これまで、電動化、自動運転、そしてコネクテッドの波は商用車にも訪れ、ビジネスをする上でのツールとして考えられているということをお伝えしてきた。今回は将来のモビリティに欠くことのできない最重要課題とも言えるコネクテッドについて、ZFのADASビジネス開発ダイレクターのマーティン・マイヤー氏にインタビューできたので、その内容をお伝えしよう。
マーティン・マイヤー氏はZFの商用車事業部ADASビジネス開発ダイレクターで、コネクティビティの重要性とその使われ方について聞いてみた。
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ーーマイヤー氏常時接続が可能になるとまず、トラック輸送では複数のトラックが前後の車間距離を縮める隊列走行(プラトゥ―ニング)が実現し、隊列走行により燃費削減に大きく貢献する。およそ20%の節約になるというデータがある。そして車両の燃費状況や運行状況が管理でき、ドライバーの状態も管理、監視が可能になる。つまり企業にとってフリート管理がしやすくなり、幅も広がり、効率がよくなっていくわけだ。
「コネクティビティは自動運転のレベル3~5になると非常に重要なことになってきます。それは車車間通信、信号との連携、渋滞情報などが常につながっていなければレベル3以上の自律走行はできません」
ーーマイヤー氏ZFが提案するSmart Logisticsにはこうした常時接続の技術は必須案件であり、別記事でお伝えしているInnovation Vanやe.GO moverにも、こうしたコネクテッド技術がなければ成立しないわけだ。
「コネクティビティはコミュニケーションが大切で、つまり、車両管理、監視をする上でも重要です。また通信の信頼性も重要で、途切れることなくつながり続けなければ、さまざまな可能性を実現できません。そのために、欧州では共通のプラットフォームを使う動きが始まりました」
ーーマイヤー氏そのために、重要になってくるのが確立された通信性能で、安全性、信頼性の高い通信システム、つまり、どんな状況でも途切れない通信が必要になることと、共通のプラットフォームを持つことが大切になってくる。
「コネクティビティは物流のすべてをトラッキングできるシステムで、そうすることで燃費、運送状況、ドライバーの情報、顧客とのつながりが重要になってきて、Smart Logisticsを提案しているわけです。これはドライバー不足の問題解決にも役立つものです」
ーーマイヤー氏ZFは、このマルチブランド・プラトゥ―ニングは、トラックメーカーを問わず、ENSEMBLEによって車車間通信が可能になり、隊列走行が実現させるというもので、プラトゥ―ニングは輸送革新の重要課題のひとつでもある。そのためのシステムの統一化がすでに欧州で始まっているというわけだ。
「ZFではEUで共通化されるENSEMBLE(アンサンブル)プロジェクトに加わり、マルチブランド・プラトゥ―ニングの可能性をテストしています。これはEUが共同出資しているプロジェクトで、技術提供の企業が同じ基盤技術を使ってトラックメーカーに提供していくものです」
ーーマイヤー氏ZFはOpenmatics社と連携することで、コネクティビティのプラットフォームの提供が可能になり、インターフェイスやソフトウエアの提供が可能になっている。テレマティクスの分野では、このOpenmaticsとの連携が重要な取り組みになっているわけだ。
「2021年には欧州で、マルチブランドのプラトゥ―ニングが実現できると考えています。一方アメリカでは別なアプローチで始まっていて、こちらはもう少し早く実現するかもしれません。こうした技術の背景にはOpenmaticsとの連携も重要でした」
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