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業界ニュース 2018.10.3

次世代のクルマを予感するコンパクトSUV──レクサス新型UX海外試乗記 Part.1

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レクサスのラインナップにおいて、UXはボトムを担うべく新たに加わるモデルだ。が、それは単に小さく廉価なクルマというわけではない。レクサスはUXに、次世代に望まれる乗用車のスタンダードを示そうとしている。

それすなわち、街中から郊外を気兼ねなく走りまわれる地上高や、乗り降りのしやすい着座位置、ちょっと先まで見通せるアイポイントといったSUV的な美点をいかにオンロードカーの動的感覚にスマートに織り込んでいくかということになるだろうか。

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泥道の側から一歩退けた、SUVとは微妙にコンセプトを違えるクルマを指して“クロスオーバー”などと呼ぶことも多い。が、近い将来はそういう垣根も取り払われ、UXのようなクルマが都市の日常づかいでの当たり前になると彼らは踏んでいるわけだ。

カテゴリー的にはCセグメント相当となるUXは、たとえばVWゴルフに比べるとひとまわり大きいものの、全高は4WDでも1550mm以下に抑えられている。日本的な尺度でいえば立体駐車場にも対応しながら、降雪など不意の荒天でも高いロードクリアランスを利して普通のクルマよりは機動力があるということになるだろうか。

ラインナップは標準系とFスポーツ系の2つに大別され、各々にハイブリッドとガソリンという2つのエンジンを用意する。いずれも高速燃焼の概念を取り入れた最新の設計となるもので、熱効率は40~41%と自動車用内燃機においてはトップクラスの高効率を誇る。併せてシャシーも「GA-C」と呼ばれる最新のアーキテクチャーを採用しており、レーザーウェルディング溶接や構造接着剤の多用、そしてボンネットやドアパネルなどのアルミ化などによって軽量高剛性化を果たした。

UXのプロポーションは普通のクルマよりも“ちょっと背が高いな”という程度で、路上でもいかにもな威圧感は薄い。一方で乗る側にしてみればSUVがもつ“護(まも)られ感”は大きな魅力であるため、チーフエンジニアに求められたこの二律相反を形でどう両立するかにデザイナーは苦心したそうだ。

こうして誕生したエクステリアデザインは、今日のレクサスとしてはシンプルに映りながらもボンネットやボディサイドには塊感を強調する力強いテクスチャーがくわえられ、結果的にそれが前端や車幅の把握しやすさにも繋がっている。

インテリアデザインでもすっきりした印象と力強さの両立を大事にしているようだ。シボやメタリックなどの加飾要素を絞ってすっきり見せつつ、ダッシュボード全体を低くみせて開放感を演出する。

一方でメーターナセルやセンターモニターを跨ぐダッシュアッパーには和紙の風合いを再現したフィニッシュを用いるなど、ユニークな試みもくわえている。ウインドウスイッチをはじめとした操作系や、カップホルダーなどのポケット類を極力前方に配した意図は、小柄なドライバーが運転しやすいポジションを採っても、あらかたがそのリーチ内にあることを目指したがゆえ。トヨタ全体でも初となる女性チーフエンジニアらしい気配りは、後述する走りにもしっかり現れていた。

SUVらしかぬ走りの良さ

日本市場での主力となるであろうハイブリッド仕様は、最新の2.0リッター直噴直列4気筒ユニットをベースに出力特性をハイブリッド向けに最適化した。結果、モーターとの組み合わせで約178psの総合出力を発揮する一方、実用的な走行状態に近い状態で計測するWLTCモードで22.8km/Lの燃費をマークする。言わば2.0リッター~2.5リッター級の力強さと1.6リッター級の効率を併せ持つということになるが、もちろん特性的には一長一短あるわけで、ドライバーの嗜好や使い方によっては、ハイブリッドがいいとこ取りとはいかないところもある。

ただし、この新しいハイブリッドはモーターのカバー領域を増やしエンジンの稼働を抑え、アクセル操作に対してもリニアな加速が得られるなど、従来ネガティブに捉えられていた面が目に見えるかたちで改善されていた。回生と油圧のブレーキ協調も見事に躾けられているあたりは、20年以上前から電動化を実践し続けてきた会社のなせるところだろう。

今回の試乗では街中から高速道、郊外路を交えた約80kmのコースを時折活発に走ったが、マークした燃費は約20km/L。ディーゼル級の数値をハイブリッドならではの静粛性と両立しているとあらば、UXのハイブリッド仕様は日本のみならず欧州でも存在感を高めることだろう。

ならばガソリン仕様はUXの廉価帯を担うのみの存在か、といえばそんなことはない。高速燃焼の概念を取り入れた2.0リッター直噴直列4気筒は単に燃費狙い一辺倒のエンジンというわけではなく、自然吸気ながらリッチな低中回転域トルクを武器に、ダウンサイジングターボにも劣らない力強さでUXを活発に走らせる。そこから高回転域にかけての素直な吹け上がりや自然吸気ならではのパワーの伸び感などは、効率重視で表情を失いつつあるクルマのエンジンにあって、スポーティと称しても差し支えないほどだ。

そして組み合わせられるCVTもこの気持ちいいエンジンの特性を充分に活かせるダイレクトなレスポンスと伝達力を備えている一方で、微妙なアクセルワークにも回転を無様に高めることなく、トルクをしっかり活かしてじわじわと加速させることも可能だ。

ちなみに前述の試乗コースをハイブリッド仕様と同じような走り方でマークした燃費は約16km/L。ハイブリッド仕様より確実に安価となる値付けのことまでも考えると、むしろUXで買いなのはガソリン仕様ではないかとも思えてくる。

また、UXはハンドリングにおいても素直さが全面に押し出されている。操舵に対する唐突な応答感や過剰な切れ込みといった味付けの強さはなく、すっきりとしたもの、前方視界情報に沿って自然にステアリングを切れば自然にクルマが反応してくれる……といったフィーリングづくりを大事にしているのだろう。かといってドライブフィールが退屈なわけではなく、ワインディングでは車高の低い普通のハッチバックも舌を巻くほどの敏捷性も垣間見せてくれた。

このUXの走りのキャラクターを、インテリアの部分で先述したとおり“女性的気配り”になぞらえてしまうのは安直だろう。思い通りにクルマが応えてくれることは誰にとっても気持ちがよく、スポーティとも同義だ。そういうユニバーサルな特性のクルマを手掛けたチーフエンジニアがよくあるオッさんではなくたまたま女性だったということで、そこに何か特別なものがあるのでは……と期待すること自体が、ジェンダーフリーの概念から乗り遅れた今や哀れな身のなせる妄念なのかもしれない、と新型UXに試乗して思うのであった。

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(GQ JAPAN 渡辺敏史)

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