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東急と首都高がタッグ! 道路管理システムを応用した鉄道チェック車両がデモ走行

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東急と首都高がタッグ! 道路管理システムを応用した鉄道チェック車両がデモ走行

道路用の計測車を鉄道用の台車に搭載

 東急グループと首都高グループの4社は2018年9月27日(木)、開発中の鉄道保守管理システム「鉄道版インフラドクター」の計測車両を報道陣に公開。伊豆急行の伊豆高原輸送管理センター(静岡県伊東市)で、デモンストレーション走行を行いました。

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 インフラドクターは首都高グループが開発した、道路の維持管理システムです。レーザー計測装置や全方位カメラなどを屋根上に搭載した計測車両が、道路を走りながら周囲の構造物をレーザースキャン。これにより正確な位置データ(3次元点群データ)を取得し、構造物の状態をチェックします。

 これに対して鉄道版インフラドクターは、インフラドクターの技術を鉄道に応用するもの。東急グループの東急電鉄と伊豆急行、首都高グループの首都高速道路と首都高速技術が共同で開発を進めています。

 計測車両は道路用インフラドクターの計測車両を鉄道用の台車に搭載し、これを保守作業用の機関車がけん引。線路を走りながらトンネルなどの構造物をチェックします。今回公開された鉄道版インフラドクターの計測車両は、伊豆急行が保有している鉄道用台車と保守作業用機関車を使用。計測車両の屋根上にはLEDライトを新設し、計測装置も設置の向きを変えるなどして、鉄道施設のチェックに対応した改良が施されました。

 車内の後部席にはデータ確認用の端末が設置されています。デモ走行時に乗ってみたところ、画面に表示された地図やカメラ映像が計測車両の動きにあわせて変化しているのが分かりました。

専用の計測車両は開発される?

 首都高速道路の関係者によると、2台のレーザー計測装置で1秒間に計200万の点データを取得。このデータを地理情報システム(GIS)と連携させることで図面や点検記録を一元的に管理し、異常が発生した部分の早期発見や図面の作成時間短縮、修繕計画の効率化などを図ることができます。走りながら膨大なデータを一度に取得してチェックできるため、人手不足の解決策にもなるといいます。

 鉄道版インフラドクターは9月20日から、伊豆急が運営する伊豆急行線で実証実験を実施し、9月29日までに伊東 伊豆急下田間45.7kmの全線で計測を終える計画。その後は東急線での実証実験が行われる予定です。

 東急電鉄の関係者によると、2019年1 3月ごろに東急田園都市線の渋谷 二子玉川間で実証実験を行い、その結果を見ながら実験の範囲を東急全線に拡大するかどうか検討するといいます。このほか、東急電鉄は鉄道版インフラドクターを新しい鉄道保守システムとして事業化し、ほかの鉄道事業者や海外に販売することも構想。東急電鉄などが運営に関わっている仙台空港でも、空港の維持管理システムとしてインフラドクターの実証実験を行う方針です。

 ちなみに、東急電鉄は電気設備やレールの状態をチェックするための車両(検測車)として7500系電車「TOQ i(トークアイ)」を保有しています。鉄道版インフラドクターが実用化された際に「トークアイ」のような鉄道専用の計測車両を開発する可能性もありそうですが、東急電鉄の関係者は「施設のチェックを行うときだけ、首都高から計測車両を借りるということも考えられます」と話し、専用車両を開発するかどうかは実験の結果を見ながら検討していく考えを示しました。

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