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業界ニュース 2018.10.14

「MERCEDES-BENZ 300SL」レースを制するために生まれた美しきオールドクーペ

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斬新なスタイルと最新技術の投入で高級スポーツを伝説化させたSL初代モデル

100年を超えるメルセデス・ベンツの長いヒストリーのなかで様々なモデルが世に輩出され逸話や伝説と共に語り継がれてきた。「メルセデス・アーカイブ」の第1回は、名車『300SL』をフィーチャーする。

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ドイツ語で「超軽量」を意味する「スーパー・リヒト」に由来する伝統の称号、SL。現在のメルセデス・ベンツのラインアップにおいても特に趣味性の強い、そして個性的なモデルとして人気が高い。現在にまで続くSLのヒストリーにおいて、その原点にあるのは1964年のニューヨーク・ショーで初披露された「300SL=W198」だった。それに先行してメルセデス・ベンツからは1952年に当時のスポーツカーレース用の車両として「300SLプロトタイプ=W194」を発表しており、同年のル・マン24時間やカレラ・パナメリカーナ・メキシコなどの過酷なレースを制覇したのだ。

SLの称号が主張するとおり、軽量で高剛性なスペースフレームに流麗なデザイン造形のボディを形成。パワーユニットは、当時の「300S」用をベースとする3ℓ仕様・直列6気筒エンジンを4速MTと組み合わせ、フロントミッドシップに搭載したプロトタイプは、レースでの活躍によって一躍その名前を世界へと轟かせることになったのである。

モータースポーツの世界で強さを見せつけたプロトタイプがあることを知れば、そのプロダクションモデルの誕生を待ち望むのは今も昔も自然な成り行き。そして、そのリクエストを背景にダイムラー・ベンツは300SLをプロダクションモデルとして市販するためのプロジェクトをスタートする。開発はプロトタイプと同様に、メルセデス・ベンツのエンスージアストにはもはや神格化された存在ともいえるエンジニア、ルドルフ・ウーレンハウトが主導するチームによって行なわれた。

プロダクションモデルの300SLもルドルフ・ウーレンハウトが長年にわたって構想を抱き、そしてプロトタイプでそれを実現したスチール製のスペースフレームを基本骨格として採用。そのディテールは、プロダクション化のために見直されることになるが完成されれば、その全貌を二度と目にすることはない。

さらにスペースフレームは、デビュー当時に公開されたオフィシャルフォトから検証すると、かなり複雑で構造物としては芸術的な美しささえ感じるものであることがよくわかる。ここで最も注目しなければならないのは、サイドのトラスが上下と横方向へ大きなサイズに設計されていることで、それこそがプロトタイプ、プロダクションモデルを通じて独創的なガルウイングドアが組み合わされた理由なのである。

もちろんレースに使用されたプロトタイプと比較するとプロダクションモデルのガルウイングドアは、開口面積がさらに広くなった。ドライバーシートへのアクセスを容易にするためにステアリングホイールは、ロックを外すと下向きに倒れるように工夫されていることも見逃せない。

また、搭載エンジンはプロトタイプと同様に3ℓ仕様の直列6気筒とされたが、プロダクションモデルの300SLには当時としては斬新なメカニズムが採用されていた。それは「ボッシュ」社とのコラボレーションで生み出したガソリン直噴式燃料噴射システム。結果的にメンテナンス性などの問題で、この時代には他モデルに採用されることはなかったが、8.25という圧縮比から215psの最高出力を得るなど、効果は小さくはなかったのだ。260km/hと発表された最高速は、これもまた世界のスポーツカーファンを熱狂させるに十分すぎるほどのインパクトを持つものだった。

そして足回り。フロントにダブルウイッシュボーン、リアにはスイングアクスル式のサスペンションは、300SLの走りを実にダイナミックなものにした。そして多くのカスタマーを集中させる大きな理由となったのは、やはりエレガントなエクステリアとインテリアのフィニッシュにあったようだ。ガルウイングドアを持つクーペは、1954年~1957年までの間に1400台を生産。この間も300SLは、世界各国のスポーツカーレースで大活躍し、1955年にはF1=W196ベースの進化型「300SLR」が登場するに至る。

クーペの生産を終了したものの300SL(W198)の歴史は、これでは終わらなかった。メインマーケットともいえた北米からのリクエストに応えた、オープン仕様だ。新たに独自のオープンボディを採用した「300SLロードスター」が、1957年のジュネーブ・ショーで発表されたのである。ドアは一般的な横開きとなり、重量増に伴ってスペースフレームを改良。搭載エンジンのスペックに変化はないものの、後にアメリカ仕様では10psアップの強化が図られることになった。また、リアサスペンションは、新たにシングルジョイント方式とされるなどクーペからの進化は広範囲に及んでいる。

ブレーキは生産途中で4輪ディスクブレーキを新採用。オプションではハードトップの選択も可能だった。1963年までに生産された300SLロードスターは、1858台。さらによりリーズナブルなSLとして1.9ℓ仕様の直列4気筒エンジンを搭載、1954年に誕生した「190SL」は、1963年までに実に2万5881台を生産。ビジネスとしては非常に大きな成功を収めたモデルである。

