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業界ニュース 2018.9.28

進化の具合は“中身”で知るべし──新型BMW X4試乗記

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力強さや逞しさの演出が大きな特徴である昨今流行のSUVと、流麗さやスポーティさが売り物のクーペとの巧みな融合——まさにそんなフレーズで紹介したくなるキャラクターの持ち主として、X4の初代モデルが発表されたのは2014年の春だった。そのX4が初のフルモデルチェンジを受けて、今年3月に開催されたジュネーブ・モーターショーで披露された。

兄貴分であるX6とともにBMWが“SAC”(スポーツ・アクティビティ・クーペ)という独自の記号を用いてその個性をアピールするX4は、初代誕生から4年余りという異例の早さで、2代目へバトンが渡された。

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かくもモデルチェンジが急がれた理由は定かではない。が、新たに採用されたメカニカル・コンポーネンツが最新X3の内容に準じたものであることを考えれば、「X4も、現行7シリーズに始まった“BMW最新世代ボディ骨格”への刷新を急いだのでは?」と、そんな推測も成り立つというもの。

いずれにしても、いくばくかのサイズ拡大こそおこなわれたものの、基本的なプロポーションは従来型を踏襲する。メルセデス・ベンツからもGLCクーペという追従者が登場した状況を踏まえれば、BMWのデザイン部門が、初代X4で構築した個性豊かなスタイリングに大いなる自信を抱いているのは、間違いない事柄でありそうだ。

日本では、9月6日に発売された新型X4を、アメリカ南東部のサウスカロライナ州でひと足早くテストドライブした。

「何ゆえに、ドイツ車をそんな場所でのテストドライブ?」というのはもっともな疑問。が、もちろんそれには訳がある。

実はBMWでは、この地にアメリカ初の自社工場を竣工し、1994年から現地生産を開始。X5やX6などより大きなモデルとともに、新型X4もこの工場を生産拠点としているのだ。

今回の国際試乗会は、X4の生まれ故郷をベースとしたということである。テストしたのは、日本ではシリーズのベーシックグレードとして設定される2.0リッター直列4気筒ターボエンジン搭載の「30i」と、残念ながら現時点では「日本導入予定ナシ」といわれているツインターボ付きの3リッター直列6気筒ディーゼルエンジン搭載の「M40d」の2タイプだ。

目前に用意された試乗車を見ても、正直、新型らしい新鮮さはあまり感じられなかった。全長が80mm、全幅は40mmほど拡大した一方で、全高はほとんど不変というディメンションの新型は、”パッと見”では従来型の雰囲気を強く受け継いだスタイリングである。

テールランプのグラフィックはもとより、形状そのものも大きく異なるため、リアビューでは新型であることが明白。が、率直なところフロントやサイドビューを目にした限りでは、「あれ? もしかしてマイナーチェンジ?!」と言われても通ってしまいそうな仕上がりだ。

しかし、ドアを開けば紛れもなく「こちらが新型」と判断出来る。ダッシュボードまわりを中心にデザインが大きく変わり、よりモダンでスタイリッシュに映るゆえ。

ちなみに、インテリア各部の仕上がりは、いかにもプレミアム・ブランドの作であることが納得出来る、高いクオリティだった。「アメリカ工場製」と耳にして不安を抱く人は、今でも皆無とは言えないかも知れない。が、X4の生産拠点がすでに四半世紀に届こうという長い歴史を持っていると知れば、ドイツ製に全く劣らない品質が実現されているのも当然、と理解出来るはずだ。

テストドライブの最中、拡大したボディサイズをまったく意に介すことなく扱うことが出来たのは、道幅が広く、どこに出掛けてもゆとりある駐車スペースがあるアメリカという環境ゆえの印象でもあったはず。

中国とアメリカという現在の2大マーケットが、「両国ともに大きなクルマを歓迎する」という状況下にあっては、ボディの肥大化は当然の流れかもしれない。とはいえ、従来型からさらに拡大された全幅に関しては、日本ではちょっと歓迎されざるポイントかもしれない、とも思った。

一方で、「リアシートの足元とラゲッジスペースが狭い、といった従来型にたいする不満点を受け、拡大を決断した」とされる全長とホイールベースの延伸によって、大人4人がそれぞれ相当量の荷物を持ち込んでも、まったく窮屈さを感じないパッケージングを実現したのも確かだ。もっともそれもそのはずで、実はこのモデルのシーティング・レイアウトは、「X3と同一」とのこと。

かくして、ゆったりとしたキャビン空間に、大容量のラゲッジスペースを備えた新型X4は、長距離・長時間の移動をストレスなくこなすGT(グランツーリスモ)的パッケージングの持ち主でもある。

驚きのMパフォーマンス・モデル!

30iへと乗り込んでアクセルペダルを踏み込むと、蹴り出しの一瞬にやや重さを意識させられるのは事実だ。1.8トン超の重量に2.0リッターターボエンジンという組み合わせでは、さすがに「軽々とスタートさせる」ことはできない。

ただしひとたび走り始めれば、その動力性能に不満を抱くことはほとんどない。そんな好印象の背景には、ワイドなレンジと小さなステップ比を両立させた8速ATの貢献も大きい。オーソドックスなステップ式ATの採用によって、微低速でのコントロールが多くのDCT(ダブル・クラッチ・トランスミッション)車より長けていると実感出来る。

さらに感心したのは、しなやかな乗り味と際立つ静粛性だった。前後異サイズの20インチ・シューズを履くテスト車は、時にばね下の動きがやや重く感じられたものの、基本的にはランフラット・タイヤを履くハンディを意識させない。自在なハンドリング感覚と相まって、いかにもBMW車らしいスポーティなテイストでもある。

一方、予想を超えていたのが、工場に隣接するミニサーキット風のテストコースでのチェックとなった、M40dの高度な運動性能。

326psという最高出力もさることながら、680Nmという最大トルクが生み出す瞬発力はまさに圧倒的。同時に6気筒ユニットならではのスムーズさと、ディーゼルであることを忘れさせる静粛性の高さも魅力だった。また、時にドリフト状態にまで持ち込むことが可能なフットワークも、大いに刺激的な仕上がりだったのだ。

もっとも、そんなディーゼルモデルの未導入を悲しんでばかりいる必要もない。なぜなら、日本にはM40dと同様の”Mパフォーマンス・モデル”である「M40i」があるからだ500Nmという最大トルク値こそM40dに見劣りするものの、360psの最高出力はディーゼル・ユニットを大きく上まわるスペック。M40dの実力を知った今、まだテストドライブが叶わないそんなガソリンエンジン搭載のホットバージョンの走りにも、大いに期待したいと思う。

新型X4の良さは、見た目だけでは分かりづらいものの、走らせれば瞬時にわかるはず。アメリカでの好印象が、日本仕様でも得られることを期待したい。

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(GQ JAPAN 河村康彦)

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