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法定速度は2種類存在 規制速度はどう決まる? 事故頻度や周辺環境によって見直しも

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法定速度は2種類存在 規制速度はどう決まる? 事故頻度や周辺環境によって見直しも

■「法定最高速度」はどのような背景で決めるのか

 クルマを運転する上で、守らなければいけないのが「法定速度(規制速度)」です。住宅街などの生活道路では30km/hや40km/h、幹線道路では50km/h、60km/hと制限されていることが多いです。

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 道路がある近隣状況によって「規制速度」が異なることは理解できますが、明確な数字の決め方など基準となるものはあるのでしょうか。

 まず、規制速度には、『法定最高速度』と『法定最低速度』の2種類が存在します。『法定最高速度』は、一般道や高速道路などほとんどの道路に設定され、『法定最低速度』は基本的に高速道路の本線上に定められています。

 普段よく目にする『法定最高速度』は、どのような背景で決められているのでしょうか。

 最高速度規制の目的は、“交通事故の抑止(交通の安全)”“交通の円滑化”“道路交通に起因する障害の防止”の観点から実施されます。

 規制速度の決定方法は、有識者委員会による調査に基づいて、新たな速度規制基準を策定。その後、道路交通環境などに応じた速度規制の見直しを各都道府県警察において順次実施するという流れです。

 規制速度の基準となる要因には、該当する道路における交通事故の発生割合、学校や住宅に対する騒音配慮、歩行者の交通量など周辺環境を考慮され判断されます。また、道路自体の歩道有無、路肩有無、視界性などの構造も要因のひとつです。

 規制の基準となる速度として、市街地(2車線)の歩行者量が多い場合は40km/h。非市街地(4車線以上中央分離帯あり)の歩行者量が少ない場合で60km/hとなっており、ここからさまざま要因が考慮されて±10km/hの範囲で補正し決定されます。

■規制速度の見直要望

 2009年から2011年における規制速度の見直し状況は、警察庁の発表によると一般道路の点検対象5281区間のうち1911区間が見直されています。そのなかで最も多く見直された規制は、「40km/hから50km/h」に速度を引き上げるものでした。

 規制速度の制定背景や見直しの要望などについて、警察庁は次のように話します。

――一般道路での「最高速度規制(速度制定基準など)」を教えてください。

 一般道路における「最高速度規制」の実施基準は、「交通規制基準」に基づいて定めています。規制の目的として、区間を指定して行う最高速度の規制は、均一な交通流を確保することにより、交通の安全と円滑を図り、道路交通に起因する障害を防止するものです。

 基準の決定方法は、「市街地/非市街地」、「車線数」、「中央分離帯有無」、「歩行者交通量」などの状況によって判断しています。

――近隣住民から「最高速度」の変更を求められた場合、どのような対応になるのでしょうか。

 近隣住民などからの要望があれば、必要に応じて当該最高速度規制を実施する箇所周辺の道路や交通安全施設などの設備状況に加えて、交通流・交通量の交通状況、道路利用者のニーズに変化があるか否の確認を行ないます。

 その上で、現在の交通規制と実態が合わなくなっていた場合には、必要な見直しを実施することになります。

――住民から変更要望を出したい場合、どこに連絡をすれば良いのでしょうか。

 当該最高速度規制を管轄する警察署または都道府県警察本部へご相談ください。

※ ※ ※

 当面の最高速度違反による交通事故対策の方向性としては、「今後も車両の走行速度を低下させる対策の推進が必要」、「運転者教育や交通安全教育、広報啓発活動を通じて、最高速度違反による交通事故の危険性について理解させることが必要と考えられる」といいます。  道路の「規制速度」は、安易に決められているものではなく、対象となる道路事情や周辺環境への影響などさまざまの要因によって定められていました。

 クルマを運転する人は、単純に「速度が規制されている」と考えるだけでなく、規制された背景があるということを認識することで、より安全な運転環境を実現することができます。 

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