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業界ニュース 2018.10.18

RC213V-SやRC30に続け! ホンダがまたしてもリアルレーサーの公道仕様を発売!! 「CRF450L」試乗

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■生粋のレーシングマシンに保安部品を装備し公道へ

 最近なら“モトGPレプリカ”と言われ、なんとお値段2190万円の『RC213V-S』、レーサーレプリカブームに詳しい世代に説明するなら『VFR750R(RC30)』の名を出せば、ピンと来るかと思います。

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つまり“レプリカ”ではなく、レーシングマシンそのものに保安部品を付けて公道も走れるようにしてしまったバイクです。そんな夢のようなオートバイ、ホンダがまたしても発売してくれました。今度はモトクロッサーの最高峰『CRF450R』のナンバー付き『CRF450L』です。

 開発責任者の内山幹夫さん(本田技術研究所二輪R&Dセンター)は「最高峰のレーシングマシンが持つホンモノ感にこだわり、約7割の部品を共用した」と、教えてくれました。もちろん公道向けに小変更やセッティングを見直していますが、メインフレームやエンジン、サスペンションといった基本構成はそのまま。

実車を目の当たりにすると、車体色もエクストリームレッドだけの設定で、カラーグラフィックスも同じにしているため『CRF450R』にソックリです。見た目からも、タダ者ならぬ雰囲気を醸し出しています。

■450ccのハイパワーを扱いやすくした!

 試乗は、ホンダが用意してくれたクローズドコース(イーハトーブの森:山梨県南都留郡)や、その周辺の一般道や林道でおこないました。450ccのモトクロッサー(モトクロス競技専用車)というと、プロのトップライダーでも手強いと感じるパワフルさで、到底手に負えるものではないと思いがちですが、ダートで乗ってみても扱いやすいと感じるから驚きます。

『CRF450R』の場合、アクセルをワイドオープンしたときにドーンとパワーが急激に立ち上がる“ヒット感”が、とてつもないのですが、『CRF450L』ではそういった驚異的ともいえるパワー感を穏やかに均して、常用する低中回転域全体でのトルクを分厚くしているのです。

 エンジンを担当した石井直樹さん(本田技術研究所二輪R&Dセンター)が、「クランクマスを約12%向上し、圧縮比を13.5から12.0へ見直し、操作性を最適化しました」と教えてくれました。エンジンは、主軸となるクランクシャフトまわりにオモリ(ウエイト)をぶら下げて、そのウエイトが自らの重み(クランクマス)で回ろうとする慣性を利用し、シリンダー燃焼室での爆発力を受けないときもエンジンを回しています。クランクマスの慣性を上げると低中回転域でのトルクが向上するので、石井さんはそれを狙ったというわけです。

 ヒット感を薄くするかわりに、全域でフラットな出力特性を獲得。リヤが流れ出しても穏やかなリアクションですから、コントロールしやすい。スペックを見ると、最高出力24ps/7500rpmと低いものですが、実際に乗ったときに感じるパワーフィールは、レーシングマシン直系のものとしか言いようがなく、スロットルレスポンスは充分ですし、オフロードで多用する6000rpm以下の力強さ、トルク感は図太く頼もしいものです。

■足まわりもリアルレーサーならではの実力

 もちろん、前後サスペンションをはじめとする足まわりも『CRF450R』と共通です。フルアジャスタブ式を公道で使うには贅沢すぎますが、セッティングやスプリングが見直され、跨った途端によく動くソフトな味付けです。低い速度域でもしなやかに動き、タイヤが路面を捉えるトラクション性の良さを感じます。

 とはいえ、ジャンプの着地など負荷が大きくかかったときはしっかりと踏ん張りが効き、余裕の衝撃吸収性をみせ、最高峰モトクロッサーの足まわりであることも実感できます。

 車体設計を担当した大村聖一さん(本田技術研究所二輪R&Dセンター)によれば、「リアサスペンションも専用のリンクレシオで、路面追従性を向上しました」とのこと。雨で濡れてスリッピーな舗装林道も走りましたが、前後輪が滑りやすい路面を捉え、荒れたアスファルトの上も走りやすかったことも付け加えておきます。

 モトクロッサーならではの軽快感は、車体やハンドリングにも顕著にあらわれ、前後左右への荷重を意識すれば車体の姿勢が容易に変えられ、アクセルワークが一致すれば自在にマシンを操れます。カウンターステアを切ってのコーナリングやジャンプも容易く、このコントロール性の高さは他のトレールバイクとは一線を画すと言い切っていいものです。レーシングマシン直系は伊達ではありません。

