現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 次の100年を支えるアストンのスーパーGT──アストンマーティン DBSスーパーレッジェーラに試乗

ここから本文です

次の100年を支えるアストンのスーパーGT──アストンマーティン DBSスーパーレッジェーラに試乗

掲載 更新
次の100年を支えるアストンのスーパーGT──アストンマーティン DBSスーパーレッジェーラに試乗

今年のジュネーブ・ショーで、アストンマーティンのCEO、アンディー・パーマー氏に単独でインタビューする機会があった。すでに100年以上の歴史を刻み、それに続く100年をいかに魅力的なものとするかを考える「セカンド・センチュリー・プラン」を進行中であるのが、現在のアストンマーティンであることはよく知られているが、このインタビューの中でパーマー氏は、とても興味深いコメントを残した。アストンマーティンには7タイプのカスタマーが存在し、それはすなわち、7タイプのモデルが必要になることを意味するというのだ。

瞬間的に、頭の中をさまざまなモデルの姿が浮かんでは消えていく。セカンド・センチュリー・プランからすでに誕生しているのが、DB11、ヴァンテージ、DBSスーパーレッジェーラの3モデル。それにラピードとヴァルキリーが加わり、さらにこの先には、SUVのDBXとミドシップのスーパースポーツが登場する可能性が高いともいう。7モデルからなるアストンマーティンのラインナップは、これで完成ということになるのだろうか。

アストンマーティンのいいところがギュッと詰まっている──新型DBS スーパーレッジェーラ試乗記

今回ステアリングを握ったのは、アストンマーティンが「スーパーGT」とカテゴライズするDBSスーパーレッジェーラだ。2カ月ほど前には、DB11のV12クーペにビッグマイナーチェンジを施したDB11 AMRをドライブし、魅力的な姿に変貌したアストンマーティン製GT=グランドツーリングの走りに大いに感動したから、スーパーGTたるDBSスーパーレッジェーラの走りが、どれほどに感動的なのか、実に楽しみだった。

まずはそのスタイリング。ハニカムデザインのフロントグリルや、鋭利な刃物で、ひとつの固体からワンアクションで削り出したかのようなラインは美しく、そして力強い。ボンネット上にかつてカロッツェリア・ツーリングの作に掲げられていたスーパーレッジェーラの、またリアにはアストンマーティンの切り文字エンブレムがフィットされているのは、やや過剰な演出とも思えたが、これもニューマーケットでの認知のためなのだと説明されれば、せめてレス・オプションの設定だけはと願いたくなる。

長いフロントノーズの中に搭載されるエンジンは、DB11のV12モデルと同様に5.2リッターツインターボで、過給圧の向上などで最高出力&最大トルクは725ps&900Nmに強化されている、ボディーパネルにカーボンを使用したDBSスーパーレッジェーラはDB11のV12モデルに対して70kg強の軽量化を果たしているから、両者の効果は運動性能により大きく影響し、0→100km/h加速は3.4秒、最高速は340km/hを記録するという。スーパーGTというよりも、これはまちがいなくスーパースポーツの運動性能データといえる。

ステアリングホイール上のスイッチで、パワーユニットとシャシーの制御をそれぞれ別個に「GT」、「スポーツ」、「スポーツ・プラス」の各モードに選択できるのはDB11と同様で、最も快適で魅力的なクルージングを味わえるのが、どちらもGTモードを選択した時であるのもまた同じだ。ツインターボを装備するV12エンジンは、低速域から自然にターボのブースト効果を感じさせ、組み合わされる8速ATも、オートマチックモードでは、かなり早いタイミングでスムーズにシフトアップを続けていく。もちろん、さらに素早い加速を望むのならば、アクセルペダルを強く踏み込むだけでギアは瞬時に必要なだけのシフトダウンを実行し、加速体勢は瞬間的に整うから、ドライバーがストレスを感じることはない。

試乗ルートが市街地から交通量の少ないワインディングへと入ったので、ドライブモードをパワーユニット、シャシーともにスポーツモードにセットしてみた。エグゾーストノートはさらにスパルタンな音質とボリュームに変わるが、残念ながら個人的にはこの演出はあまり好みではない。とはいえ中速域から高速域にかけてのパワーフィールは素晴らしく、このエリアにタコメーターの針を常に固定するように心がければ、DBSスーパーレッジェーラの動きは相当にスパルタンなものになる。

フットワークにももちろん心配はない。乗り心地もまだまだ快適なレベルで、その一方でステアリングにはさらに正確さが加わるから、連続するコーナーを気持ちよく、そして相当なハイペースでクリアしていくことができるのだ。ワインディングでは長時間試すことはできなかったが、スポーツプラスモードでは、サーキットドライブをも余裕でこなす、パワーユニットとシャシーの能力を存分に味わえるに違いない。

