今はなきシトロエンC5はハイドラクティブサスペンションを4輪すべてに採用した最後のモデルだった。そして、2015年の販売終了以降、シトロエンはハイドラクティブサスペンションの技術を捨てず、地道に研究しているというウワサがあった。
そのウワサは本当だった。今回のパリサロンでロードホールディング担当エンジニアより直接話を聞くことが叶った。実はハイドラクティブサスペンションの技術を応用した新たなサスペンションはすでにフェイスリフト後のC4カクタスに採用されているという。とはいえ、同モデルは日本市場に導入されなかったため、新しいテクノロジーはほとんど知られていない。
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この新テクノロジーを搭載し、かつ来年の日本導入が決定しているモデルが「C5エアクロス」だ。
C5エアクロスは、すでに日本でも販売されているプジョー3008、5008らと同じ「EMP2プラットフォーム」を用いるSUVであるが、プジョーと異なる同車の大きな特徴は徹底したコンフォートの追求にある。
デイ・ランニングライトとヘッドライトを上下2段に分けたフロントマスク、ドアサイドのエアバンプ(C5エアクロスのそれはエアなしの飾りだが)など、近年のポップでオプティミストなシトロエンのデザイン・コードは踏襲しつつ、分厚く水平なボンネット、高めのショルダーラインなどSUVの文法もきっちり守っている。
定員は5人。後席は3座独立でそれぞれに前後スライドが可能だし、シートをそれぞれ格納することも出来る。しかもシートのクッションは厚めにとりつつ、包み込むようにサポートするという、まさにシトロエン・ライドの基本に則っているのだ。
誰もが気になる足まわりは、ハイドローリックの乗り心地を保つため、シトロエンはKYBSEと独自の「ハイドローリック・ヴァリアブル・コンプレッション・ダンパー」を共同開発した。KYBSEとはカヤバ・サウス・ヨーロッパの略。「あぁ日本のカヤバなんですね」と、筆者が何気なく言うと、「違う、欧州のKYBだ!」と諭された。つまり日本で開発したものとはまったく別物、と言いたかったのだろう。
そのテクノロジーとは、“ダンパー・イン・ダンパー”だ。最近ではルノー・スポールのメガーヌR.S.にも採用されたことで知られるようになったが、シトロエンのそれはひたすらコンフォート方向の設定となる。
具体的には、ダンパーの筒内に設けられたもうひとつの筒に幾つかの穴を開け、その穴を通して内部の油が流出・流入する速度を調整することで、縮み方、つまり減衰力や減衰速度を調整する。
この仕組みが縮み側・伸び側の両方に備わっているのはメガーヌR.S.のダンパーも同じだが、シトロエンのシステムは、ある程度メインの筒が縮むと、内部の筒に油を完全に閉じ込める蓋のような機構を設けることで、より正確で微細な減衰力コントロールを可能にしたという。
エンジニアのニコラ・ベランジェール氏曰く、「スポーツ向けなら、多少の衝撃を受け入れる余地はありますが、コンフォート仕様はあらゆる状況に対して衝撃を抑える必要があります。だからより綿密なコントロールが必要なんです」とのこと。
ニコラ氏は続けて「シトロエンの足まわりのセッティングは伝統的に、ストローク長を最大限にとりつつ、短い入力に対してはなるべく素早く自由に柔らかく動かしてやり、長いあるいは速い入力に対しては抑えつけるように反応することだ」と、言う。
新しいダンパーの美点は、いうまでもなくハイドロ特有の“柔らかく鷹揚であるが、安心して飛ばせる”といったあの乗り味を再現しやすくなったことだ。昔のハイドロにあったようなセルフレベライザーとしての機能はないものの、電子制御ではないため、あらゆる車種に拡大可能という。
日本仕様のC5エアクロスのパワートレーンは未定であるが、おそらくガソリンおよびディーゼルともに180ps仕様で8速ATの組み合わせになるだろう。これに、新しいダンパーが組み合わされれば、スムーズかつ上質な乗り味が期待できそうだ。
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