現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 第29回メディア対抗ロードスターレース参戦記(1)10年前、最後のレースの思い出

ここから本文です

第29回メディア対抗ロードスターレース参戦記(1)10年前、最後のレースの思い出

掲載 更新
第29回メディア対抗ロードスターレース参戦記(1)10年前、最後のレースの思い出

モータージャーナリスト塩見智が10年ぶりにレースに挑戦するストーリー。なぜもういちど挑戦しようと思ったのか? かつて同レースに参加した際の、ほろ苦い思い出とともに語るのであった。REPORT◎塩見智(SHIOMI Satoshi)PHOTO◎B-SPORT

 縁あって今週土曜、9月1日の「第29回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」に、映像メディア『Start Your Engines』と『MotorFan.jp』の混成チームから出場することになった。

知ってました? 北米のトヨタ車でもっとも高価なモデル、安いクルマはこのモデル。86? MIRAI? セコイア? ランクル?

 同レースに出るのは(多分)10年ぶり。私には苦い経験があった。自動車雑誌『NAVI』編集部にいた私は、2000年代後半、NAVIチームで同レースへ参戦していた。結果的に最後となったレース。日が暮れてヘッドランプが必要になるかならないかといった時間帯、私は快調に飛ばしていた。体感的にはNC型ロードスターと一体化していた。乗れている! そう感じていた。

 しかし、ほどなくその底の浅い自信が木っ端微塵に砕かれる時がきた。第2ヘアピン。前を行く車両がコーナーへ進入するその内側へ、自らの車両の鼻先を差し込んだ。1台分開いていたから。抜ける! 次の瞬間、蹴飛ばすようにブレーキペダルを踏んだが、まったく速度が落ちなかった。完全にブレーキングが遅すぎたのだ。何度もクリアできていたヘアピンコーナーだが、(幻想なのだが)順位を上げられそうな場面がおとずれ、完全に舞い上がったのだろう。

 前の車両がどんどん近づくが速度は落ちきらない。ドーン! 前の車両の運転席側のドア付近に自らの車両の左前部が衝突した。衝突の衝撃で前の車両は左へずれて停止したが、すぐにまた発進した。脇を何台もの車両が通り過ぎる。相手チームにはあとで謝るとして、私も再発進しなければ! エンジンをかける。かかった。ギアを入れてアクセルを踏んだ。何かが引っかかったような感じがあって進まない。ステアリングを切ると明らかにフィーリングがおかしい。

 マーシャルの人が他の車両に向けて黄旗を振りながら注意深く近づいてきて「けがはないですか?」と聞いてきた。いや、けがなんて全然してなくて、早く再発進しなきゃ……といったことを主張したような気がするが、嫌な思い出なのでもうだいぶ記憶が薄れた。結果的にはダメージは左前輪にまでおよんでいて、タイロッドがおかしくなっていた。作りかけのプラモデルみたいに左右の前輪がハの字みたいになってそれぞれ反対方向に切れていた。マーシャルの人がすごく優しかったことは鮮明に覚えている。

 ちなみに当時どこもそうしていたと思うが、ガラケーを車載し、確か自動的に着信する設定にして、必要な時にはイヤホンで指示を受けていた。しかし衝突を知らないチームからは連絡がない。戻ってこないなとは感じていたはずだ。そのうちフルコースコーションになったはずだから何かやらかしたと考えていたかもしれない。私は2ヘアのガードレールの外側からピットのチームに電話をかけた。「すみません、ぶつかって走行不能になりました」。チームからしてみれば走行中のドライバーから電話がかかってきて驚いただろう。簡単に経緯を説明して切った。何を言われたか覚えていない。

(つづく)

