編集部にカジャーがやってきてからもうすぐ2カ月。走行距離は約4500kmに達しようとしている。長期リポートとしてはまだまだ走り足りないが、試乗会や広報車チョイ借り出しなどではわからないカジャーの本質が、少しずつ見えてきたのも事実だ。ひとまず、現時点で判明したカジャーのマルとバツを簡潔にレポートする。レポート日:2018年9月28日オドメーター:9404kmTEXT&PHOTO●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
試乗と所有では得られる情報量が違う
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編集部にルノー・カジャーがやってきてから早くも2カ月が経とうとしている。納車時のオドメーターは4985kmで、本日の時点で9404kmだから、この2カ月で4419kmを走ったことになる。
複数の編集部員で共有しているゆえ、ひとり当たりの走行距離は自ずと少なくなるが、それでもメディア試乗会や、広報車借り出しによる試乗よりもじっくり濃密にカジャーとつき合えていることは確かだ。
ここでは、ひとまず2カ月を経た現時点でわかってきたことを簡潔にレポートしたいと思う。
カジャーのマル
1.丸っこいデザインの割りには車両感覚が掴みやすい。運転席から見ると、ボンネットの両端が盛り上がっていて左右のフロントタイヤの位置がわかりやすいのだ。リヤフェンダーが盛り上がっていてサイドウインドウの天地を狭めているように見えるが、室内から見るとさしたる問題にはならない。
2.燃費がいい。昨日、キャデラックの試乗会のために新宿~河口湖を往復したが、燃費は16.1km/Lだった。全行程の8割ほどが高速道路だったとはいえ、残りの2割の一般道ではストップ・アンド・ゴーの繰り返しで、アクセルを深く踏み込む場面も多かった。車重1.4tのクロスオーバーとしては満足のいく数字だ。レポートVol.2では当サイトの編集局長が都内から長野県のビーナスラインまでを往復して12.6km/Lといまひとつ伸び悩んでいたが、筆者は都内でも11km/Lを下回ったことがない。局長の運転がよっぽど荒いのか、筆者の運転がウルトラスムーズなのか……私もサラリーマンなのでこれ以上は深追いしないことにしよう。
3.シートがいい。最初から予想はしていたが、やはりルノーのシートはハズれがない。早く1000km級のロングドライブで本領を発揮させてみたい。
4.お値頃感が強い。カジャー・インテンスの価格は347万円だが、MFカジャー号を見た人、同乗した人のほぼすべてが「400万円くらいでしょ」と言っている。今さらクルマで見栄を張りたいわけではないが、実際の価格よりも高く見えるのは悪いことではない。
カジャーのバツ
1.低速時の足まわりのマナーに少々の難あり。路面が荒れていたり、首都高速の目地段差を越える際などに、車体がユサユサッと揺すられるような動きを見せる。なんとなく、タイヤの空気圧が高すぎるときのような挙動なのだ。ただし気になって計ってみると、空気圧は適性である。19インチのホイールが大きすぎるのか? 筆者の感覚的には17インチでもいいくらいだが、ひとまず18インチを試すことができないか画策してみたい。いずれにせよ、サスペンションよりもタイヤかホイールに原因があるような気がしている。ちなみに60km/hを越えるくらいから見事にフラットでまろやかな乗り心地になる。
2.冷間時のDCTの作動に滑らかさが足りない。一日の最初にエンジンを掛け、走り出した後しばらくの間のDCTのクラッチ動作が少しギクシャクする。唐突につながって出足が期待以上にアグレッシブになったり、赤信号などで停止する直前にブレーキを少し抜くと、そこでクラッチがつながってグンっと前進(ごく僅かだが)しそうな仕草を見せることがある。しばらく走って暖まればすぐに滑らかになるので、「そういうものだ」と割り切れなくもないのだが……。ミッションオイルの変更などで対処できないものか、こちらも何か策を講じたい。
まだ4500kmしか走っていないので、これからもっと長所、短所が見えてくるはずだ。引き続きレポートをお送りしていきたい。
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