 CRF450R用をベースにしたアルミフレームは、エンジン懸架やピボット周辺の形状を変更し、ヘッドパイプまわりも専用設計。剛性としなやかさを好バランスで両立し、公道走行に対応しました。

 縦2灯のLEDヘッドライトやデジタルメーター、テール&ブレーキ灯、前後ウインカーなど保安パーツを追加装備したほか、排ガス規制に対応するためにチャコールキャニスター(大気汚染防止装置)なども備えますが、車両重量は131kgと僅かに19kg増しに抑えているのも見事と言えます。

 燃料タンクは競技車では樹脂製ですが、公道仕様では認められておらず軽量なチタン製で新設計。容量は使い勝手を考え、6.3リットルから7.6リットルに増やしています。開発責任者代行の中島広司さん(本田技術研究所二輪R&Dセンター)によれば、「エンデューロモデル『CRF450X』と同じ容量で、ニーズに応えています」とのこと。広大なオフロードのオープンフィールドを走るために開発された450Xでの実績から、容量は決定されたのです。

 また、5速だったトランスミッションは6速化され、エンジンの回転を引っ張り上げず滑らかに一般道を流せたことも報告しておかなければなりません。公道用となれば、高速道路も視野に入れなくてはなりませんが、内山さんは「充分にこなします」と言います。今回はテスト走行しませんでしたが、日本の都市部に住むライダーの場合、オフロードエリアに出掛けるには高速道路は避けて通れませんから、そこも考慮しクリアしたということでしょう。

■より手軽にオフロードへ走りに行ける!

 しかし、どうしてこのようなレーシングマシンベースの公道向けオフロードモデルが誕生したのでしょうか。内山さんに質問してみました。

「要望は特に欧米から強くありました。宅地化やゴルフ場開発などにより、オフロードライディングを楽しむフィールド間に一般公道が増え、トレールが分断した状態になっています。連続してダート走行を楽しむために、公道仕様モデルが求められました。これまでのトレールバイクでは物足りないオフロード経験者らが望むマシンでしたので、今回の『CRF450L』のようなハイパフォーマンスモデルでなければいけなかったのです」

 高性能なコンペティションモデル(競技専用車)の場合、移動にはトランスポーターが必要で、積み下ろしに時間を要し、手間もかかります。しかし、既存のトレールバイクでは性能的に物足りない。そこでオフロードバイクファンから渇望され誕生したのが『CRF450L』だったというわけです。

 とはいえ、厳格な音量・排ガス規制があるこの時代に、競技専用車を公道向けにリメイクするのは容易くありません。吸排気系を担当した阿部雄太氏(本田技術研究所二輪R&Dセンター)は、「排ガス・音量規制への適合には苦労しました」と、振り返ります。

 チャコールキャニスター(大気汚染防止装置)をシリンダー後方に配備し、マフラーはマスの集中化などに配慮した2本出しサイレンサーを450Rでは採用しますが、450Lでは容量的に有利な1本出しに変更。サイレンサーを3室リターン構造にし、消音効果を向上しているのです。

 また、海外仕様ではエアクリーナーボックスは開放型ですが、日本仕様では密閉型にしました。そしてレーシングエンジンがゆえにシリンダーの壁も薄く、騒音規制の対応には手こずったとのことです。エンジンにカバーを設け、駆動系にもゴムパーツや樹脂カバーを随所に追加。音への対策が、各部で施されているのが車体の隅々を見れば一目瞭然でしょう。

■メンテナンスサイクルを伸ばし、2年保証も付けた

 内山さんは「公道仕様とするからには、競技専用車のような短いメンテナンスサイクルのままではいけない」と考えました。専用設計したピストンは、ピストンリングを2→3本に増やし、耐久性と環境性能を向上。熱対策としてラジエターも大型化し、電動ファンとリザーブタンクも追加で搭載しました。

 メンテナンスサイクルを大幅に伸ばし、通常モデル同様に2年保証も新車に付帯。レーサー直系といえども、ホンダの一般公道向け製品である以上は、購入後のこともよく考えた、じつにホンダらしい決意です。

 この本気度満点のリアルオフローダー、もしかすると「RC30」のように伝説となるかもしれません。買うなら今のうちですよ。

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(くるまのニュース 青木タカオ)

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