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業界ニュース 2018.9.22

売れてるクルマはいいクルマという勘違い! メーカーが公表する新車登場時の販売台数の裏

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 そもそも目標台数自体がメーカーが独自に決めた数字

 自動車産業で働く人や、自動車メーカーについてよく知りたいという人の中には、自動車メーカーからのニュースを入手している人もいることでしょう。基本的に自動車メーカーのサイトに行けば、日々発表されるニュースを確認することができるようになっています。役員などの人事移動や月間の生産台数といった極めて企業的なものから、新型車の情報やティザーキャンペーン開始など製品に直接的な情報まで、幅広く提供されています。

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 そんな中に「発売後2週間で月間販売目標の3倍を超える受注がありました」といったニュースが混じっていたりします。新型車を出してみたら、予定よりも大幅にたくさん買ってもらえました! ということを言いたいのでしょう。人気があるんだから、みなさん買ってくださいね、という意図も含まれているような気もしますが、この手の情報は株主を始めとした金融・投資筋に対するアピールと考えたほうがいいと思います。

 そもそも月間販売目標というのは、自動車メーカーが自分たちで決めた数値です。そこにどんな根拠があるわけでもありません。新型車のニュースリリースには必ず販売目標が入っていますが、それは企画段階から想定されたものではなく、発表日の直前、ニュースリリースに間に合うギリギリのタイミングで決まります。それを高めにすれば商品として自信があるということになるのでしょうか。ただ低めに設定すれば、実際の契約数が多めに見え、○倍というセンセーショナルな発表も可能になります。

 新車効果というのがあります。これは新車が発表された直後に、大量の受注があるということです。「発売後から1カ月で目標販売台数の○倍」というのは、まさに新車効果の大きさを如実に現しています。もちろん新型車を待っていた人も居るでしょう。新型車を見てピンときて契約した人もいるはずです。しかし、単なる新しモノ好きが飛びついた分もあるでしょうし、どんなクルマだろうが買う約束をしていた取引関係のある会社もあるでしょう。

 そもそもロクに乗る機会もないまま買われるのが日本のクルマなので、売れた数=高評価ということにはつながるはずはないですね。売れているクルマがいいクルマである、というのは大きな勘違いです。

 ちなみに2017年の日本の乗用車登録台数(軽自動車は含まれない)は以下のようになっています。

1位 トヨタ・プリウス 2位 日産・ノート 3位 トヨタ・アクア 4位 トヨタ・C-HR 5位 ホンダ・フリード 6位 ホンダ・フィット 7位 トヨタ・シエンタ 8位 トヨタ・ヴィッツ 9位 トヨタ・ヴォクシー 10位 日産・セレナ

 みなさんはこのリストを見て、買う価値のあるモデルがいくつありますか? クルマは機械としての質が大切であると考えるボクの視点で、単純にクルマの質だけを考えると、1つしかありません。ほかの9つのモデルには、代替することができる、よりベターなモデルが存在しています。

 販売店の試乗車や展示車も受注台数に含まれる

 前述の契約数はあくまで社内集計のデータです。一部のメーカーでは、とりあえずディーラーが抑えておくための予約も、そうした数字に含まれているケースもあります。ディーラーから注文が入ったことは間違いないので、自動車メーカーとして見れば、それも契約数のひとつとカウントできるのでしょう。

 しかし登録台数は一応は公的なデータなので、そうした仮発注のような数字が含まれることはありません。ただそれでも注意しなければならない数字があります。それはディーラーの販売拠点数です。 トヨタ   約5000店以上 日産    約2100店 ホンダ   約2250店 マツダ   約1200店 三菱    約610店 スズキ   約2000店 ダイハツ  約900店 スバル   約460店 たとえば日産の新型車が出て、試乗車を1拠点1台ずつ用意したとしますね。そうすると間違いなく約2100台の新車が登録されるんです。1.5台ずつなら、3000台を超えるんですね。トヨタの場合、たとえばプリウスやアクアのような全店舗扱いのモデルが1拠点2台ずつ試乗車を用意すると、それだけで1万台以上の登録台数になってしまうんですね。その台数と評価はもちろん無関係ですが、それ以上に人気とも完全に無縁な数字になるわけです。

「そんなことを言っても、売れているということは何らかの魅力がある商品なのでは?」という反論も聞こえてきそうです。しかしクルマは家電とは違うんですね。家電の大半は今、量販店で販売されていますが、クルマは専売店で販売されています。商品を直接的に横並びで比較することができないんですね。昔は家電も、ナショナル(現パナソニック)や東芝、日立のお店に買いに行っていたんですが、それが量販店が全国に展開し、結果として大手メーカーのシェアは大きく低下し、新興メーカーが大きく躍進することができました。

 また販売拠点数が違いますから、当然販売力に大きな差があるわけです。そして地方では、販売拠点数が少ないメーカーの場合には、近くに販売店が存在しない、という状況になってしまいます。カローラ店系列だけで約1300店舗ありますから、カローラスポーツがインプレッサスポーツの3倍の登録台数になったとしても、それで優劣を付けるのは間違っていると思います。

 売れているクルマが欲しいですか? 自分にマッチしたクルマが欲しくないですか? それであればまず販売台数とか、人気ランキングとか、無視してしまって、いろいろなモデルを先入観ナシにリサーチしてみることをお勧めします。

 クルマ好きなら、必死で資金をやりくりしてクルマを買うなら、他人よりも充実したカーライフを送りたいなら、人気などに惑わされることなく、自分なりのオンリーワンを探し出してください。

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(WEB CARTOP 岡村神弥)

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