ガソリンが高い。——10月15日(月)時点のレギュラーガソリン店頭平均価格は159.6円と、前週より2.1円高く、7週連続で値上がり。ガソリン価格高騰が続いている。特に高いのが高速道路のSA/PAにあるガソリンスタンドだ。
しかし、約10年ほど前、一時的にSA/PAのガソリン価格が、一般道のスタンドより安いという「逆転現象」が生じたことも記憶に新しい。
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では、なぜ現在は再び高速道路のガソリンが高くなっているのか? その理由と併せて、現在最もガソリン価格が安い県、そして高い県などガソリン価格の最新事情を調査。地域によって、その平均価格はおよそ10円以上もの「格差」がある。
文:永田恵一
写真:編集部、Adobe Stock
かつては「逆転現象」も! 高速道路のガソリン価格はなぜ高い?
高速道路のガソリン価格には、2008年まで「利用者に不利益が出ないように」という理由で、“前月のガソリン平均価格で販売する”という上限制度があった。
そのため、現在以上にガソリン価格がガンガン上昇していた2008年(最高値は同年8月4日の平均価格は185.1円)、上限制度によるタイムラグで一般道のガソリンスタンドより高速道路の方が安いという逆転現象が発生。
高速道路のガソリンスタンドに安いガソリンを求める利用者が並び、長蛇の列ができた時期もあった。
この上限制度は廃止され現在に至るのだが、高速道路のガソリンが高い理由は、高速道路会社によれば「ガソリン価格は各高速道路のガソリンスタンドが決めており、当社は関与してない」という。
しかし、高速道路のガソリンスタンドで話を聞くと「高速道路のガソリン価格はウチが決めている訳ではなく、高速道路会社の指示によるものなんですよ。そのうえ、テナント料も売り上げの数%支払っています」と、その内情を明かす。
現場で話を聞いていると、表情を含め決して明るくなく、「高いから高速道路のガソリンスタンドは潤っているように見えるかもしれないけれど、車の燃費向上や価格の高さで最低限しか給油しない人も多く、厳しい商売」というのが本音のようだ。
一般道のガソリンスタンドでも近い部分があるようで、価格の安いガソリンスタンドで話を聞くと「そもそもガソリンは売っても儲けの多い商品ではありません。そのうえ価格競争もありますから」と苦しい胸の内を明かす。卸値や税金などから考えると1Lあたりの儲けは、多くて10円くらいだろう。
こうした事情もあり、「ガソリン以外で利益を出すために、ここ15年くらい洗車やオイル交換、車検を含めた整備関係、新車、中古車問わずの販売といった業務にも力を入れているのではないでしょうか」という。
一般道にあるガソリンスタンドでの話を聞くと、高速道路のガソリンスタンドも給油以外のサービスもしたらいいのではないかと思う。
筆者が「あったらいいな」と思うのはスチーム洗車だ。というのもスキーなどで雪道に行くとボディも下回りも塩化カルシウムが入った融雪剤でドロドロである。
そのため「雪道に行った後は早めに洗車はしなくてもいいから、特に下回りだけも錆の防止のために水で洗って塩気を落としましょう」と言われている。
それが雪国から非降雪地域に向かう高速道路のガソリンスタンドで、多少高いくらいの価格で提供できたら、それなりに利用者もいるのではないだろうか。
最安&最高値はどこの県? ガソリン価格を左右する要素
では、一般道におけるガソリン価格はどのように決まっているのか? ガソリンの卸値や税金は変わらないため、最終的なガソリン価格が決まる要素としては、以下の5つがあげられる。
・土地代(オーナーが所有する土地なのか、賃料が掛かる土地なのか)
・製油所からの輸送代(製油所が近いと安く、遠ければその分かさむ)
・立地(都市部なのか郊外、幹線道路沿いなのか)
・まわりとの競争や消費量(周りに競合相手が多ければ価格は下げざる負えないことが多く、逆に消費が少なければ利益確保もあり上げざるを得ないケースもあるだろう)
・人件費(フルサービスかセルフサービスか)
こうした要素を頭に置きながら、10月15日(月)の都道府県別レギュラー平均価格を見ていこう。全国で最も平均価格が安い県、高い県の間には、1Lで10円以上の開きがある。
■レギュラーガソリン価格が安い県 ベスト3
1位 埼玉県 155円
2位 千葉県 155.8円
3位 茨城県 155.9円
この三県は埼玉県と製油所の距離は微妙だが、もともと車の利用が多いのでガソリン価格が下げやすい、千葉県と茨城県は製油所が近いところが多く、土地代も郊外なら比較的安そうといった、ガソリン価格が下がる要素が多い。
一方で、ガソリンが高い県は九州地方に集中している。
■レギュラーガソリン価格が高い県 ベスト3
1位 長崎県 167.5円
2位 鹿児島県 165.9円
3位 大分県 165円
九州のガソリン平均価格が高い理由としては、離島への輸送費や過疎地域でのガソリンスタンドの維持のため価格を上げざるを得ないこともあるのだろう。
今後ガソリン価格はどうなる?
冒頭に書いたどおり、ガソリン価格は世の中の情勢によって決まる部分が大きいため、現時点では断言しづらいというのが本音だ。
しかし、基準としてニューヨーク原油先物の取引相場がある。これを見ると2018年11月から2019年6月まで1バレル=約159Lあたり68ドル台で安定している。このため、しばらくは円高にならない限り、ガソリン価格も現状維持となるのではないだろうか。
高値安定なのは利用者としては辛いが、逆に考えるとレギュラーガソリンの平均価格が180円を超えることも考えにくい。
というのも、あまりにガソリン価格が高くなると、車の利用自体が減ったり、ガソリンに見切りをつけてEVなどの代替エネルギー車への乗り換えも増え、ガソリンが売れなくなる。結局それでは石油関係の人が困ってしまうからだ。
また、ガソリンは生活必需品でもあるので、あまりに高くなれば政府への突き上げも起き、何らかの対策を取らざるを得ないという可能性もある。
◆ ◆ ◆
2019年10月に消費税が10%に増税されることが確定的となった。増税政策自体の評価はさておき、ガソリン税に対する二重課税にはまったく根拠がなく正当性が乏しい。消費増税を強行するなら、この二重課税問題だけでも解消すべきだ。
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