「安さ」よりも「機能」が選ばれている
ドライブレコーダーの需要が急拡大しています。業界団体のドライブレコーダー協議会によると、2016年度における主要メーカーの出荷実績は約145万7000台だったのが、2017年度には一気に約266万台まで増加。2018年度もすでに第1半期(4 6月)だけで約78万8000台となっています。
採用減る「センターメーター」は何だったのか クルマづくりにもたらす意義とは
ニーズ急増のきっかけは、2017年6月に東名高速で発生した「あおり運転」による死亡事故です。ふたりが死亡した同事故の加害者が10月に逮捕されると、このことが大きく報道され、あおり運転が社会問題化しました。前出のドライブレコーダー出荷台数も、2017年第2四半期(7月 9月)から第3四半期(10 12月)のあいだで2倍程度の伸びを見せています。
市場調査会社のGfKジャパン(東京都中野区)によると、こうした背景もあってドライブレコーダーはメーカー数、モデル数ともに増加しており、2017年は70強のメーカーから600以上のモデルが販売されたといいます。商品の動向を、カー用品店「オートバックス」を展開するオートバックスセブン(東京都江東区)に聞きました。
――ドライブレコーダーの価格は現在、どれくらいの幅があるのでしょうか?
店頭で取り扱っている商品の価格帯は1万円前後から5万円くらいまでで、全商品の平均価格としては1万7000円から1万8000円です。モノの一般的な傾向として、普及するにつれお客様の平均購入単価は下がっていくのですが、ドライブレコーダーに関しては様々な機能が追加されていることもあり、むしろ上がっています。2012年度末に1万1500円だったのが、2017年度末には1万7000円になっています。
――低価格モデル、高価格モデルでどのような違いがあるでしょうか?
低価格のものは画質がフルHDではなくHDだったり、衝撃感知機能やGPS機能がなかったりと、何か機能が欠けているケースが多いです。当社ではドライブレコーダー選びのポイントとして、「画質」「衝撃感知」「GPS」とご案内していますが、ここでいう「画質」は解像度の問題だけでなく、トンネルに出入りする場合などに起こる白とび、黒つぶれ、あるいは逆光などを補正してくれる機能もあり、低価格モデルはこのあたりが弱い傾向です。
「衝撃感知」というのは、衝撃を感知すると、そのときの映像を別フォルダで保存する機能です。ドライブレコーダーの多くは常時録画で、メモリーカードなどの容量に応じて順次上書きされてしまいますので、衝撃感知機能は「あのときの映像を確認したい」というときに便利です。このほか、「駐車監視機能」付きモデルも注目が高まっています。これは、エンジン停止後も、車両への衝撃を感知すると撮影を行う機能です。
あおり運転対策には何が有効か
――あおり運転の対策を考えるうえでは、どのような機能があるとよいのでしょうか?
あおり運転の社会問題化以降、車両の前後にカメラを取り付ける2カメラタイプが注目されています。あおり運転被害の多くは、後ろからあおられるか、前でノロノロ運転されるかがきっかけとなるケースが多いためです。事故時の証拠を残すことまで考慮すれば、横からの幅寄せ、衝突にも対応できる360度撮影タイプも注目されています。
2カメラタイプの売れ筋は店頭で税込3万円くらいのモデルですが、360度撮影タイプになると5万円くらいまで価格が上がります。ただ、取り付け費用においては、前後にカメラを装着するタイプと比べて1か所で済みますので、実質的には2カメラモデルにプラス1万円くらいでしょう。
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前出のGfKジャパンが2017年12月に発表した調査結果には、「あおり運転の被害に遭わないためにドライブレコーダーに求める機能」という項目で約1万3500人からの回答がまとめられています。それによると、「前後、後方の両方にカメラ」が最も高く55%、「夜間・暗所対応」が47%、「360度カメラ」が41%と続いており、同社は「今後の普及過程ではより全方位的な映像記録ができる製品の増加が見込まれる」としています。
現状で最も高価格帯の商品である360度撮影のドライブレコーダーとは、どのようなものでしょうか。市販用では日本初となる360度撮影ドライブレコーダー「ダクション360」を2017年2月に発売したカーメイト(東京都豊島区)によると、フロントガラス上部に取り付けるもので、サイドやリアは車室越しの映像になるものの、継ぎ目なく周囲の様子を記録することができるといいます。「発売当時は前方だけを撮影するモデルが多かったのですが、実際の事故は車両の後ろや横からのケースも多いことから、360度撮影可能なモデルを開発しました」とのこと。
カーメイトは、あおり運転に対する360度撮影のメリットとして「あおっているクルマが横からすり抜けて逃げていくシーンも途切れず撮影できる」「運転席も撮影されるので、自分に過失がなかったことも証明できる」点を挙げます。また、駐車監視機能においても、隣のクルマのドアが開いて自車のドアに傷をつけてしまう、いわゆる「ドアパンチ」の記録などに有効だそうです。
ただし360度撮影モデルには、一部を切り出すと画像が荒くなってしまうというデメリットも。このため、2018年10月発売予定の新商品「ダクション360 S」では、360度録画と同時に、前方だけ録画する日本初の「デュアルレック機能」を搭載し、ナンバーなどの視認性を向上させているといいます。
【グラフ】あおり運転対策に求められるドラレコの機能とは
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