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業界ニュース 2018.10.3

歩行者扱いって知ってた? ハンドル形電動車いす=シニアカー、周りも注意してあげたい走ると危ない場所

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種類や道路上の扱いや危険性は?シニアカーの疑問にお答えします

道路上の扱い、どんな種類があるのか、便利である反面、危険性や事故はないのか。そしてどんな事例が多いのか、などを分かりやすく解説します。

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おじいちゃんおばあちゃんが乗っているハンドルの付いた椅子型の乗り物、なんというか知っていますか?一般的に電動カートやシニア(セニア)カーなどと呼ばれているこの乗り物、日本工業規格(JIS)では「ハンドル形電動車いす」、道交法では「原動機を用いる身体障害者用の車いす」という呼称がつけられています。 電動だし、たくさん車輪もついているし、クルマの一種で、車道の端を自転車と一緒に走るものじゃない? と思っている人もいるかもしれません。しかしあの乗り物は車いすの一種なのです。つまり道交法では歩行者に入ることになります。かいつまんで、その規定を上げると以下のとおり。●全長:1200mm以内/全幅:700mm以内/全高:1200mm以内(ヘッドレスト除く)●原動機として電動機を用いる●6km/hを超える速度を出すことができないこと●歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと●自動車又は原動機付自転車と外観を通じて明確に識別することができることこのようにスティックタイプのコントローラーで操縦する電動車いすと同じように、最高速は6km/hに抑えられており、動力も電動というところも共通点です。 大きく異なるのは、自転車やスクーターに似たハンドルが付いていること。そしてその多くは前方にカウルが付いており、買い物を入れることができるバスケットが装着されていることです。そして、乗り手は高齢者がメイン。近距離の移動はどうにかなるものの、足腰が弱くなって少し離れたところに行くのはツライといったような時、足代わりに使用されることの多いようです。

取り扱いメーカーは、多岐に渡ります。ホンダ、スズキといった2輪&4輪メーカーのほか、福祉機器系のメーカーがリリースしている、またはOEMで自社ブランドの名称で販売しているものもあります。ちなみにヤマハは現在はラインアップがありません。

【シニアカーの選び方】

デザインの特徴

ひとくちにシニアカーと言っても、各車とも特徴があります。基本的には、いずれも4輪がボディの四隅に配置され、26センチから30センチ程の外径を持ったタイヤを囲むように泥除けがついており、前カゴが標準装備、肘掛けと背もたれの付いたシートに座り、足を揃えてフロアにおくことができるデザインです。

その中で、ボディを覆うカウルが少ないタイプと、全体を覆うようなタイプ、ボディの配色などに違いがあります。くわえてヘッドライトなども、丸目でどちらかというとクラシックな雰囲気や、カワイイ雰囲気をもったものから、異型ライトを使用した近未来的な雰囲気のものまでバリエーションは豊富。また、各々の装備の違いというと、例えばシートが回転して乗降がしやすくなっているモデル、左右輪が個別のモーターで制御され小回りが効くタイプなどがあります。一般的なシニアカーではステッキや松葉杖のホルダーがオプションで用意されていますが、さらに酸素ボンベキャリーラックを装着できるモデルまであります。

機能的な選択ポイントは大きさと連続走行距離

機種バリエーションがあるメーカーの場合、ざっくり言って「大きさ」と「連続走行距離」の違いを軸にみていくと分類がしやすいです。

大きさが関わる主な要素は「使用者最大体重」と「最小回転半径」

シニアカー全般を俯瞰すると、大きい機種の方が体重が重い人にも対応していることが多いです。またこの最大重量は荷物の重さも含まれますから、買い物で飲料をケースで運ぶことがある、医療機器などを一緒に積んで移動することがある場合などは、注意が必要です。

最小回転半径は原則サイズが大きいほうが大回りだが……

最小回転半径はハンドルをいっぱいに切って、その場でUターンする場合に必要な道幅のこと。一般的に幅が狭く全長の短い車種の方が有利なことが多いです。ただし幅が狭い機種は、狭いところを走りやすい半面、ハンドルの切れ角が少なくなっている場合もあるので、最小回転半径はそれほど小さくない場合もあります。このあたりは使用する環境で選択するのがベター。ちなみにハンドルの舵角によって自動的にスピードコントロールしてくれる機種もあります。

