■高齢運転者における免許返納事情
ニュースなどで取り上げられる機会が多い「高齢運転者」の交通事故。「アクセルとブレーキペダルの踏み間違い」や「高速道路の逆走」など65歳以上の高齢者による事故は増加傾向にあります。
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国や警察庁などの関係行政機関は、高齢運転者による事故を減らす試みとして『運転免許証の自主返納制度』を以前から設け、制度の認知や自主返納への理解を深める活動を行なっています。
運転免許証の自主返納制度とは、有効期限の残っている運転免許証を自主的に返納するものです。高齢運転者による事故増加を受け、1998年の道路交通法改正により制度化されました。
返納場所は、最寄りの警察署や住所地を管轄する運転免許試験場です。返納手続きをしたその日から運転はできなくなり、代わりに申請日前5年間の自動車などの運転経歴を証明する『運転経歴証明書』の交付を受けることができ、証明書を提示することで「高齢者運転免許自主返納サポート協議会」の加盟店などさまざまな場所で特典を受けることができます。
また、自主返納の手続きをしたあとに、新たに運転免許証を取得する場合は、通常の取得方法と同様となります。自主返納者の再取得には優遇措置などないようです。ほかにも、運転免許の停止・取消しの行政処分中や停止・取消処分の基準などに該当する人は、自主返納することはできません。
2017年の自主返納件数は全体で42万3800件あり、そのうち65歳以上は40万4817件だったそうです。
制度が施行された1998年から2011年までは、年間10万件に届かない状況でしたが、運転経歴証明書交付後の経過年月にかかわらず本人確認書類として使用可能になってからは、毎年自主返納件数は増加しています。なお、2017年の運転経歴証明書の交付件数は、全体で36万6696件でした。
■自主返納のきっかけは「加齢」がトップ
運転免許証の自主返納制度が施行されてから約10年。自主返納制度の制定背景や現在の状況などを警察庁に伺いました。
――自主返納のそもそもの制定背景や返納者状況をお教えください。
高齢運転者のなかには、加齢にともなう身体能力の低下などを自覚し、自ら安全と道路交通に与える影響を考慮して、運転免許証の更新日を待たずに返納したいと要望の声がありました。運転免許証の自主返納制度は、運転免許を受けた者の申請により免許の効力を失わせるための手続きが定められていなかったことをふまえ、1997年の道路交通法改正により導入し、1998年4月より施行されています。
――自主返納制度の認知状況についてお教えください。
2017年11月、内閣府大臣官房政府広報室より、『運転免許の自主返納制度などに関する世論調査』が実施されました。この結果が2018年1月に公表され、世論調査では「制度の内容も含め知っている」と回答した人が73.0%、「内容はよく知らないが、聞いたことはある」と回答した人は、20.2%で、両者を合計すると「知っている」人は93.2%となり、回答者の9割以上が制度を認知していることが判明しています。
――自主返納をするきっかけなどどのような理由が多いのでしょうか。
前途の世論調査によると『どのようなときに運転免許証を返納しようと思うか(複数回答)』という質問に対し、「自分の身体能力の低下等を感じたとき」と回答した人は全体の64.3%です。続いて「家族等から運転をやめるよう勧められたとき」、「交通違反や交通事故を起こしたとき」、「公共交通機関が充実し、必要がないと感じたとき」という順に回答がありました。
――自主返納により得られる特典はありますか?
運転免許証の自主返納者に対しては、各自治体においてさまざまな支援を行なっています。「交通手段に関する支援」の場合、主にバスやタクシーなどの割引や回数券を配布。「物品贈呈に関する支援」では、交通安全グッズ、買い物ポイントカードなどの贈呈があり、「割引に関する支援」は購入商品の割引や施設利用料に関する割引などが実施されています。
各自治体により特典内容が異なるため、気になる方は「高齢運転者支援サイト」をご覧ください。
※ ※ ※ ※
運転免許証の自主返納制度は関係機関による認知活動により、高齢運転者に広がりをみせています。今後、高齢運転者の自主返納をさらに広めるには、免許返納後の交通手段をどう解決するかが課題といえます。とくに過疎化が進んでいる地方では高齢化も合わせて進んでいるので、高齢運転者の割合も多いですが、過疎化により公共交通機関の整備も進められないというジレンマに陥っているのが実情です。
出典:警察庁ウェブサイトの画像を加工して作成(https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/return_DL.html)
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