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業界ニュース 2018.9.26

日本のクラシックカーの未来は明るい?GRガレージで初期型トヨタ2000GTを隅々まで堪能

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筆者のセリカLBは愛知トヨタ高辻店のGRガレージで任意保険をお願いしているので、新車なんか買った事が無いにも関わらず時々GRガレージからDMがきます。実は愛知トヨタグループではディーラーメカニックの技術継承の目的で、往年のトヨタ車をレストアしてナンバープレートも取得して公道走行可能な状態で動態保存し、愛知トヨタの各店舗でイベントや販促を目的として展示するという活動をしており、今回は初期型トヨタ2000GTが展示されるということで見に行ってきました。

日本の自動車メーカーも少しづつ変わってきた

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近年、欧米の自動車メーカーはもちろん、日本の自動車メーカーにおいてもヘリテージモデルの保存の重要性が認識され、最近ではユーノスロードスターのリフレッシュプランの第一号車が完成したというのが話題になりました。日本最大手のトヨタからは依然としてヘリテージ部門の創設やクラシックカー用の部品供給再開のアナウンスはありませんが、現行型86ではあえて各パーツメーカーに技術をオープンソースにすることで社外部品の流通を促し、純正、社外品問わず部品の選択肢を増やして10年後も楽しめるクルマを目指したという話があります。モリゾウこと豊田章男社長がDJを務めるラジオ番組「DJ MORIZO HANDLE THE MIC」でも、リスナーからのクラシックカー保護を訴える投書に、「日本も昔のクルマを残す文化ができつつある」と言及したり、未確認ですが、製造廃止になった一部のクルマ(1970~80年代)の部品のオーダーが最近になってまた通るようになったという証言もあり、まったく検討はしていないということは無いようです。

いつみても飽きないデザイン

毎度のことですが、本当に何時間見ていても飽きない流麗なデザインです。トヨタ2000GTを含む1960~70年代の国産車は今でこそ名車として名高く、イベントやディーラーの催事などで見かける事が多くなりましたが、筆者が1960~70年代の国産車に興味を持ち始めた1980年代ではまだまだそのような認識はなく、こういったクルマを目にする機会は現在の方がはるかに多いと感じます。

リアコンビネーションランプは内側の白レンズがリバースランプ、外側の赤いレンズがストップ&テールとウィンカーも兼ねています。このレンズは当時のマイクロバス用の部品を流用したものと言われています。アンバー色のリアウィンカーが義務化されたのは1972年2月、赤レンズがウィンカーも兼ねている、いわゆる「ワンテール」は現在の使用環境では不安を感じるというのは否めません。筆者のスバル360も法改正前の赤一色のテールランプのため、ウィンカーを出していることに気づかれず車線変更時にクラクションを鳴らされるということがよくあります。

それぞれのパーツに歴史がある

トヨタ2000GT愛好家の間で初期型、後期型の識別点でも良く知られる、リフレクターです。初期型は小型の赤い反射レンズが付いているのみですが、後期型では北米基準に合わせて大型化されオレンジのマーカーランプレンズも付きます。

ホイールは当初、英国車風のワイヤースポークを採用する予定だったのが、テスト走行で強度的に持たないということが発覚し、軽量化を優先したいというチームトヨタのワークスドライバー細谷四方洋(しほみ)氏の意向でマグネシウムホイールが採用されますが、後年マグネシウムホイールが腐食するという事例が相次ぎ、現存してるトヨタ2000GTのほとんどが同形状のアルミのリプロ品を使用しているといいます。ちなみにこの件に関しては細谷氏も「トヨタ2000GTのオーナーに申し訳ない事をしてしまった」と語っています。

トヨタ2000GTのホイールはセンターロック式で、センターハブ周囲のボルトは駆動力を伝えるものなのですが、純正工具ではスピナーハンドルをハブナットにはめてハンマーで叩いてナットを締めたり緩めたりするのだそうで、なかには手元がくるってボディをハンマーで叩いてしまったという「事故」もあり、現在では専門店でもトヨタ2000GT専用のセンターロック用レンチというものがあると聞きます。(中には専用の工具を自作した愛好家もいるそうです)

実はあまり知られていないのですが、トヨタ2000GTのフェンダーミラーは初期型のみ外側がクロームメッキ、内側がガンメタの防眩塗装で、後期型は全体がガンメタとなります。

ワイヤー型、スケルトン型といわれるこのワイパーは100km/h以上の速度で作動しても風圧で浮き上がらないためのもので、高速ツアラーとしての証の様なものでもあるのです。プルタイプのドアハンドルと並んで一見初代セリカのワイパーとドアハンドルと形状が似ているため「もしかして共通部品?」と思われることもありますが、セリカのデザイナーである畔柳俊雄氏の話では「偉大な先輩のトヨタ2000GTにあやかって同じデザインにした」とのことで残念ながら(?)互換性はないようです。

