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業界ニュース 2018.9.5

首都直下地震発生、首都高にできた亀裂段差を乗り越えろ…8方向作戦を担う訓練を追う

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「7キロポスト付近に、20cmの段差と、50cmの開きを確認」「対策本部、了解」「道路啓開部隊、集合!」「はーいっ!」「1番の乗用車を6人で手押しで移動!」「はーい!」「道路啓開作業が終了。滞留車両を通しまーすっ」……。

首都直下地震が発生し、首都高の橋梁つぎめで分断損傷や段差、開きが起きた場合、どう対処するか。

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首都高速は9月5日、首都直下地震を想定した緊急対応訓練を実施。橋梁つぎめに発生した段差・開き、複数の滞留車両があるような状況で、段差解消、車両の移動をできるだけすみやかに実施できるよう、習熟訓練を行った。

被害想定は、「最大震度6強の首都直下地震発生」「高架橋の支承(橋桁を支える部材)が脱落し、段差と開きが2か所発生」「一般車両が止まりきれず、路面段差に接触。後続車両が滞留し通行できない状態。一部は乗り捨て、積荷の散乱あり」。

こうした被害想定が設定されたなか、訓練していくポイントは、以下の3点。

(1)早朝の段差解消、車両移動、道路啓開をめざし、現場直近の出入口に集結した道路啓開部隊が逆光で段差か所にアクセス。

(2)EPSスロープ、軽量段差修正剤、FRP製渡し板を使用して、橋の継ぎ目の路面段差、開きを解消、滞留車両を通行させる。

(3)滞留車両を移動させ、緊急交通路として車両1台が走行できるスペースを確保する。

◆訓練のキーワードは「8方向作戦」

なぜ首都高がこうした訓練を実施するか。そのカギのひとつが、内閣府 災害対策基本法改正で定められた道路啓開計画「8方向作戦」。

8方向作戦は、首都直下地震発生時、都心に向けた8方向(8方位)ごとに、高速道路、国道、都道の被災か所・規模が比較的小さい路線・区間を交互に組み合わせて優先啓開ルートを設定。いっせいに道路啓開を進行させるという作戦。

ルート設定は、現地状況に応じて柔軟に対応しつつ、上下線各1車線の道路啓開を実施。人命救助の「72時間の壁」を意識し、発災後48時間以内に各方向最低1ルートは道路啓開を完了することを目標とする。

今回の首都高緊急対応訓練は、8方向作戦を遂行するイメージ。被害の大きい第三京浜を回避し、首都高を経由させて道路啓開させるという想定。

◆技術力とチームワーク、そして新素材のチカラ

では具体的な復旧作業はどうすすめられるか。首都高ではまず、橋梁技術系社員が現場に駆けつけ、滞留するクルマでパトロールカーが入れない場合は、折りたたみ自転車で移動し、被害現場へ向かう。

路面段差の高さ、開きの幅などをセンチ単位で測り、状況を対策本部へ伝える。その後、段差解消隊がかけつけ、軽量段差修正剤などを人力で設置し、段差を解消していく。

このとき威力を発揮するのが、パシフィックコンサルタンツの軽量段差修正剤と、宮地エンジニアリングのFRP製軽量渡し板、積水化成品工業のEPSスロープ。軽量土のうとゴムマットがセットの軽量段差修正剤は、従来の25kg土のうや800kgの鉄板に比べて、土のうは5kg、ゴムマットは25kgと、優れた軽量性が売り。

また、FRP製渡し板 F-Deck は、FRP形材と平板との組み合わせで、重さは30kg。大人がひとりで運べる軽さと強度が特徴。EPSスロープスロープは、発泡ポリエチレンEPSと、FRP表面保護剤を一体化し、緩やかな傾斜をつくりだす。

◆下流側からバックで救助車両を入れる

段差解消隊が軽量段差修正剤やFRP製軽量渡し板、EPSスロープで緩やかな傾斜をつくったあとは、滞留しているクルマたちの救助に入る。

首都高パトロール隊が、自走できるクルマ、自走できないクルマ、荷物の散乱などを確認し、被害現場の下流側から救助車両をバック(後退)で接近させる。

この後退で救助車両を入れるのがポイントと関係者はいう。道路上で転回できないという想定で、基本的にできるかぎり車両は進行方向を向いて救助作業を行う。

乗り捨てられたクルマは、ゴージャッキと呼ばれるジャッキで移動させ、記録用の写真を収める。自走できないクルマは、運転席側の後席窓を割って解錠し、レッカー車(首都高パトレッカー)でけん引して、滞留場所から引き出していく。

首都高では現在、より大きな段差被害に対応すべく、EPSフラットブロックを開発中。このEPSフラットブロックは、前出の軽量段差修正剤やFRP製軽量渡し板、EPSスロープの下に収まるブロックで、高い段差を乗り越えるための下地となるパーツになる。

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(レスポンス 大野雅人)

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