独自のハイブリッドシステム「e-BOXER」を搭載したスバルフォレスター アドバンスがいよいよ発売開始となった。早速、2.5Lガソリン仕様と比較試乗してわかった新しさをレポートしよう。(Motor Magazine 2018年11月号より)
低中速走行時に効果がはっきりと実感できる
1億7000万円オーバーの「GT-R 50 by Italdesign」のここが凄い!
中村知美新社長によって7月に発表された、スバルの中期経営計画「STEP」。その名前にちなんだ「新型フォレスターSTEP体感試乗会」が、川崎・東扇島のスポーツ複合施設、川崎マリエンで開催された。
周辺の道路はあまり流れが良いとは言えず、フォトジェニックな背景もこれといってないエリアだ。新型車の試乗コースにはあまり向いていないように思えるのだが、スバル的には「ここじゃなきゃダメ!」な理由がふたつあった。
ひとつは、新型フォレスター最大のトピックである「e-BOXER」の魅力を思い切り味わってもらいたい、という思いだ。信号が多く右左折の専用車線が唐突に現れる試乗コースをあえて設定し、頻繁にストップ&ゴーを強いられるシーンでもストレスなくキビキビと走る気持ち良さを実感させるのが、狙いだという。
確かにe-BOXERは、出だしからスムーズで力強い。なにしろ2.5L仕様が想定外にスタートダッシュが大人しいので、よりその差が際立って感じられた。「I(インテリジェント)モード」ではややもたつき感が拭えないものの、「Sモード」にすればテンポよく駆け巡ることができる。コーナリングでも、ハイブリッドモデルの前後重量バランスの良さが安定した挙動につながっていることが実感できた。
船積みの素早さと正確さにビックリ
さて、東扇島地区を会場に選んだもうひとつの理由。それは、海外向け輸出モデルを船積みするシーンを見学してもらうため。実は東扇島には、スバルが世界各国に向けてクルマを送り出すための重要な基地があるのだ。
今回は実際に、自動車運搬船「ハーキュレスリーダー」に乗り込み、船内施設やデッキに車両を積み込んで行く様子を見学させてもらうことができた。
ミラーtoミラー幅10cm、前後幅30cmという隙間を守りながら、1分程度で数台を横に並べていくシーンはまさに職人技。無造作に作業しているようでいて、実は積み下ろしの順番に合わせた最適な積載プランが練られているという。
取材日の朝着いた船は、積み込みが終わるとすぐに出航。約1カ月かけて、最終目的地ボストンを目指すことになる。(文:神原 久)
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