連続走行距離は持久力とも言える

そして、使い勝手の点で気になるのが連続走行距離。これは距離として表現されていますが、その機種の持久力ともいえる部分もあります。なるべく持ちの良い機種を選びたいと心理になりがちですが、連続走行距離の長い機種は、価格も高くなりがち。また重さが重くなることも注意点のひとつになります。 使用環境を思い返してみて以下の条件の多くが当てはまるなら、必ずしも連続走行距離が長いタイプを選択する必要はありません。

・体重が軽い ・荷物が軽い ・平坦な道が多い ・移動距離が短い ・充電がしやすいこの中でいくつか当てはまらないものがあるならば、連続走行距離が長いタイプを選ぶ方がよい場合もあります。 ただし、連続走行距離が長いものはバッテリーサイズが大きく、本体重量も重くなります。坂を登るシチュエーションなどではパワーが必要な分、消費電力量が増えるのはいずれも同じ。他の条件が同じならトータルで重い方が消費電力自体は多くなり、それをバッテリーサイズで補うということになります。最終的には、具体的な使用環境をまとめておき、ノウハウのある販売店と相談して決めるのが確実でしょう。

【シニアカーの運転の仕方】

最新の操作系の仕様は、おおむねハンドル内側にあるアクセルレバーを握る(押し込む)と進み、アクセルレバーから手を放す(中立に戻す)と停止するというタイプが一般的です。

ハンドル外側にあるブレーキは、電磁ブレーキを解除しニュートラル状態になった時や、万が一電磁ブレーキが故障した場合などに使用します。機種によっては、ブレーキレバーを引いて停止した場合「緊急停止しました」の音声が流れるものも。

また、アクセルレバーはぐっと握ると緊急ブレーキになるようになっています。シニアカーには、車道を自動車やオートバイと同じように、ヘッドライトやウインカー、ポジションランプ、反射板といったものが装備されており、灯火類は必要に応じて使用します。

【シニアカーの運転時の注意点】

原則的に歩行者のそれと同じ

前述の通り、シニアカーは歩行者の扱いになります。ですから、対応すべき信号は歩行者用。また、標識についても歩行者用標識に従うことになります。 歩道があれば歩道を、なければ右側の路側帯を走行。もし、歩道も路側帯もなければ道路の右端を走ります。ただし、状況次第で安全に走行できる側を選ぶことになります。

走行する時に気をつけるべきこと

シニアカーでの走行において注意すべきことといえば、第一にそれなりに重量があること。たとえば、本体の重量が100kgの車種で、使用者の最大重量が100kgの場合、トータルで200kgになります。軽いモデルと使用者の組み合わせでも容易に150kgオーバーに。そこで問題になるのが、いざという時に、使用者がひとりで支えきれる重さではないということです。

重いので避けたいのは傾くこと

よって、極力避けたいのが、シニアカーが傾く状況になること。これには上り下りのある坂道も含みますし、道が左右に傾斜している状態も含みます。 

なかでも4輪の高さがバラバラになるのは非常に不安定になるので、意識して避けるべき。たとえば段差を乗り越える際などに斜めにアプローチすると、前後方向で斜めになり、かつ左右方向でも斜めに進むことになります。これによって著しく安定を欠くことになるのです。段差を超えるのは仕方がないとしても、できるだけ真正面から段差に向かい、左右の車輪が同時に段差を上がるくらいの角度で進むべきです。おおよそ、この4輪の状況を把握することがシニアカーを扱う上で大切なこと。さらに難易度が高いのが踏切。坂道状の上り下りがあることも多く、かつ路外への脱輪や線路へのタイヤのはまり込みなどの可能性もありますから、無理して端にはよらず、真っ直ぐに走ることが必要です。避けて脱輪では使用者本人も危ないばかりか、周りにも多大な迷惑をかけてしまう可能性があります。できることなら多少遠回りしても踏切をルートから外すことを検討するのも賢い選択なのです。

交通の中に入って注意すること

そして交通手段としての注意点は、道路交通法上で歩行者とされているということ。右側通行で歩道を走行するのがデフォルト。ただし、ほかの歩行者や自転車、自動車の運転手……いずれもがシニアカーのことを確実に歩行者と認識して対応してくれるとほど、現在の状況では理解が進んでいるとは思えません。シニアカーの最高速度として定められている時速6km/h(未満)は、分速100m/h。不動産屋の駅徒歩●●分という時間表示の目安である歩行スピードが分速80m/hですから、電動で静かに早足と同じかそれ以上のスピードで近づいてくるシニアカーは、一般の歩行者を驚かせる可能性を秘めています。そこで必要になるのは、丁寧な走行。 具体的には、歩行者から危険な乗り物であると思われないような走り方をすること。詰められる間隔でも詰めない走り方も肝要です。特に商業施設など、通路が狭いところでは速度も落とし、余裕のある走行を心がけましょう。