DBSスーパーレッジェーラは、これまでのヴァンキッシュSの後継車として位置づけられるニューモデルだ。ちなみにヴァンキッシュとは、けっこう過激な意味(打ち負かす)を持つ英語だが、アストンマーティンは、どうやらそれをセカンド・センチュリー・プランの中で誕生するミドシップモデルに与える可能性が高いようだ。初代モデルはフェラーリのフロントエンジンV12をヴァンキッシュするために。セカンドモデルはやはりフェラーリのV8ミドシップをヴァンキッシュするために。その過激なストーリーを、我々はこれから見て、そしてまた楽しんでいくことになる。

こんな記事も読まれています

スズキ「スイフト」が英国で圧倒的支持を受ける理由 顧客満足度8度目の1位、信頼性ランキングも2位という揺るぎない実績
スズキ「スイフト」が英国で圧倒的支持を受ける理由 顧客満足度8度目の1位、信頼性ランキングも2位という揺るぎない実績
Merkmal
異次元のSTIモデルだ! 歴代Sシリーズで唯一SがつかないR205の走りがヤバすぎた!!!
異次元のSTIモデルだ! 歴代Sシリーズで唯一SがつかないR205の走りがヤバすぎた!!!
ベストカーWeb
最高のミニバンキャンパーはこれだ! 4人が寝られるトヨタ ノアがベースのキャンパー
最高のミニバンキャンパーはこれだ! 4人が寝られるトヨタ ノアがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
SFドライバーのテオ・プルシェールがインディカー参戦決定。第2戦ロングビーチでマクラーレンから代役出走へ
SFドライバーのテオ・プルシェールがインディカー参戦決定。第2戦ロングビーチでマクラーレンから代役出走へ
AUTOSPORT web
未来のWRC戦士は誰だ? 若武者激突! モリゾウチャレンジカップ第2戦レポート
未来のWRC戦士は誰だ? 若武者激突! モリゾウチャレンジカップ第2戦レポート
ベストカーWeb
プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
ベストカーWeb
宮田莉朋が2度目のWEC出走へ。第3戦スパでレクサスRC F GT3を代役ドライブ
宮田莉朋が2度目のWEC出走へ。第3戦スパでレクサスRC F GT3を代役ドライブ
AUTOSPORT web
中央道の渋滞対策2ストライク、三振間近! なぜ愚策が繰り返されるのか?[清水草一の道路ニュース]
中央道の渋滞対策2ストライク、三振間近! なぜ愚策が繰り返されるのか?[清水草一の道路ニュース]
ベストカーWeb
大型連休でも大活躍! 6名以上乗れる手頃な価格の中古車4選
大型連休でも大活躍! 6名以上乗れる手頃な価格の中古車4選
グーネット
ハイブリッドなのにスポーツカー⁉️ C 63 Sに新世代のAMGを見た
ハイブリッドなのにスポーツカー⁉️ C 63 Sに新世代のAMGを見た
グーネット
レクサス 新型「GX550オーバートレイル+」抽選販売スタート!通常販売は2024年秋開始
レクサス 新型「GX550オーバートレイル+」抽選販売スタート!通常販売は2024年秋開始
グーネット
マツダ 新型3列シートSUV「CX-80」初公開 2024年秋に欧州で発売
マツダ 新型3列シートSUV「CX-80」初公開 2024年秋に欧州で発売
グーネット
プリウス後席ドアに13万台のリコール! 暫定的に手動開閉に! ところでプリウス後席ドアって手動でどう開けるの?
プリウス後席ドアに13万台のリコール! 暫定的に手動開閉に! ところでプリウス後席ドアって手動でどう開けるの?
ベストカーWeb
クルマの窓から愛犬が顔出してる! 可愛いんだけどこれって違反にならないの?
クルマの窓から愛犬が顔出してる! 可愛いんだけどこれって違反にならないの?
ベストカーWeb
ボルドールの経験でEWCの切符を掴んだ綿貫舞空。ル・マンで昨年2位の3ART加入に「できれば優勝をしたい」と意気込み
ボルドールの経験でEWCの切符を掴んだ綿貫舞空。ル・マンで昨年2位の3ART加入に「できれば優勝をしたい」と意気込み
AUTOSPORT web
BYDが都内屈指の自動車ディーラー激戦区に「BYD AUTO 目黒」を開店
BYDが都内屈指の自動車ディーラー激戦区に「BYD AUTO 目黒」を開店
グーネット
今やブーム真っ只中なのに……期待が大きすぎた  悲しい運命をたどった[SUV]4選
今やブーム真っ只中なのに……期待が大きすぎた  悲しい運命をたどった[SUV]4選
ベストカーWeb
マツダの新型「3列SUV」でた! ついに5m級 驚異的パワー!? 「CX-80」欧州で世界初公開 これ日本に来るのか!?
マツダの新型「3列SUV」でた! ついに5m級 驚異的パワー!? 「CX-80」欧州で世界初公開 これ日本に来るのか!?
乗りものニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2580.02870.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1298.02990.0万円

中古車を検索
DB11の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2580.02870.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1298.02990.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村