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業界ニュース 2018.10.18

ハーレーのイメージを覆す異端児──ハーレー・ダビッドソン ファットボブ試乗記

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いまいちばん「走れる」ハーレーは? と尋ねられたらこれを選ぶだろう。ハーレー・ラインナップの中で「ソフテイル・ファミリー」に属するファットボブだ。

見た目は従来のハーレーのイメージとはかなり違う。前後16インチの小径ホイールにフロント150、リア180幅のファットタイヤ。見るからに剛性の高そうな倒立式フロントフォークにダブルディスクブレーキ。スポーツバイクのように跳ね上げられた、右サイド2本出しのエキゾーストパイプ。LEDランプを横長に並べた、異型のヘッドライトが作り出す威圧的な表情のフロントマスク。オーセンティックなハーレーとは一線を画す、異端の匂いをプンプンさせたアグレッシブなモデルだ。

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ハーレーのソフテイル・ファミリーとは、リアサスペンションを見えない位置に隠し、サスペンションがない時代のリジッドフレームモデルのような雰囲気を演出したクラシックなスタイルのシリーズ。しかし、2018年モデルより、スポーティーなキャラクターのダイナ・ファミリーと統合され、ソフテイル・ファミリーのラインナップが一新された。そのシリーズ統合による化学変化から生まれたのがこの新型ファットボブである。

搭載するエンジンは通称“ビッグツイン”と呼ばれるハーレー伝統の空冷45度V型2気筒。長い歴史のなかで、パンヘッド、ナックルヘッド、エボリューション、ツインカム88という進化を遂げてきたビッグツイン・エンジンであるが、現行ソフテイルが搭載するのは2017年モデルから採用される「ミルウォーキーエイト」と名付けられたユニットだ。

ミルウォーキーエイトは、空冷OHVツインという形式は守りながら、シリンダーヘッドまわりを2バルブから4バルブ化し、いっぽう先代のツインカムからシングルカムに戻すなど中身を一新している。パワーやトルクを向上させるとともに、燃費や騒音、排出ガスなどの面での環境対応性を高めている。ファットボブには107キュービックインチ(1745cc)と114キュービックインチ(1868cc)の2通りの排気量のエンジンを搭載する。スタンダードは107モデルであり、さらに強力なパワー、トルクを求める人は114版を選べる。

直線よりコーナーが似合う

ファットボブは、クルマでいえばマッスルスポーツカーだろう。その大きなトルクを活かしてズドン! と、走り出す瞬間のカタルシスは格別だ。とはいえコーナーであたふたしてしまうような「直線番長」ではない。力強いストッピングパワーを発揮するダブルディスクブレーキでガツッと速度を殺し、幅広のバーハンドルを御しながらエイヤ! とマシンを倒し込めば、その巨体は予想以上にシャープな身のこなしでカーブを抜けていく。

ガッチリとした剛性を感じさせる車体とグリップ力の高いタイヤの恩恵で、コーナリング中の挙動はとても安定している。ハーレーと言えばその低く構えたプロポーションゆえバンク角(車体が傾く角度)の小ささが泣き所であるが、ファットボブはシリーズ中最も深いリーンアングルを与えられているだけあって、ちょっと飛ばしたぐらいではステップを擦らない。もちろんスーパースポーツのように走らせようとすれば限界は訪れるが、その大いなる安定感のおかげで多少車体を擦ろうがギャップを乗り越えようが、ライダーは慌てず落ち着いてクリアできる。

そして、これはファットボブだけでなく、ミルウォーキーエイトを積んだすべてのモデルに言えるが、現行のハーレーに、かつてのように重たい車体を大きなエンジンでドコドコと震わせながら走らせる……というイメージを抱いていると、ちょっと肩透かしを食うかもしれない。それほど今のハーレーのエンジンは洗練されていて、ツインの鼓動感は残しつつも余分なバイブレーションは取り去られ、その見かけからは想像できないほど軽快に走らせられるのだ。

挑発的なスタイリングとスポーツバイクのような俊敏な走りを備えたこのファットボブは、好みがハッキリと分かれるモデルだろう。昔ながらのオーセンティックなハーレーの世界を求める人には「らしくない」と映るかもしれない。そのいっぽうでこれまでハーレーに関心のなかった人から、「カッコいい!」と興味を惹く可能性は大いにある。

真っ直ぐな道をどこまでも走り続けていく……というのがいわゆるハーレーのイメージだとしたら、むしろファットボブは夜の首都高で連続するコーナーを右に左にクリアしながらその走りを楽しむ、なんていうシーンが似合いそうだ。時代とともに多様化していくハーレーの世界の扉を開くモデルの1台が、このファットボブなのだ。

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(GQ JAPAN 河西啓介)

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