専用の任意保険も用意されています

また道交法では歩行者ですから、ほかの歩行者と接触があった際に、もし加入していても自動車保険などの適用はありません。ボディなどの破損などのほか、他者を巻き込んだ事故の際の賠償を含んだシニアカー向けの任意保険がありますので、加入を検討をしてみるべきでしょう。

安全運転のための情報が各メーカーから発信されています

シニアカーのメーカーは各社とも、安全運転のための情報がWEBサイトやパンフレットとして用意しています。いずれもよくまとまっていますので、走行前に目を通しておくと心づもりが違ってくるかも知れません。ちなみにスズキのWEBサイトは「安全運転の手引きムービー」という動画リンク集があり、具体的に危険なシチュエーションや乗り方を挙げて紹介。たとえば、時速4km/hのシニアカーが道幅6mの道にある横断歩道を渡り切るのに5.5秒かかることを提示。その上で、時速50km/hで接近してくるクルマは5.5秒で77m進むという計算をして、横断しはじめるときに向かってくるクルマがいれば、渡るのは難しい……といった解説がされています。コレはいずれのメーカーのシニアカーを購入した場合も確認しておけると、走らせ方など全体な流れがイメージしやすくなります。

【シニアカーで公共交通機関を利用するときは】

公共交通機関を利用する際の注意点

歩行者として扱われるといっても、いまのところ無制限にどこでもいけるかというと、実は難しい部分もあります。それなりに、重量もサイズもあることから、公共交通機関でもその扱いが会社ごとに異なっているのが現状なのです。

今年度より鉄道利用の要件が緩和へ

鉄道については、国土交通省による鉄道を利用する際の利用要件の緩和があり、平成30年4月1日より運用が開始されています。現在は使用者についての制限は撤廃され、シニアカーについてサイズと回転性能についてが規制されているのみとなりました。とはいえ、たとえば鉄道でも都営地下鉄大江戸線の全駅対応等でほかの車いすと同様の扱いとする機関もありますが(乗降等で介添が必要な際は申し出る)、鉄道会社や路線によっては乗り込める駅やルートが制限されていたりする場合もあります。バスも会社によって乗車の可否が別れています。

インフラの刷新までは仕方ない部分も

これは嫌がらせでも何でもなく、現状の交通インフラが古いものをベースにできていることから、比較的新しい乗り物であるシニアカーに対応し切れていないという状況であるといえます。またバスなどは、もし乗り込めたとしても、バスに乗れる中では群を抜いて最小回転半径が大きくUターンがしにくいシニアカーは、バス側になんらかの対策をしなくては、物理的に載せられても実用に則さないという見方もできます。ちなみ現状、バリアフリー新法で定められたスロープの耐荷重は250kg。自走ができるのでケースとしてはあまりないでしょうけれど、もし万が一サポートしてくれる人が必要になった場合、一緒にスロープに載るとアウトということも。またバスなどで車いすなどを固定する固定装置への対応も必要となってきます。

WEBなどでリサーチするのがスムーズな移動の一助になりそう

なお「らくらくおでかけネット」というサイトで、鉄道各社のセニアカー利用可能駅情報がPDFにまとめられています。同サイトでは経路探索の結果からエレベーターなどの情報を取得できるコーナーもあります。

らくらくおでかけネット: http://www.ecomo-rakuraku.jp/

こういったサイトのほか、製造メーカーや交通機関などから発信されている最新の情報も活用しつつ、アクティブに出かけていきましょう。

カチくる古川教夫:クルマとバリアフリー研究家。基本は自動車雑誌編集&ライター&DTP/WEBレイアウター。かつてはいわゆる徹夜続きの毎日だったが、現在は娘さんの介護をしながら9割9分の在宅ワーク。自動車系WEBサイトのアンカーや新製品情報のまとめ、ライフワークであるロータリー関連の執筆活動等を行いながら、介護経験から見る福祉制度と福祉車両の世界をつづる。2017年2月に福祉車輌取扱士の資格を取得)

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(Auto Messe Web 『Auto Messe Web編集部』)

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