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業界ニュース 2018.10.6

最近のクルマはなぜ窓が小さいのか 後方視界の悪さ、車室に閉塞感…メリットはどこに

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スポーティさが演出できる?

 トヨタ「CH-R」、ホンダ「ヴェゼル」「N-BOX SLASH」、日産「ジューク」、スズキ「スイフト」……これらのクルマには、共通する特徴があります。後部ドアのハンドルがピラーに埋め込まれていること、そして、特に後席の窓の面積が小さいことです。

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 このようなタイプの後部ドアハンドルは、欧州のハッチバック車などでは以前から見られます。たとえばスズキは「スイフト」について、欧州の傾向を取り入れつつ、「スポーティなイメージを大切にすべくスタイリングを優先した結果」としていました。後席の窓が小さいのはトヨタ「C-HR」で特に顕著ですが、この点についてはトヨタも「『デザインと走り』に徹底的にこだわり、それを優先して開発した結果、ウィンドウが比較的小さくなりました」と認めるところです。

「C-HR」は側窓だけでなくバックウインドウも比較的小さく、インターネット上などでは「後方視界が悪い」「車内に閉塞感がある」といった評価も見られます。トヨタに話を聞きました。

――「C-HR」の窓が小さいことには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

 メリットはスタイリッシュになった点です。具体的には、後席窓を小さくすることで、キャビンをクーペ風に見せてパーソナル感を強調しています。またキャビンとアンダーボディの一体感を増すことで、引き締まった力強さとスポーティーさを増す効果に寄与しています。お客様からは後席窓が小さいことで、「外から見られにくい」「守られているようで安心感がある」といったご意見をいただいております。

――後方視界についてはどうお考えでしょうか?

 後方視界が比較的小さいのは確かですが、それを補う安全機能を装備しています。後方視界をナビ画面に表示するバックカメラ、周辺の障害物を感知するクリアランスソナーやバックソナー、隣の車線を走行する車両をレーダー検知してドアミラーに搭載のインジケーターに点灯させるブラインドスポットモニター、駐車場から後退する際に左右後方から接近する車両を検知してドライバーに知らせるリヤクロストラフィックアラートなどです。

※ ※ ※

 トヨタによると、「C-HR」は後方側の視界が小さいぶん、前席側については前方視界を向上させ、開放感も演出もしているとのこと。その一端は、車両側面の前部から後部にかけて、窓の下端ラインが持ち上がるようなデザインに表れています。ラインが持ち上がった後方側の窓が相対的に小さくなっているのは、上に挙げたほかの車種も同様です。

窓の下端ラインの角度でこんなに違う印象

 ある自動車メーカーの担当者は、側窓の下端が描くラインについて、「一般的にリアにかけて持ち上がると軽快さやキビキビさ、躍動感を印象付け、水平に近づくほどにエレガントさや落ち着き、大人っぽさが出てきます」と話します。

 モデルチェンジの過程で、こうしたデザイン思想が反映されていった車種もあります。たとえばマツダの「デミオ」では、初代および2代目は窓の下端が水平に近かったものが、2007(平成19)年発売の3代目からラインが大きく持ち上がり、後席の窓も小さくなりました。

「初代および2代目は、箱型を基本としたデザインで実用性を重視した『コンパクトスペースワゴン』というコンセプトでしたが、3代目はグローバルなコンパクトカーの本流である『パーソナルスマートコミューター』へシフトしました。軽量化、サイズの絞り込みとともに、『躍動と凝縮』をテーマにして本場欧州でも存在感を放つスポーティさを前面に訴求した、カタマリ感あるスタイリングが特徴です」(マツダ)

 その傾向は、形は違えど現行の4代目にも踏襲されています。「デミオ」のみならず、マツダは現在「魂動」というデザインテーマを掲げ、「クルマのデザインに生命の躍動感を吹き込むことを追求している」とのこと。そのため、ほかの車種でも窓の下端が後ろ上がりのラインを描いている傾向にあるといいます。

 前出の自動車メーカー担当者は、国産メーカー全体にそうした「エモーショナル(心を動かされる、躍動感のある)」なデザインの傾向を指摘しつつ、特にコンパクトカーでは窓の下端ラインが後ろ上がりになることが多いといいます。「コンパクトという小さなキャンバスのなかで狙いたいテーマを表現しようとすれば、多少強調されることもあるでしょう」とのこと。

 同担当者によると、後席の乗員が閉塞感を感じたり、安全運転に必要な視界が小さくなったりしないようデザイナーと設計者が調整しているといいますが、様々な要件をすり合わせた結果、相対的に窓やキャビンが小さく見えるようなスタイリングとする場合もあるといいます。一方、窓が小さく見えることについては、側面の衝突安全性を保持する観点から、下端ラインの高さ自体が上がっている傾向にあることも、理由のひとつに考えられるそうです。

 もちろん最近のクルマでも、このようなデザイン傾向に当てはまらない車種もあります。たとえばダイハツ「ミラ トコット」などは、窓の下端ラインも水平です。このクルマは主たるターゲットを「初めてクルマを運転する女性」とし、運転のしやすさ、見切りの良さなどを追求したデザインとなっています。

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(乗りものニュース 編集部)

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