このように300SLは、1950年代から1960年代にかけてのメルセデス・ベンツのヒストリーを華やかに彩った、まさにこの時代の代表作といえるもの。スポーツカーとしてのコンセプトは、現代のSLクラスに継承され市場で高い評価を得ていることは周知のとおりだろう。そしてSLという伝統の称号は、これからも永遠に継承されていくことになるのだ。

天才技術者が描いたスポーツカーの理想形

デビュー当時から世界初のガルウイングドアに注目が集まっていたが、レースに勝つためのスポーツカーとしての性能を高めるための方策が、この斬新なデザインを生み出したと言っても過言ではない。鋼管スペースフレームの採用、徹底的な軽量化の推進、さらにはシュツットガルトの工場に設けられた風洞実験施設においてエアロダイナミクスに磨きをかける。300SLの流麗なスタイリングに加え、その低フォルムは高い動力性能を十分に発揮させるために拘った結果、設定されたディテールであった。細部に至るまでの拘りは開発責任者のルドルフ・ウーレンハウトによって貫かれたものであり、260km/hの最高速を実現した。

超軽量、スーパー・リヒトは拘りの塊で性能を高めた

1954年2月に開催されたニューヨーク国際モーターショーの当時のインポーターであるマキシミリアン・ホフマンのブースで披露されたメルセデス300SL。その奥に展示されているのが190SLである。

300SLロードスター用の鋼管スペースフレーム。サイド部分のフレーム構造を改良し燃料タンクは130ℓから100ℓに減量。トランクにはスペアタイヤが収まるが収納スペースが僅かに確保された。

現代にも影響を及ぼすスポーツカーの原点

【Series I】レース用プロトカーをロードカー用に進化

レース用のプロトタイプはアルミボディだったが、ロードカーはフロントボンネットとドア、リアトランクリッド以外はスチールパネルを採用(フルアルミボディ、ファイバーボディも僅かに存在)。エクステリアはフロントマスクが変更されておりフェンダー上部にフィン、その後方にエアアウトレットが追加されている。

インテリアはロードカーらしく上質で高級感のある意匠と機能を付加。ステアリングは運転席へ簡単に滑り込めるよう下部に可倒する。ハンドブレーキは運転席左側、ドア側に設けられた。

【Series II】北米市場で人気を博したロードスター

シリーズII、いわゆるロードスターはオープンスタイルが故に専用ボディで開発され写真のようにクレイモデルを製作。ガルウイングドアではないスタイリングがジンデルフィンゲン工場でリデザインされた。鋼管スペースフレームのサイドセクション、サスペンションの構造変更、燃料タンク容量の減量化など重量増(約100kg)への対処と剛性を高める策が講じられている。また、多岐にわたって専用ディテール(ヘッドライトやエアダクトなど)を採用。約80%の車両が北米市場で販売された。メルセデス・ベンツ300SL クーぺ ※( )内はロードスター●全長×全幅×全高(mm):4,520(4570)×1,778×1,302●ホイールベース(mm):2,400●車両重量(kg):1,310(1,420)●エンジンタイプ:直列6気筒SOHC●総排気量(cc):2,996●圧縮比:8.55●最高出力(KW[ps]/rpm):158[215]/5,800●最大トルク(N・m[kg-m]/rpm):275[28.1]/4,600●駆動方式:FR●トランスミッション:4速MT●サスペンション前/後:4リンク/マルチリンク●ブレーキ前/後:ドラム/ドラム※1961年モデルからダンロップ製ディスクブレーキを採用●タイヤ前/後:6.50-15/6.70-15

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(Auto Messe Web 『Only Mercedes編集部』)

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みんなのコメント

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  • bla*****|2018/10/14 16:53

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    また内容が其処此処いい加減。
    一々指摘すると書き直しが必要。
    最初にドイツ語で超軽量とわざわざ説明するなら
    ズーパー・ライヒト です。
    思い込みではなくキチンと説明すべき。

    最初からこれだから、あとはwikiの引用やムック本あたりの孫引き。タダだから仕方ないのか。

    ならばこのような名車をテーマにいい加減な内容のものを配信しない方がいい。

  • rak*****|2018/10/14 23:33

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    最近話題になった石原裕次郎氏の『300SL』だが、よく見ると氏の車両のライトは、丸目から異形に替わっている。おそらく後年の『ロードスター』の物に付け替えたのだろうが、そのことについて先日の記事では「『この仕様は世界に一つしかない』と、生前、裕次郎氏から話を伺ったことがあると舘ひろし氏が語った」としていた。

    本当にこの仕様は世界に1台だけなのか?
    調べてみたところ、どうも新車の発注オーダー時に「丸目」か「異形」かを選べたらしいことが分かった。
    なんだ、じゃあこの車はオーダー時にしたんじゃん・・・・・で話は終わらなかった。

    さらに深く調べたところ、どこかのタイミングでこの車はフロントを大破する事故を起こし、その際、裕次郎氏のリクエストで『ロードスター』用の異形ライトに交換されたという記事があった
    のだ!

    さて、真実はどちらなのだろうか?
  • non*****|2018/10/14 20:40

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    シュポルト・ライヒトじゃないんだ?俺は300SLを知ってからずっとソレで覚えていた。
    間違いだったのか・・・

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