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業界ニュース 2018.9.30

現代に蘇った往年の名車──トライアンフ・ボンネビル。 販売好調の“トラ人気”はやはりスタイリングにあった!?

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「トライアンフ」と聞いてイメージするのはどんなマシンだろうか? 現行世代を知るライダーは3気筒エンジンを搭載したスポーツバイクと答えるだろうか? はたまたストリートトリプルや、登場が噂される新型スーパースポーツマシンなどが興味の対象になるだろうか? しかし、年齢層の高い方々にとっては、名優スティーブ・マックイーンが映画『大脱走』で駆っていたシンプルな単車らしいスタイリングの空冷並列ツインモデルを想像するのではなかろうか。

大英帝国が誇るトライアンフの活躍が華々しかったのは50年代から60年代頃。販売だけでなく、レースシーンにおいても数々の栄光を獲得、多くのバイクメーカーにも影響を与えたブランドでもあった。しかし、トライアンフの道のりは決して平坦ではなかった。日本製バイクの台頭による衰退。幾度にもわたる倒産と再生。そして、1990年に英・ヒンクレーで復活し、こんにちにいたるのが新生トライアンフである。

    世界中で人気沸騰中のネオレトロ系──ドゥカティ・スクランブラーのリッター最高峰モデルを駆った。

絶対性能で戦うことではなく、オリジナリティ溢れるマシンでの勝負を選択したかのように思われたトライアンフが、2001年、往年の名車の名を冠してリリースしたのが空冷並列ツインエンジンを搭載した、ボンネビルシリーズであった。新車状態で既にビンテージ風味のルックス。マックイーン世代のチョイ悪系オヤジ達にはもちろん、おしゃれに敏感な若者にも人気を博してきた。

しかし、個人的にはこのマシンから期待した走行性能は感じられなかった。排ガス規制等により、昔のような歯切れの良さや鼓動感は影を潜めている。それでいて、車体はそこそこに高荷重設定(これは長所でもあったのだが)なので、バランスのちぐはぐさを感じたりもしたのだ。決して当時の雰囲気を感じるためだけのハッタリバイクではないという意気込みは感じられたものの、「蘇った名車!」というには何かが不足していたように思えたのだ。

そんなボンネビルシリーズも環境問題に適応できなくなったのか、2015年にいよいよ生産中止となり、変わって翌年登場したのが新生ボンネビルシリーズである。エンジンが水冷となったことが最大のトピックだったが、車体も完全なる新設計となり、ライドバイワイヤ、トラクションコントロールの採用等、フルモデルチェンジに相応しい内容となっている。現在、ボンネビルシリーズは900ccと1200ccの2つのエンジンがあり、そのなかでスタイルの異なるいくつかのバリエーションを展開している。今回は、その新生ボンネビル、第1弾となったストリートツインを紹介したいと思う。

前述の空冷シリーズで肩透かしを喰らっていた僕は、正直このマシンに大きな期待はしていなかった。しかし、その予想は良い意味で裏切られた。スタイリングはシンプルな、昔ながらの単車風味。水冷エンジンながら、まるで空冷エンジンのような外観がポイントであるし、フューエルインジェクションのデザインを旧いキャブレター風に仕上げているのも自然で、うまくクラシックなデザインに溶け込んでいる。

エンジンを始動すると、しっかり消音されながらも存在感のあるサウンドを奏でる。そして、クラッチミートした瞬間から湧き上がる優しいトルク。それは思わず顔がほころんでしまう心地の良いもので、嫌みのない鼓動感がそこに深みを与える。エンジンは水冷。そしてFI(フューエル・インジェクション)という、懐古主義のライダーが敬遠する無機質な要素をはらんでいる。しかし、このエンジンはそんなネガティブな要素を全く感じさせない味わい深さをもっている。むしろ、排ガス規制に対して頑張っていた空冷時代よりも余裕を持つことが可能になったためか、フィーリングの向上に力を向けることが可能になった印象だ。

さほど回転をあげることなく、ポンポンとシフトアップして低回転域で鼓動を感じながら走らせる心地良さ。無意味に回転数を上げ下げするような走り方に意味があるのかと思わせてくれる。それだけでなく、回そうと思えば意外なほど高回転までスルリと良く回り、それが苦しそうな類のものでないのもポイントである。大は小を兼ねることも多いのだけれど、このストリートツインのエンジンは、この排気量だからこそ楽しめる魅力的な要素がたくさんあるのだ。

さらにこのマシンが素晴しいのは、しっかりスポーツライディングも楽しめてしまえる点にある。車体の剛性は十分で不安感がないのはもちろん、フレームには適度なしなりもあるためフィードバックが豊富である。18インチのフロントホイールの大らかながら手応えのあるハンドリングも良い。もちろん、ラップタイム的な速さでは純粋なスポーツバイクには比べるべくもないのであるが、その軽快で把握しやすいハンドリングで、目を三角にしないでスポーツできるポテンシャルがあるのだ。限界付近に近づいたことがわかりやすいこともあって、むしろ自信を持ってライディングすることができる。

所有すること。認識してもらうこと。そして走ることにも満足。と、欲張りな要求にしっかり応えてくれるポテンシャルがある。1200を含む、このモダンクラシックシリーズの販売が好調だという。仰々しくなく、ライフスタイルにスッと馴染みやすそうな存在であることは確かだ。

カッコだけで選んで後悔する。じつはそんなマシンもないわけではない。たいしてストリートツインは、そんな要素とともに、バイクが持つ操る楽しさ、スリル等を日常的に感じることが堪能できるマシンであることがリアルライダーとしては非常に嬉しい。個人的には大昔のボンネビル同様、この新世代マシンも立派な名車であると感じるのだ。

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(GQ JAPAN 鈴木大五郎)

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みんなのコメント

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  • car*****|2018/09/30 11:10

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    先日、ツーリング先で止めてある現物を見ましたが
    マフラーの形状や表面の仕上げなど質感があって良いなと思いました。

    全体のフォルムもバランスが取れていて懐古主義ではなくても
    単純にオートバイとしての魅力があるので全盛期のトライアンフを
    知らない世代にも受け入れられるんでしょうね。
    個人的にはやはりメーターは2つ並んでて欲しいですが。

    この売れ行きに触発されてカワサキもWの復活を計画してたり?(笑)

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