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そりゃそうなのだ。「アナタが求めているのはソレじゃないでしょ」と言われているような感じ〈ルノー・カジャー長期レポートVol.5〉

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そりゃそうなのだ。「アナタが求めているのはソレじゃないでしょ」と言われているような感じ〈ルノー・カジャー長期レポートVol.5〉

順調にマイレージを重ねているMFカジャー号。台風が迫り、しかも酷暑の8月23日に東京・新宿のMotorFan.jp編集部から三浦半島の突端、城ヶ島までドライブに出かけた。ステアリングを握ったのは、カジャー初体験の世良耕太氏である。ファーストインプレッションや如何に?レポート日:2018年8月28日オドメーター:6400kmTEXT&PHOTO●世良耕太(SERA Kota)

「カジャー」と聞いて一瞬「?」となった。姿形がパッと浮かんでこない。SUVであることはわかる。聞けばキャプチャーよりも大きいらしい。ルノーの最新のデザインランゲージを取り入れたスタイリングであることは、容易に想像できる。

クルマ雑誌編集者のおもいでぽろぽろ。記憶に残る“すごいクルマ”たちを語ってみた

 下調べしておけって話だが、一切の予備知識なくカジャーと対面した。キャプチャーがルーテシアのSUV版なら、カジャーはメガーヌのSUV版である(サイズ的に)。想像どおり、ルノーの最新のデザインランゲージを身にまとっている。前後フェンダーはグラマラスで、ネコ科の大型猛獣がいままさに跳躍せんとする瞬間を切り取ったような躍動感と緊張感を感じさせる。

 ルーテシアといいキャプチャーといいメガーヌといい、最新のデザインランゲージでまとめられたルノーはどれも筆者の好みで、初対面のカジャーも例外ではなかった。

 いいじゃないっすか。


 エンジンは1.2ℓ直4直噴ターボで、これに7速DCT(ルノーの呼称ではEDC)を組み合わせる。1400kgを超える車重に過給機付きとはいえ1.2ℓのエンジンで大丈夫なのだろうかと、普段は同じ排気量で1200kg台のクルマに乗る筆者は心配するのだった。

 という前置きから容易に結論が想像できると思うが、大丈夫であった。物足りなさは皆無である。ルーテシアでもキャプチャーでも感じたことだが、DCTの制御は独特で、VWのDCTのようにスパッ、スパッと変速させず、ステップATのようにまったりと変速させる。VWのような他の例を知っていたりなじんでいたりすると「ん~」となるかもしれないが、ルノーのDCTを乗り継いでいる人にとっては、慣れ親しんだ味に違いない。


 運転席に着座したときの目線の位置は高い。デザイン上の都合からか、視界に占めるボンネットフードの存在感はなかなかで、「あ、これはちょっとばかり気を遣わないとマズイぞ」という気にさせる。国産の同カテゴリーより小回りが利かないだろうという先入観も影響し、細街路での左折はとくに気を遣う。このあたりは「気を遣うもの」と覚悟しておいたほうがいいだろう。


 ルーテシアこそルノーの脚を象徴すると思い込んでカジャーに乗ると、「ちょっと違うかも」と感じるかもしれない。重い車体を支える前提でセットアップしたのだろうか、1名乗車ではやや脚の張りが強いイメージだ。市街地よりも高速、1名乗車よりも4名乗車時のほうが動きはしっくりして、市街地&1名よりも高速or多人数乗車のほうが、ルノーの他のモデルで親しんだ乗り味に近い。

 このところとんと縁がなかったが、カジャーの場合はコンプレッサーが高速回転するときの懐かしい(?)ヒュイーン音が耳に届く。ルーテシアやキャプチャーではここまで聞こえなかったように思うがどうだったか……。この手の音が刺さる人(つまり筆者)にはたまらない演出に違いない。聞きようによっては歯を削るドリル音に似ているといえば似ていて、要は受け取りようである。


 姿形であれ、質感であれ、装備であれ、利便性であれ、他のブランドなら許せないがルノーなら許せるという判断は働くと思う(逆もまたしかり)。おそらく、ルノーだから許せる(と思われる)事象を挙げておくと、エアコンの効きはガンガンに効く国産車などに比べると弱めだし、後席にエアコンの吹きだし口はないし、ラゲッジスペースは車両サイズから想像するほど広くはない。

 でも、いいのだ。

 エクステリアもインテリアもルノーのデザインエッセンスに満たされている幸せを考えれば、どれも些細な事象のようにも思えてくる。「アナタが求めているのはソレじゃないでしょ」と言われているような感じで、そりゃそうなのだ。


 ところで、カジャーはCarPlayに対応しており、手持ちのiPhoneをUSBでつなぐと、マップやメッセージや電話やミュージックの機能を車載機器と同様の使い勝手で使うことができる。これは便利で、試乗車にはオプションのオンダッシュ型ナビシステムがついていたが、機能面でも美醜の観点でも不要だと感じた。

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