クリアレンズの小型のサイドウィンカーも初期型の特徴です。輸出仕様は同形状のアンバー色のレンズで、後期型で大型化されアンバー色に統一されます。

トヨタ2000GT愛好家の間で初期・後期でもっとも意見が分かれるのが、このドライビングランプのデザインかもしれません。一説にはトヨタ2000GTのデビュー当時を知る人は初期型デザインを好み、スーパーカーブーム世代の人は漫画「サーキットの狼」の「隼人ピーターソン」が後期型に乗っていたことから後期型を好むと聞いた事があります。

グリルの中のルーバーの形状はもちろん、トヨタの頭文字「T」を模ったものです。この当時のトヨタはフロントグリルやステアリングホイールのスポークで好んでTの字をモチーフにすることが多く、野崎喩(さとる)氏デザインによるトヨタ2000GTのグリルはより大胆なものですが、残念ながら野崎氏はトヨタ2000GTを最後に住宅部門に移ってしまい、前述の細谷氏は著書の中で「あのまま、野崎さんが自動車のデザインに関わっていたら、ヨーロッパ車みたいにトヨタもクルマを見ただけでどこのメーカーかわかるデザインになっていたかもしれない」と語っています。

左右両サイドのフェンダーの峰は細谷氏の意向で試作一号車よりもなだらかなものとなり、車両感覚がつかみやすい形状となっているとのことです。

懐かしの「排出ガス対策済」ステッカー

ある世代より上の人なら懐かしい「排出ガス対策済」ステッカー。このタイプは昭和43年1月1日~昭和50年3月31日までに登録された車両に貼られるもので、1970年代に入ると世界的に自動車の排出ガスによる大気汚染が深刻化し、日本でも光化学スモッグの発生が社会問題となるのですが、1970年アメリカのマスキー上院議員が自動車の排ガス濃度を1/10に削減するという通称「マスキー法案」(後に事実上の廃案)を提出し、日本では昭和48年より段階的に新型車の排ガス規制が導入され、昭和53年にはついにアメリカでも実現しなかったマスキー法を上回る基準値となり、日本車のエミッションコントロール技術は世界一となります。

実は日本の排出ガス規制、あまり知られていないのですが当時の新車だけでなく、使用過程車にも適用され、未対策車でもデスビ調整やバキュームによる進角調整デスビに変更するなどの排ガス対策が義務化され、整備工場の現場でも吸排気系など排ガス濃度に関わる箇所を重点的に点検するように奨励されました。対策済みの車両の助手席ドアの窓ガラスには対策済みであることを示すステッカーの貼付が義務化となり、街中でも排ガスパトロールとしてネズミ捕りのように路上で警官が抜き打ちの排ガス濃度の測定をしていたなど、未対策車といえども決して野放しにしていなかったわけではなく、自動車のエミッションコントロールにおいては1970年代からすでに日本は先行していたことが伺えます。

ちなみに、この「排ガス対策済」ステッカー、たまに車検場で当時を知らない検査官から助手席ドアのガラスに貼られていることから、剥がす様に言われることがあると聞くのですが、この排ガス規制施行前の「使用過程車」に対策済みのステッカーを貼るという法律は現在でも有効だそうで、剥がれて喪失しているほうが厳密には違反となります。(リプロ品を販売している業者も存在します)

会場にはトヨタスポーツ800も

目ざとい人は気づいたかもしれませんが、実はトヨタスポーツ800も展示されていました。こちらは愛知トヨタのクルマではなく、個人オーナーからの借用とのことです。

クラシックカーの未来に期待

よくトヨタ2000GTの希少性を物語る話として、総生産台数337台しかなかったというものがありますが、実はトヨタスポーツ800もトヨタ2000GTとまでいかないまでも国内専売モデルであったこともあり総生産台数は3131台、年間生産台数にしても数百台程度、自家用車の普及が急速に伸びた1960年代後半であっても日本でスポーツカーを購入できる人はごくわずかだったことが伺い知れます。(ダットサンフェアレディ、ホンダSの主なマーケットは海外輸出)

ちなみにこのヨタハチのオーナーもまた「ヘリテージ部門の設立」を訴えているそうです。やはり毎度毎度このクラシックカーの展示があるたびに「客寄せパンダ用にだけ昔のクルマをなおすなんてセコいことしてないでいい加減、僕のセリカもトヨタの整備工場で直してくださいよ」とついつい担当の営業さんに言いたくもなるのです…

近年は、愛知トヨタに限らず各トヨタ系ディーラーや関連会社が技術伝承の目的で往年のモデルのレストアをするという活動をしていると聞きます。今のところはあくまで社内研修の活動の一環ということですが、一般ユーザー向けのサービスとして展開する布石である事を願いたいものです。

【取材協力】
GRガレージ 高辻
https://www.aichi-toyota.jp/file/special/04701/1381/gr_garage/
住所:名古屋市昭和区高辻町5-1
TEL:(052)883-7401 
FAX:(052)883-7406

[ライター・画像/鈴木 修一郎]

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(CL 鈴木 修一郎)

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