乗ってみると、思いのほか実力が高く、運転が楽しいクルマというのがある。
もちろんあまり売れなければ自動車専門誌やWebに載ることが減ってゆき、その実力と魅力は分かりづらい。ただ見かける機会が少なくても「いいクルマ」はたくさんあるし、その実力を考えると、もっと売れてもいいのに、と思うクルマは意外にも多いのだ。
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もちろん、今ひとつ販売が伸び悩み、マイナーな存在になっているクルマにはそれなりの(売れない)理由がある。発表発売から時間がたっているクルマは、新鮮味が薄れているから話題に上らない。また、登場からそれほど時間が経っていなくても、不人気車のレッテルを貼られたクルマもある。
今の時代は、燃費のいいハイブリッド車や先進安全装備を設定していないから、購入のリストから外されてしまう、ということも多いのだろう。そのため売れ行きは今ひとつにとどまる。
だが、自動車メディアの目から見ると、とても魅力的と感じるクルマは少なくないのだ。平均点が高くないため注目されないが、いくつかの項目で傑出した点数を叩き出すクルマがある。こういったクルマは、ユーザーの使い方やライフスタイルとマッチすれば魅力的と感じるはずだ。
以下、そんなクルマを改めて現行国産車の中から探し、改めて紹介したい。
(なお本企画登場車種は軒並み月販台数3ケタだが、参考までに2018年8月車名別月販台数1位のN-BOXは1万5149台を販売。登録車ではノートが1万642台を販売している。強い)
文:片岡英明
■三菱デリカD:5 2018年8月販売台数 810台
異色のミニバンである。
人気車の多くは、広くて快適なキャビンを売りにしている。4WDも設定するが、主役は2WDだ。これに対しデリカD:5は広いキャビンに加え、4WDならではのタフな走破性を売りにする。販売比率は4WDのほうがはるかに多いのだ。
ランサーエボリューションで培ってきた4輪を統合制御するAWC技術を導入した電子制御4WDを採用し、卓越した走波性能を実現している。オフロードや雪道を走ってみると、その実力の高さに驚かされるはずだ。
パワーユニットは2WDが2Lのガソリンエンジン、4WDは2.4Lのガソリンと2.2LのDOHC直噴ディーゼルターボを搭載する。乗車定員は7人と8人を設定した。2.2Lのディーゼルターボは低回転から豊かなトルクを発生し、雪道でも扱いやすい。人気が高いのはアウトドアライフに最適な特別仕様車だ。「アクティブギア」や「ジャスパー」などに人気が集中している。半年以内に大幅にチェンジする予定だが、条件次第では買っても損はないだろう。
■トヨタハイラックス 2018年8月販売台数 570台
クロスカントリー4WDの先駆けとなったトヨタのハイラックスが久しぶりに日本市場に戻ってきた。押しの強いスタイリングだし、悪路の走破性も非凡だ。最新モデルはタイで生産され、エンジンも最新の2.4Lディーゼルを搭載している。しかもダブルピックだから後席に3人が座ることが可能だ。安全装備だって先代と比較にならないくらい充実した。だが、販売は今一歩にとどまっている。
全長は5.3mを超え、全幅も広い。とにかく威圧されるほどデカイのだ。都市部では大きさを持て余すだろう。
最低地上高も215mmあり、フロアは高いから乗り降りするのも大変だ。また、1ナンバー登録だし、価格も300万円を超えるのも及び腰になっている理由のひとつだろう。
が、今どき、こんなに目立ち、悪路の走りを楽しめるSUVはない。それでいて舗装路の走りも驚くほどよくなっている。デザインだってカッコいいし、遠くから見ても目立つ。ドレスアップして乗るのも粋だ。燃費だってライバルに負けていない。長く付き合えるのも魅力だろう。
乗ってみれば、キミの人生が変わるはずだ。
■ダイハツコペン 2018年8月販売台数 265台
フルオープンの爽快なスポーツカーの醍醐味に加え、快適なスポーツクーペの優雅さも1台で楽しめるのがコペンである。現行の2代目は、初代ほど売れていない。が、電動アクティブトップは進化し、快適性を高めた。ルーフのロックを解除し、スイッチを引き上げれば約20秒でフルオープンになるのだ。メタルトップだからルーフを閉じれば雨風は気にならないし、高速走行も余裕でこなす。
しかも「ローブ」、「エクスプレイ」、「セロ」と、3つのボディタイプを設定した。「ローブ」と「セロ」はドア以外のパネルを自由に交換することができる。これも魅力だ。内装色も鮮やかなレッドなど、3色を設定した。658ccの直列3気筒DOHCターボはパワフルだ。7速CVTのほか、5速MTも選べる。ハンドリングは素直で、身のこなしは軽やかだ。走りの実力や快適性など、多くの点で初代より高いレベルにある。
ライバルと比べても、秀でている部分は多い。走っても、止めても注目度は群を抜く。いい気分で乗れるのだ。セカンドカーとしてだけでなくファーストカーとしても通用する実力派だから、もっと売れてもいいと思う。
■ホンダジェイド 2018年8月販売台数 492台
中国で先行発売し、2年後に日本でも発売を開始している。
最初は1.5Lエンジンにモーターのi-DCDハイブリッドだけだったが、その後、パワフルな1.5Lのターボ搭載車を追加した。また、スポーティな走りのRSも用意する。使い勝手がいいので、売れると思ったが、意外にも販売は低迷した。その理由は3列目の居住性と狭いラゲッジルームなど、実用性が今一歩だったことだろう。乗車定員も5人乗りと6人乗りだ。機動性においては弟分のフリードに負けている。
だが、ワゴン感覚で、いざというときは6人乗れる、と割り切れば不満はグッと少なくなるだろう。
立体駐車場を使え、日常の取り回し性も優れている。ハイブリッド車でも軽快な走りを見せ、ターボは痛快だ。
運転するのが楽しいミニバンなのである。しかも人間も見分けられる衝突軽減ブレーキを採用するなど、先進安全装備だっててんこ盛りだ。もう一度、ジェイドは見直されてもいいクルマだと思う。
■スズキSX-4 S-CROSS 2018年8月販売台数 85台
エスクードと兄弟関係にあるクロスオーバーSUVが、スズキのSX-4 S-CROSSだ。発売は2015年で、生産はハンガリーのマジャールスズキで行っている世界戦略車である。ボディサイズはホンダのヴェゼルと同じくらいで扱いやすい。エンジンは1.6Lの4気筒だ。駆動方式は4WDのほか、FFベースの2WDを設定した。ちょっと地味だったが、15年6月にマイナーチェンジを実施し、フロントマスクなどを化粧直ししている。
販売は今一歩で、知名度も低いが、もっと評価されてもいい実力派のクロスオーバーSUVだ。とくに最新モデルは、顔立ちが凛々しくなり、目立つようになった。LEDヘッドライトの採用もうれしい。また、トランスミッションがCVTから6速ATに変わり、ダイレクトな加速感を実現した。
ヨーロッパで鍛えられているからハンドリングも洗練されている。4WD、2WDともにハンドリングは素直で、コントロールしやすい。
もちろん悪路の走破性は文句なしだ。電子制御4WDのオールグリップはロックモードも装備し、最低地上高も余裕たっぷりだから大きなギャップをものともしない。ストローク感たっぷりのサスペンションによって卓越した走破性を見せ、乗り心地も良好である。
食わず嫌いの人も、視野と選択肢を広げ、実力比較をしてもいいと思う。
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