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IAA CV2018プロローグ トラック、バスにも自動運転、EV化の波が押し寄せている

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IAA CV2018プロローグ トラック、バスにも自動運転、EV化の波が押し寄せている

【2018IAA商用車ショー見聞録】

モーターショーはクルマ好きにとって一つの関心事だと思うが、商用車にもモーターショーが存在している。日本の東京モーターショーでは商用車も同時開催されているので、トラックの展示を見た人も多いだろうが、ドイツ・ハノーファでは、トラック、バスに限定したモーターショーを開催している。そこでは乗用車と同様にEV化、自動運転、コネクテッドが各社から提案されていた。さらに、仕事で使う働くクルマだけに、これらの革新的技術がビジネスメリットを産む、ということが明確に展示されていたので、興味深い。

クルマはなぜモデルチェンジをするのか?


そもそも、この革新的な「クルマの産業革命」と言われるパラダイムシフトは何故始まったのだろうか。以前にもレポートしているが、その正確な理由は不透明ながら、人口シフトによる都市の変化、メガシティ化していくことが社会学の立場から言われたのがきっかけとされている。

そこから、地球温暖化の問題や化石燃料の枯渇などが叫ばれ、京都議定書により具体的な数値が掲げられたことで、CO2の排出量や、NOx、PMなどの問題がクローズアップされ始める。それらの環境汚染に対して、北米のZEV規制などが始まり、EV化、コネクテッド、自動運転の技術革新が加速したという流れだろう。

こうした新しい動きは、自動車産業にとどまらず、人工知能の開発やコンピューター技術、高精度地図の開発、レーダーやレーザー、カメラによる画像のスキャニング技術、解析技術、それに伴うアルゴリズムや得たデータのデータマイニングからのニューラルネットワーク、そしてディープラーニングなどの開発が進められているというのが現状だ。


従って、他業種からの参入が相次ぎ、自動車産業自体の変化も起こり始めている。フォードは乗用車から撤退しトラック、バスメーカーになると宣言したり、トヨタはMaaSと言われる自動車配車サービスへ注力していくと発表したり、自動車産業そのものが、製造から販売というスタイルでの商業でなくなりつつあるというわけだ。
 

トラック、バスへの波

この流れは乗用車だけではなく、もともと商業利用されているトラック、バスにも大きな流れが押し寄せているのは、ある意味当然のことなのだ。

ただし、乗用車と大きく異なるのは、この変革への対応理由が、商用に役立つかどうか、が重要になっている点だ。乗用車はEV化や自動運転、コネクテッドは便利になる、楽になる、事故がゼロ、排出ガスがクリーンに近づく、などの理由からアプローチしているが、トラック、バスでは、利益につながるのか?ということが重要視されている。


これは当たり前のことでもあるが、偽善的でもなければ、大上段に大儀を掲げているわけでもない。しかし、そうしていくことで、ゼロ・エミッションにつながるし、事故ゼロにもつながっていくわけで、乗用向けよりも実用化は商用車用のほうが速いのではないか?という予測もできる。
 

EV化とコネクテッド、自動運転

トラック、バスにおいて革新技術のトレンドは、コネクテッドで、これが最も重要視されていると言ってもいいだろう。しかしその意味は車両管理という意味合が強く、乗用で言う常時接続による利便性の重視とは少しベクトルが異なっている。この詳細はZFの商用車事業部ADASビジネス開発ダイレクターのマーティン・マイヤー氏にインタビューをしているので、別記事で詳細をお伝えしよう。

そして、EV化は主に路線バスにおいて激しく変化が始まっていた。路線バスは走行場所が決まっているため、走行距離に応じてバッテリーのサイズが決められる。また、充電設備もバスの車庫での充電だけでなく、停留所での充電や、架線を使ったトロリー式も展示している。


また、完全なEV車の展示やハイブリッドも展示されていた。日本とは異なるものに、CNGやLNGを使ったトラックの展示も目立つことだ。これは、欧州内のパイプラインが充実していることと、燃料が安いという理由からで、ディーゼルの次に来るのは、モーターとガスという流れになっているようだ。

トラックならではの面白さとして、トレーラーの荷台にモーターを装着して、トラックヘッドがなくても自走できるものや、トラックヘッドそのものにキャビンがなく完全自動運転するコンセプトモデルなども興味深い。


こうして乗用向けとは異なるアプローチのものも多いが、さまざまな革新技術が同時多発的に起きているわけで、商用車の動向も重要だということが良く理解できた。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>
 

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