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なぜ続く? ホンダ復活車ラッシュ シビック、CR-V、インサイト…次々と国内導入する理由

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なぜ続く? ホンダ復活車ラッシュ シビック、CR-V、インサイト…次々と国内導入する理由

■ニーズ増? 北米向け車で新型攻勢

 ホンダが、日本市場に新型シビックを導入してから1年が経ちました。このシビックを皮切りに、クラリティPHEV、CR-V、そして年内にインサイトと、ホンダはアメリカ市場向けに開発したクルマを次々と日本に投入しています。

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 アメリカ市場向けのクルマはいずれもボディサイズが大きく、日本だと高価格帯に属すクルマたちです。なぜ日本市場にアメリカ向けのクルマを次々と導入するのでしょうか。

 ホンダの国内販売は、軽自動車のN-BOXを筆頭に好調です。しかし、軽自動車の利益率は高くありません。そこで高価なクルマを売って利益率を高めようというのが狙いなのですが、この戦略、成功するのでしょうか。

 ホンダ戦略の第一弾となったシビックですが、販売目標は月販2000台(発売から2年後くらいまでの平均台数をイメージして頂ければOK)。一般的に初期受注が月販目標の数倍。1年後に月販目標台数程度に落ち着き、2年後は下回るという流れになります。

 新型シビックの台数を見ると、2017年10月に登録開始となり、以後販売目標を超えたのは2018年3月の2246台のみ。しかも、売れると考えていた日本の工場で生産しているセダンボディが20%程度しか売れていません。(ヨーロッパ仕様に準じるイギリス工場で生産されるハッチバックの5ドアボディが65%。残る15%はスポーツ仕様のタイプR)

 おそらく販売後2年の平均台数で考えると目標の半分となり、成功に遠い状態といえます。続くクラリティPHEVの販売目標は年間1000台と少ないですが、おそらく厳しい台数しか売れないと予想されます。7月こそ試乗車やバックーオーダーで170台ほど売れたものの、8月は20台に激減。今後30台くらいの販売ペースなら年間400台前後になってしまうと思われます。

 2018年8月に発売された新型CR-Vは、今や売れ筋のSUVということで、日本国内では売りにくいシビックより強気の販売目標を立ててくるかと思ったら、月販目標は控えめの1200台とのこと。ホンダの国内販売、最初から弱気になってしまった感があります。

 ホンダによれば、初期受注こそ月販目標を大きく超えた5000台の受注と発表されましたが、販売現場のセールスマンに話を聞くと、「今は新型車としてTVCMの効果などもあり、足を運んでくれるお客様がいらっしゃいますが、ライバルも多いSUVカテゴリにおいて、大きな飛び道具もなく、価格も高価帯なので半年後に同じ状態が続くかは、微妙かもしれません」との声もあります。

■新型インサイトは発売前から「厳しい」との声も?

 そして最初から「厳しいのでは?」と言われているのが、アメリカでシビックの高級版と位置づけられているハイブリッド専用車の新型インサイトです。アメリカでは案外安くて日本円計算だと270万円スタートとなっており、トヨタのプリウスと同等の価格で販売されています。日本でもこのくらいの価格設定なら売れる可能性もあり得ます。

 ただ最近のホンダの車両価格設定を見ると、日本の方がアメリカより20%程度高い。例えばシビックの場合、アメリカだと225万円スタート。日本は265万円から。CR-Vも280万円スタートのアメリカに対し、日本仕様だと323万円。新型インサイトは320万円程度になると予想できます。

 前出のセールスマンは、「新型インサイトは、なぜシビックハイブリッドではなく、『インサイト』なのかと、ネットニュースなどを見たお客様からも質問されます。日本でインサイトは、安価なハイブリッドカーとして2代目が登場しており、上級ハイブリッドカーというイメージがついてないので、お客様の反応が気になります」といいます。

 他のメーカーを見ると、海外でも売る同じ車種なら日本の価格の方が安いか、高くても同等。ホンダだけは日本で生産しているのに、アメリカより高い設定がされています。もちろん、まったく同じ仕様ではなく日本向けに変更されている部分はあります。しかし、自動車だって「商品」。価格と内容が釣り合わなければユーザーだって魅力を感じません。アメリカ向けに開発したホンダ車は日本だと割高になっています。

 ちなみにホンダは、アメリカ向け車の国内導入攻勢をかける前に東南アジア向けの『グレイス』(フィットの4ドアセダンモデル)と、中国向けに開発した背の低いミニバン『ジェイド』を日本に投入し大失敗しています。現在、日本市場で売れているホンダ車は、軽自動車のN-BOXと手頃な価格で買えるフィット、ヴェゼル、フリード。ホンダは国内戦略の大幅見直しが必要な時かもしれません。

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