを間違えることがありました。新型ラングラーは上下の操作になったので、直感的にシフトアップ&ダウンができます。

 パワートレインで言えば、ついにラングラーにもフルタイム4WDモードが導入されたことは大きなトピックです。4WDにシフトするタイミングが分からず、タイトコーナーブレーキング現象さえを知らないユーザーにとっては、走行安定性や走破性を向上し、イージードライブができるようになるフルタイム4WDの存在は心強いはず。また、多人数乗車や荷物満載で出かける場合は、たとえ乾燥した舗装路でも四輪駆動になっていれば安心です。

 その他、配線ひとつとっても11年ぶりに作りかえると、品質が大幅に向上します。各部を見ながら、旧型オーナーとしてはつい舌打ちが出てしまいます。

 筆者(山崎友貴)が買うとしたら、間違いなく「アンリミテッド・スポーツ」。日本の道路事情にマッチした走行性能、JC08モード燃費11.5km/hというスペックを考えたら、非常に乗りやすいアメリカ車だと言えます(ちなみにレギュラー仕様です)。

 新型Jeepラングラーは、間違いなく新しいユーザー層の獲得に成功するでしょう。見た目はマイルドになりましたが、クルマはやはり乗りやすさ。買い物や通勤でも気軽に乗れるようになった新型は、スズキのジムニーと並んで、クロスカントリー4WDの新時代を築くのではないでしょうか。

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(くるまのニュース 山崎友貴)

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