こんな記事も読まれています

レクサスが「LC500」「RC F」を販売終了!? ひっそり姿消していた…? 自然吸気V8・2ドアクーペに何が? 英国から欧州、日本に広がるか
レクサスが「LC500」「RC F」を販売終了!? ひっそり姿消していた…? 自然吸気V8・2ドアクーペに何が? 英国から欧州、日本に広がるか
くるまのニュース
小さくても手抜きなし! 全面進化した小排気量モトクロッサーKTM「65 SX」発売
小さくても手抜きなし! 全面進化した小排気量モトクロッサーKTM「65 SX」発売
バイクのニュース
[カーオーディオ 逸品探究]アルパインの自信作、「Xプレミアムサウンドスピーカー」の実力は…
[カーオーディオ 逸品探究]アルパインの自信作、「Xプレミアムサウンドスピーカー」の実力は…
レスポンス
ジープ グランドチェロキー SRT8は 圧倒的なオーラを放っていた【10年ひと昔の新車】
ジープ グランドチェロキー SRT8は 圧倒的なオーラを放っていた【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
スズキ「新型スイフト“セダン”」!? 精悍顔「コンパクトセダン」は意外と現実的! 次期型「ディザイア」なCGがスゴイ
スズキ「新型スイフト“セダン”」!? 精悍顔「コンパクトセダン」は意外と現実的! 次期型「ディザイア」なCGがスゴイ
くるまのニュース
「Try, Hyundai EV試乗会 KONA&IONIQ 5」の追加開催決定! 5月11日(土)から4都府県で順次開催
「Try, Hyundai EV試乗会 KONA&IONIQ 5」の追加開催決定! 5月11日(土)から4都府県で順次開催
カー・アンド・ドライバー
スバル伝説のスタイリッシュクーペ「アルシオーネSVX」ってどんなクルマ? 32年前の“右ハンドル仕様”を米国で発見
スバル伝説のスタイリッシュクーペ「アルシオーネSVX」ってどんなクルマ? 32年前の“右ハンドル仕様”を米国で発見
VAGUE
ますます魅力的……ホンダ軽商用バンN-VANが一部改良 Nシリーズ10周年記念車はアウトドアテイスト満点!!!
ますます魅力的……ホンダ軽商用バンN-VANが一部改良 Nシリーズ10周年記念車はアウトドアテイスト満点!!!
ベストカーWeb
トヨタ新型「ランクル250 エアロ仕様」初公開! オシャ&タフな精悍スタイル!? リアスポイラーも設定
トヨタ新型「ランクル250 エアロ仕様」初公開! オシャ&タフな精悍スタイル!? リアスポイラーも設定
くるまのニュース
R34GT-Rはタービン交換に40万円!? 中古で激安の過走行車購入はアリなの? 10年/10万kmのメンテ費用はいくらかかるのか
R34GT-Rはタービン交換に40万円!? 中古で激安の過走行車購入はアリなの? 10年/10万kmのメンテ費用はいくらかかるのか
ベストカーWeb
うおおおお!!!!!!!! やっぱあったじゃん新型マツダ6セダン!!! 待望のFRで高級サルーン爆誕か!?!?
うおおおお!!!!!!!! やっぱあったじゃん新型マツダ6セダン!!! 待望のFRで高級サルーン爆誕か!?!?
ベストカーWeb
スズキ「Vストローム250SX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「Vストローム250SX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
スズキ「スイフト」が英国で圧倒的支持を受ける理由 顧客満足度8度目の1位、信頼性ランキングも2位という揺るぎない実績
スズキ「スイフト」が英国で圧倒的支持を受ける理由 顧客満足度8度目の1位、信頼性ランキングも2位という揺るぎない実績
Merkmal
異次元のSTIモデルだ! 歴代Sシリーズで唯一SがつかないR205の走りがヤバすぎた!!!
異次元のSTIモデルだ! 歴代Sシリーズで唯一SがつかないR205の走りがヤバすぎた!!!
ベストカーWeb
最高のミニバンキャンパーはこれだ! 4人が寝られるトヨタ ノアがベースのキャンパー
最高のミニバンキャンパーはこれだ! 4人が寝られるトヨタ ノアがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
SFドライバーのテオ・プルシェールがインディカー参戦決定。第2戦ロングビーチでマクラーレンから代役出走へ
SFドライバーのテオ・プルシェールがインディカー参戦決定。第2戦ロングビーチでマクラーレンから代役出走へ
AUTOSPORT web
未来のWRC戦士は誰だ? 若武者激突! モリゾウチャレンジカップ第2戦レポート
未来のWRC戦士は誰だ? 若武者激突! モリゾウチャレンジカップ第2戦レポート
ベストカーWeb
プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村