消費税がかからないケースを利用し、非課税を悪用する問題も存在する
障がいのある方がクルマを買うと税金面などで減免があることは多くの方が知っていることでしょう。
しかし、福祉車両の消費税についてご存知ではない方は多いと思います。福祉車両の消費税は最初から非課税で、障がいの有無、つまり手帳の有無はまったく関係なく誰が買っても消費税はかからないのです。ただし、お客がこれは福祉車両です……と言い張ってもダメ。消費税が非課税となる条件は以下の2種類のクルマとなります。
1)車いすと車いすの方を乗せられる自動車
車いす等を車両に載せるための昇降装置、およびその車いす等を固定するために必要な装置を装備した車両。
2)身体の不自由な方が運転できる自動車
身体の不自由な方が運転できるように補助手段が施されている自動車。
1)は回転シートなどが付いたクルマに、車いすを収納するためのクレーンと固定するためのベルトが必要。2)の場合は、運転補助装置が装備されたクルマ。どちらも改造する場合は改造費や部品代が消費税非課税となります。クルマごとまとめて非課税にするためには、納車時に条件をクリアしていることが必要です。
この制度を悪用して消費税逃れてクルマを買おうという人がおり、できる限り簡易な仕様で福祉車両に仕立てて、消費税非課税でクルマを購入。実際に使用する際にはその装置を外すなどして使用しているケースもあるといいます。最近はそうしたことがしづらいように、同様のクラスの場合は福祉車両の消費税なしの価格が高くなるようにしたりという対策が行なわれているが、それでも追いつかないことが多い。税金逃れも問題だが、そういうことが起こることで、福祉車両の価格が上昇したり、購入審査に手間がかかったりして、実際に必要な方が買いづらくなることが大きな問題だと言えるでしょう。
その他の税金に関してはどうなの?
自動車取得税、自動車税については身体の不自由な方が所有し、本人や家族(生計同一者)が運転する場合については減免の対象。この2つの税は地方税で各都道府県の税務事務所が担当となります。この2つの税については、基本は身体障がい者手帳や愛の手帳(療育手帳)を取得している方が対象ですが、地域によって多少の違いもあるので、相談したほうがいいでしょう。税務事務所でも相談が可能だが、それよりも市役所の福祉担当で相談する方がベターと言えます。なぜならば、税務事務所では地方税についての相談しか受け付けてくれないが、福祉担当ではさまざまなことを相談可能。二度手間になるとしても、一度は福祉担当を訪れることをおすすめします。
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